「いき」の構造

他二篇

ビジネスリーダーが薦める岩波文庫
三井住友信託銀行 特別顧問
櫻井修氏ご推薦
ジャンル
人文科学
著者
ページ数
233ページ
出版社
岩波書店
定価
713円
出版日
1979年09月17日
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要約者レビュー

「いき」な着こなし、「いき」な柄、「いき」な計らい――。確かにあるけれどもなかなかに捉えがたい、「いき」という日本的な美意識の構造を明らかにするのが、本書表題の論文である。
著者、九鬼周造は、ヨーロッパ哲学史のスターたちに教えを受けた、第一級の哲学者である。九鬼の面目躍如たる本稿は、「いき」という身近なテーマを扱いつつも、エッセイの類ではなく、西洋哲学の伝統的方法論に基づくれっきとした学術論文である。そのため、用語や言い回しにとっつきにくさを感じる方も多いかもしれない。
だが、だからといって本書に手を出さずにいるのは非常にもったいない。本書には、本格的な論考としての価値のほかに大きな魅力がある。
「いき」はもともと江戸の、遊郭で生まれた美意識だったという。「粋と云はれて浮いた同士(どし)」というように、つねにそこには色っぽさがつきまとう。九鬼は、江戸文学や浮世絵を引き合いに出しながら、「いき」を着実に言葉にしていく。それぞれの表現を楽しみ、「いき」の背後にある豊かな江戸文化を知ることだけでも、読者は感性を磨き、教養を深めることができるだろう。
本書の解説はフランス文学者であり、評論家である多田道太郎による。「『いき』というのは、日本を知るために、また世界を知るために大事な美意識だと思う」と多田は語る。本書はまた、多くの著名なビジネスパーソンのファンを持つ、ロングセラー作品でもある。洗練された一流のビジネスパーソンとなるため、ぜひ目を通していただきたい一冊だ。 (熊倉 沙希子)

著者情報

九鬼周造
(1888―1941)
哲学者。東京大学哲学科卒業。ヨーロッパに留学し、リッケルト、ベルグソン、ハイデッガーに師事する。帰国後、京都大学で教鞭をとる。解釈学的、現象学的手法を用いて日本固有の精神構造あるいは美意識を分析した。主な著書に『「いき」の構造』『偶然性の問題』などがある。

評点(5点満点)

総合 (4.0)
革新性 (4.0)
明瞭性 (3.5)
応用性 (4.5)

本書の要点

  • わたしたちが意識として持っている「いき」は、「垢抜して(諦め)、張のある(意気地)、色っぽさ(媚態)」と定義することができる。
  • 「いき」が感じとれる身体のありさまや模様...

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