指名される技術 六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術

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指名される技術 六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術
出版社
ゴマブックス
出版日
2015年08月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

扱いにくいお客をあしらい、面倒ごとを軽やかにかわしながら、艶っぽい会話に美しくほほえむホステスさんたち――昼の世界と変わらず、いや、ひょっとしたらそれ以上に、欲望と金が渦巻く夜の世界は厳しい。

そうしたプロのホステスさんたちの仕事ぶりを目の当たりにしてきた、ホリエモンこと堀江貴文氏と、ゲーム「シーマン」の制作者として知られる斎藤由多加氏が、彼女たちの「仕事術」をまとめたのが本書である。著者たちの体験談は、どちらによるものかを伏せておくために、「堀藤さん」という架空の人物の体験として語られている。

ホステスさんたちの駆使する技は、なまなましいコミュニケーションの現場においてクライアントをリピートさせる、高度な技術である。だが、それは決して真似できない技術ではなく、著者らの分析によって、どれも、営業や接客の場ですぐに応用できそうなものとして解説されている。分析においては、たとえば実業家たちの顔合わせの場におけるシビアな現実や、「シーマン」のキャラクター設定の裏話など、著者らのそれぞれの仕事場における経験も絡められているのが興味深い。

ぜひ、「堀藤さん」とともに夜のお店をのぞいてみるような気持ちで、エピソードを楽しみながら、「仕事術」を学んでみてはいかがだろうか。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

堀江貴文
1972年、福岡県生まれ。現在は自身が手掛けるロケットエンジン開発 を中心に、スマホアプリ「テリヤキ」「755」のプロデュースを手掛けるなど幅広い活躍をみせる。ホリエモン・ドットコムでは『テクノロジーが 世界を変える』をテーマに、各界のイノベーター達に堀江自らがインタビュワーとなり取材したものを連載中。同じく毎日更新の ブログ、今話題のニュースを集めたニュースキュレーションでもワクワクするような情報や独自の見解を発信中!
2014年、新世代のゲーム会社ロケットサイエンスを創業。

【ホリエモン・ドットコム】
http://horiemon.com/

昨年は有料会員サロン「堀江貴文サロン」を オープン。全国の会員と共に様々なプロジェクトを進行中。
【堀江貴文サロン】
http://salon.horiemon.com/

メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」の読者は1万数千人を超える。著書『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『我が闘争』(幻冬舎)、『あえて、レールから外れる。逆転の仕事論』(双葉社)等がある。
Twitterアカウント @takapon_jp

齋藤由多加
1962年東京都生まれ。ゲーム・クリエーター。大学卒業後、(株)リクルートを経て1994年オープンブック(株)を創業、現在に至る。(株)リクルートのフェロー職を5期歴任。高層ビルシミュレーション『タワー』の国内外のヒット(海外名はSimTower)で全米パブリッシャーズ協会賞ほか受賞。1995年、日経社『ベンチャー・オブ・ザ・イヤー』最優秀若手経営者部門賞。
1999年、『シーマン ~禁断のペット~』をドリームキャスト向けに発売。文化庁メディア芸術祭優秀賞、米国GDC「年間キャラクター賞」はじめ受賞多数。2006年、ゲーム「大玉」、2012年ゲーム「エアロポーター」を発表。
2013年の参院選に自民党「生声アプリ」開発、2014年から大手住宅メーカーの「喋る家」開発など先端技術分野に関与し2014年には、列強国の領土変化を俯瞰する「EarthBook」をリリース。2016年「ソーシャル地球儀」を発表予定。
堀江貴文氏のゲーム会社「ロケットサイエンス」にクリエーターとして参加。

【オープンブック】
http://www.openbook.jp/

著書『ハンバーガーを待つ3分間の値段』(幻冬舎)、『社長業のオキテ』(幻冬舎)ほか。
Twitterアカウント @YootSaito

本書の要点

  • 要点
    1
    客にリピートしてもらうためには、自分をアピールするのではなく、客に主役になってもらうという意識が大切だ。
  • 要点
    2
    人を味方にして動かすには、何らかのプロセスを共有し、同じ側に立つようにして「共犯意識」を培うことだ。
  • 要点
    3
    上手に聞いて客の本当の願望を引っぱり出し、その欲望を満たさず絶やさず、継続させていくことが、「指名される技術」の核となる。
  • 要点
    4
    客の願望を大切にした上で、自分の願望も見据え、着実に行動していくことがプロの心得である。

要約

クラブママが使う嫌われない技術

クラブとキャバクラ

まず、水商売におけるクラブとキャバクラの違いについて、少しふれておこう。

水商売の代表的なものであるこれら二つは、似て非なるものである。キャバクラは、日によって客が違う女の子を「本指名」できる。「本指名」をもらうと売上ポイントがたくさんつくため、キャバ嬢は指名してくれる客を狙い、キャバ嬢同士で奪い合う。スリリングな状況を楽しむ客が通うという。クラブは、永久指名制である。初回でついたホステスが、その後もつくことになるので、客を退屈させずに客をリピートさせる技術が必要になる。

主役の座はクライアントに明け渡せ
Chagin/iStock/Thinkstock

女の子を変えて楽しむことも、女の子同士の争いを面白がることもできない高級クラブにおいて、ママたちが持っているのは「嫌われない技術」である。下手に好かれようとせず、自分は余計なことはしない。ヘルプの女の子たちを呼んで、客が誰かを気に入れば、その子と客との会話を盛り上げて次につなげる。

映画界や芸能界でも息が長いのは脇役である。指名され続けるための秘訣は、主役を食わずに空気を読む脇役にある、と著者はいう。コンピュータ・ゲーム業界でも、良いゲームは勝手に動き出すゲームではなく、「召使のように主人の言葉を待つ『耳』が発達している」ゲームだという。そういうゲームに人々はハマるのだ。

自分に固執せず、クライアントに主役を張ってもらうこと。商品においては、完成に至る最後の1ピースを、客によって埋めさせること。それが、クライアントや客に当事者意識を芽生えさせ、リピートさせる要因になる。

人を味方にする方法

Hさんというホステス

人を動かす強い力は、前述のような「当事者意識」や「共犯意識」にある。成長著しい企業のCMに注目してみると、消費者や社員に対してそうした意識を喚起するものが多いことに気づくはずである。

プロのホステスは、この「共犯意識」を演出して関係をつくる術に長けている。銀座の一流店のHさんというホステスのお姉さんは、堀藤さんが銀座に通うようになった始めのころから、銀座の手ほどきをしてくれた存在だという。

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要約公開日 2016.03.16
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