タテ社会の人間関係

単一社会の理論

ジャンル
人文科学
著者
ページ数
189ページ
出版社
講談社
定価
756円
出版日
1967年02月16日
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要約者レビュー

「日本はタテ社会だ」とよく言われるが、果たしてその本質を説明できるだろうか。日本社会の構造、組織のあり方という、古くて新しいテーマに関する問題点を浮き彫りにしてくれる不朽の名作が本書だ。
本書は、社会人類学者の中根千枝が1967年に出版した日本論であり、半世紀近く読み継がれているベストセラーである。日本の社会構造に関する、精緻な分析に基づいた著者の理論は、今でも色あせることがない。なぜなら、時代が移り変わっても、社会や組織の構造は簡単には変化しないためだ。
著者によると、日本社会では、「場」、つまり会社や大学という枠が、集団構成や集団認識において重要な役割を果たしているという。こうした社会では、「ウチの者」「ヨソ者」を差別する意識が強まり、親分・子分関係、官僚組織によって象徴される「タテ」の関係が発達し、序列偏重の組織を形成する。そして、リーダーと集団との関係、メンバー同士の関係にも大きな影響を及ぼしているのだ。こうしたメカニズムは、年次や派閥がものをいう組織、前任者の顔色をうかがって改革を断行できない経営者といった諸問題につながっているといえよう。
グローバル化が進み、異文化への配慮がいっそう問われるようになった現在、日本社会の特徴を知ることは、必須の教養だといえる。同時に、日本の組織の中でしなやかに、そしてしたたかに生き抜くための処世術も、本書の随所から学びとれるはずだ。この機会にぜひ、著者が渾身の力を込めた日本論を味わってみてはいかがだろうか。 (松尾 美里)

著者情報

中根 千枝(なかね ちえ)
1926年、東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。のち、ロンドン大学で社会人類学を専攻。東京大学名誉教授。日本学士院会員。2001年文化勲章受章。著書に『適応の条件』『タテ社会の力学』(ともに講談社現代新書)、『社会人類学――アジア諸社会の考察』(講談社学術文庫)など。

評点(5点満点)

総合 (4.0)
革新性 (4.0)
明瞭性 (4.0)
応用性 (4.0)

本書の要点

  • 本書の目的は、人々のつき合い方や同一集団内における上下関係の意識といった、社会に内在する基本原理を抽象化した「社会構造」に着目し、日本社会の特徴を解き明かすことである。
  • 日本人の集団意識は「場」におかれている。...

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人文科学
著者
ページ数
189ページ
出版社
講談社
定価
756円
出版日
1967年02月16日
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