企業家としての国家

イノベーション力で官は民に劣るという神話

ジャンル
政治・経済, グローバル
著者
ページ数
443ページ
出版社
薬事日報社
定価
3,023円
出版日
2015年09月02日
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要約者レビュー

「経済における国家の役割は何か」とたずねられて、どんなイメージを持つだろうか。国家とは、官僚的で融通が利かないもの、できることがあるとすれば、民間企業の自由な活動を邪魔しないようにすること――。特に先進国では、そのような見方が一般的だろう。しかし、本書の著者であるイギリスの経済学者マリアナ・マッツカート氏によれば、歴史的に見て、企業家精神を持ち、経済成長の原動力となるイノベーションを起こしてきたのは国家なのだという。
私たちの多くが抱いている「役に立たない国家」というイメージからすると、にわかには信じがたいこの主張を、著者はiPhoneや風力発電、太陽光発電の例を挙げながら、一つずつ鮮やかにくつがえしていく。「企業家としての国家」の性質が最もよく表れた例は、意外にも日本にあるのだと著者は指摘する。1960~80年代に日本経済が驚異的な成長を遂げることができたのは、日本政府が将来を見据えた構造改革や技術開発、イノベーションへの投資を惜しまなかったことにその理由がある。
詳細な分析を丁寧に積み上げた著者の議論には非常に説得力があり、氏の論文が9か国語に翻訳されて話題を呼び、EUの政策に大きな影響を与えたという事実もうなずける。経済学の理論に苦手意識がある方も、まずは第5章、iPhoneの成功譚を紹介したページを開いてみてほしい。世界中に知られているアップル社とスティーブ・ジョブズをめぐる「神話」が、まったく違う側面を持つことに驚かされるはずだ。 (高橋)

著者情報

マリアナ・マッツカート(Mariana Mazzucato)
1968年生まれ。サセックス大学教授。
2014年英国『ニューステーツマン』誌の政治経済学の部門でシェフィールド大学政治経済研究所(SPERI)賞を受賞、2013年『ニューリパブリック』誌より「イノベーションにおける最も重要な3人」のうちの一人と称される。世界の政策立案者にイノベーション主導の経済成長を提案し、英国政府経済諮問委員会の委員を務める。世界経済フォーラムのイノベーション経済学のメンバー、欧州委員会の成長のためのイノベーション部門専門グループ永久メンバー。ロンドン在住、4人の子供の母親。

評点(5点満点)

総合 (4.3)
革新性 (5.0)
明瞭性 (4.0)
応用性 (4.0)

本書の要点

  • 国家には「市場の失敗を是正する程度の機能しかない」という従来の見方は誤りである。
  • iPhoneが成功したのは、アップル社が...

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政治・経済, グローバル
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ページ数
443ページ
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薬事日報社
定価
3,023円
出版日
2015年09月02日
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