夜と霧

新版

ジャンル
人文科学
著者
ページ数
169ページ
出版社
みすず書房 出版社ページ
定価
1,620円
出版日
2002年11月05日
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要約者レビュー

六芒星の上に、「119104」という数字が飾られた表紙。読み進めていくと、それが著者の「被収容者番号」であることがわかる。著者フランクルは強制収容所で、心理学者としてでも、医師としてでもなく、「ただの収容者」としての日々を過ごした。本書は、1942年9月に生まれ育ったウィーンを追われ、チェコ・ポーランド、そしてドイツの強制収容所で2年半を過ごした著者が、そこでの経験を心理学的に解明しようと試みた記録である。
第二次世界大戦時のドイツの状況は多くの人々が知るところであるが、強制収容所での体験をここまで生々しく、そして極めて冷静に記した書物はそうないだろう。しかし本書の目的は批判や告発などではなく、「人生とは何か」をあぶりだすことにある。フランクルは、過酷な環境によって損なわれたものではなく、むしろ損なわれなかったものに目を向けた。そして、「どんな状況であっても人生には意味を見出すことができる」と説いたのである。
状況はまったく好転しない、それでも。妻の生死もわからない、それでも。明日、いや今夜にでも死ぬかもしれない、それでも――。繰り返される逆接の先に、現状に打ち負かされない人間の意志と、未来への希望がもたらす力が見えてくるはずだ。
本書に全力で向き合えば、とても受け止めきれない、重苦しい思いを抱えることになるだろう。しかし、たとえそうであったとしても、今この本を読めることは幸運である。困難な状況下に置かれている人、「なぜ生きるのか」と悩んだことのあるすべての人に、心からお薦めしたい1冊だ。 (北山 葵)

著者情報

ヴィクトール・E・フランクル
1905年、ウィーンに生まれる。ウィーン大学卒業。在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学ぶ。第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を、戦後まもなく『夜と霧』に記す。1955年からウィーン大学教授。人間が存在することの意味への意志を重視し、心理療法に活かすという、実存分析やロゴテラピーと称される独自の理論を展開する。1997年9月歿。
著書『夜と霧』『死と愛』『時代精神の病理学』『精神医学的人間像』『識られざる神』『神経症』(以上、邦訳、みすず書房)『それでも人生にイエスと言う』『宿命を超えて、自己を超えて』『フランクル回想録』『<生きる意味>を求めて』『制約されざる人間』『意味への意志』(以上、邦訳、春秋社)。

評点(5点満点)

総合 (4.5)
革新性 (4.0)
明瞭性 (4.5)
応用性 (5.0)

本書の要点

  • 極限状態に陥ると、人は自己防衛のために感情を消滅させてしまう。しかし自然や芸術、ユーモアに触れ、内面を豊かにすることで、正常な精神状態を保つことは可能だ。
  • 人は環境によってすべてを決定されてしまう...

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人文科学
著者
ページ数
169ページ
出版社
みすず書房 出版社ページ
定価
1,620円
出版日
2002年11月05日
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みすず書房 http://www.msz.co.jp/book/detail/03970.html
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