「理」と「情」の狭間

大塚家具から考えるコーポレートガバナンス

ジャンル
産業・業界, 人事
著者
ページ数
247ページ
出版社
日経BP社 出版社ページ
定価
1,619円
出版日
2016年03月22日
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要約者レビュー

それは2015年2月25日の出来事だった。大塚家具の大塚勝久会長(当時)が突然、大勢の幹部社員を引き連れて記者会見を開き、娘の大塚久美子社長を断罪した。このド派手なパフォーマンスはテレビのワイドショーでも連日取りあげられ、長きにわたる報道合戦を巻き起こすこととなった。
ここで興味深いのは、大塚家具という会社のイメージはこの騒動を通じて悪化するどころか、ある意味でプラスに転じたことだ。著者はその理由として、「どこの家族経営の企業でも起こる話だと多くの人が感じたから」だとしている。実際、日本では「跡継ぎ」の問題に悩む人が増えている。安倍晋三内閣が掲げる成長戦略でも、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化は真っ先に取りあげられており、もはや安易に「創業者の子どもだから適任」というわけにはいかない時代になっている。
本書は、大塚家具の騒動をモデルケースとしながら、日本におけるコーポレートガバナンスの問題に切り込んだ意欲作だ。大塚家具を「公器」として、上場企業にふさわしいコーポレートガバナンスのありかたを世の中に訴えた久美子氏の「理」と、大塚家具を自らが創業した「家業」と見なし、会社を家族としてとらえる勝久氏の「情」の対立が、本書ではありありと描写されている。大塚家具騒動をふりかえりたい方にはもちろんのこと、日本のファミリービジネスがどこへ向かっていくのかを知りたい方にも、ぜひ手にとってみていただきたい一冊である。 (石渡 翔)

著者情報

磯山 友幸 (いそやま ともゆき)
経済ジャーナリスト
1962年東京生まれ。87年早稲田大学政治経済学部卒業、日本経済新聞社入社。証券部記者、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、日経ビジネス副編集長・編集委員などを経て、2011年に退社・独立しフリーに。早稲田大学政治経済学術院非常勤講師なども務める。著書に『国際会計基準戦争完結編』『ブランド王国スイスの秘密』(いずれも日経BP社)など。共著に『オリンパス症候群』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)。

評点(5点満点)

総合 (4.0)
革新性 (3.5)
明瞭性 (4.5)
応用性 (4.0)

本書の要点

  • 当時会長だった大塚勝久氏には「情」に訴えかける発言が多く見られた。一方、社長である久美子氏は「理」をもって説明するという態度を貫き通した。
  • 大騒動を巻き起こした会見の前から、すでに...

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産業・業界, 人事
著者
ページ数
247ページ
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日経BP社 出版社ページ
定価
1,619円
出版日
2016年03月22日
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日経BP社 http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/251350.html
「理」と「情」の狭間 4.0 石渡 翔 2017-01-12
「理」と「情」の狭間 1619

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