科学革命の構造

ジャンル
サイエンス・テクノロジー
著者
ページ数
296ページ
出版社
みすず書房 出版社ページ
定価
3,024円
出版日
1971年03月05日
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要約者レビュー

「パラダイム」は、すでに日本でも定着している用語だ。最近では、「思考の枠組みの変化」というような意味で、「パラダイム・シフト」などと言ったりすることが多いのではないだろうか。
このパラダイムという言葉を学術用語として使い、学界に新風をもたらしたのが、他でもない本書の著者であるトーマス・クーンである。1962年にアメリカで原書が出版されると、瞬く間に科学史、そして隣接する分野において数多くの議論を巻き起こした。
パラダイムはもともと「模範」や「典型」といった意味だが、クーンはこれを、「後の科学者にとって手本となるような業績」と定義する。そして既存のパラダイムが淘汰され、新たなパラダイムへ取って代わられていく様子を、「科学革命」として描く。
あくまで本書は科学史・科学哲学の専門書であり、科学知識や難解な表現が多く含まれている。そういう意味では、けっしてやさしい本ではない。また、50年以上前に世に出され、その直後から数多くの批判を受けてきたこともあり、日本語訳の最後には1969年にクーン自身が追補した「補章」が50ページ近く収録されている。そのため、議論をきちんと追いかけるためには相応の労力が必要だ。しかし、これこそがまさに、科学における諸理論が多くの批判や反証に晒されながらも、発展してきた様子を示しているのではないだろうか。
本書のような古典的著作にじっくり向き合い、自分なりの思考を試みる経験は、今後の技術発展や変革について考えるさいに、大きな助けとなるにちがいない。 (櫻井 理沙)

著者情報

トーマス・クーン (Thomas S. Kuhn)
1922年、アメリカのオハイオ州でドイツ系ユダヤ人の土木技師の子として生れる。ハーバード大学で物理学を学び、1949年Ph.D.を得る。ハーバード大学、カリフォルニア大学、プリンストン大学で教えた後、1979年からマサチューセッツ工科大学(MIT)科学史・科学哲学教授。著書には本書のほか『コペルニクス改革』(1957、 邦訳:常石敬一訳、講談社学術文庫、1989)『量子物理学史』(1967)『科学革命における本質的緊張』(1977、邦訳:安孫子誠也、佐野正博訳、みすず書房、1998)『構造以来の道』(2000、邦訳:佐々木 力、みすず書房、2008)『黒体理論と量子論的不連続性 1894-1912』(1978)などがある。1996年癌のために逝去、73歳。

評点(5点満点)

総合 (3.3)
革新性 (4.0)
明瞭性 (3.0)
応用性 (3.0)

本書の要点

  • 一部の科学史家は、「累積による発展」という科学史観にもとづいていては、科学をとらえられないことに気がついている。
  • 「パラダイム」とは、他の対立・競争する科...

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サイエンス・テクノロジー
著者
ページ数
296ページ
出版社
みすず書房 出版社ページ
定価
3,024円
出版日
1971年03月05日
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みすず書房 http://www.msz.co.jp/book/detail/01667.html
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