風と共に去りぬ

ジャンル
人文科学
著者
ページ数
374ページ
出版社
岩波書店
定価
907円
出版日
2015年04月16日
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要約者レビュー

あなたは、アメリカという国が、いくつもの戦争を重ね、凄まじい人種差別を抱えながら今に至っていることを、どれくらい理解しているだろうか。
本書は、南北戦争から混乱の再建時代(リコンストラクション)にかけ、主人公スカーレット・オハラの激しい生きざまとロマンスを描く一大巨編である。国を二分した戦争の敗者側となった南部には、綿花の大農園を営む白人貴族文化があった。スカーレットも、南部のレディとして華やかな毎日を送っていたが、戦火と北軍の略奪によって全てを奪われ、絶望的な飢えと貧困に苦しむことになる。戦後、黒人は解放された一方で、南部の白人は法的な保護も受けづらくなり、悪名高いKKKに入る者もいた。誇り高い南部の白人たちは、その誇りのために貧しさにあえいだ。しかし、スカーレットは、現実的な考え方と激しい気性で、恥ずかし気もなく金儲けに精を出し、南部社会に後ろ指をさされながらも3度の結婚をする。
奴隷制を美化している、といった批判も受ける本書だが、南北戦争の敗者の歴史、戦争の風と共に去った「南部文化」を深部まで描き出しており、まさにアメリカを代表する小説のひとつであるといえるだろう。
物語の背景ばかりに注目してしまったが、本書はたいへんなメロドラマでもある。なにせスカーレットは、お嬢様面をしながら、生きるために人を殺し、妹の婚約者すら奪う。スカーレットとレット・バトラーとの運命的恋愛には、読者はもだえずにいられないはずだ。
壮大なドラマに浸りながら、日常のニュースを追うだけでは知ることのできない、アメリカの姿を思う時間を持っていただければと願う。 (熊倉 沙希子)

著者情報

マーガレット・ミッチェル
(1900~49)
ジョージア州アトランタ生まれ。裕福な家庭に育ち、東部マサチューセッツ州の名門スミス・カレッジに入学する。が、母親がスペイン風邪で死去したため学業を打ち切り、アトランタへ戻る。その後、「アトランタ・ジャーナル」社に入社し、日曜版マガジンの記者として4年ほど働く。退社後、小説を書くようになり、1936年『風と共に去りぬ』を発表。作品は大成功をおさめ、世界的ベストセラーとなる。同年ピュリッツアー賞を受賞。ヴィヴィアン・リー主演の映画化作品も世界中で人気を博した。

評点(5点満点)

総合 (4.2)
革新性 (4.0)
明瞭性 (4.0)
応用性 (4.5)

本書の要点

  • 19世紀半ば、アメリカ南部ジョージア州の大農園の娘として育った、スカーレット・オハラが主人公。黒人奴隷たちにかしずかれ、生気あふれる魅力で男たちを骨抜きにしていたが、南北戦争が勃発。激動の戦中、戦後を、浅ましいまでの現実主義、荒々しいまでの生命力で生き抜いていく。
  • 1936年に発表された『風と共に去りぬ』...

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ジャンル
人文科学
著者
ページ数
374ページ
出版社
岩波書店
定価
907円
出版日
2015年04月16日
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風と共に去りぬ 4.2 熊倉 沙希子 2016-07-14
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