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【5分でわかる】VUCA時代に企業が取るべきアクションとは

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大やIT技術の急激な進歩、世界情勢の変化などの影響を受け、ビジネスや個人の生活などのあらゆる環境が目まぐるしく変化しています。こうした未来の予測ができない時代となった現代は「VUCA(ブーカ)の時代」と呼ばれ、組織や経営のあり方、働き方といった企業を取り巻くあらゆる環境を考える必要に迫られています。

はたしてVUCAの時代において、企業はどのような行動を求められているのでしょうか。今回はVUCA時代に企業が取るべきアクションについて考えてみましょう。


要点1
多くのことが予測不能なVUCAの時代が到来している
要点2
不確実性の高い時代において、企業は柔軟に変化に対応できる進化が求められる
要点3
それぞれの人材が、時代に対応できるような育成施策が重要


目次[非表示]

  1. 1.VUCAの時代とは
    1. 1.1.変動性 | Volatility
    2. 1.2.不確実性 | Uncertainty
    3. 1.3.複雑性 | Complexity
    4. 1.4.曖昧性 | Ambiguity
  2. 2.VUCA時代で企業が変わるべきこととは?
    1. 2.1.日本型の人材管理システムからの脱却
    2. 2.2.ビジョンの策定と発信
  3. 3.VUCA時代に必須な人材育成のポイントとは
    1. 3.1.多様な情報収集と処理能力
    2. 3.2.仮説検証を繰り返す、論理的思考力
    3. 3.3.多様性を受け入れる、コミュニケーション能力
  4. 4.社内人材の多様な学習を支援する、flier法人版
  5. 5.まとめ


VUCAの時代とは

VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の4つの単語の頭文字から生まれた造語です。元々はロシアとアメリカが対立していた冷戦時代が終わり、行く末が不透明になった状態を表す軍事用語として生まれました。

その後、2010年代に不安定で不確実な社会情勢を表す言葉として再びVUCAが用いられるようになり、現代の環境を表す言葉として再注目されています。

次に、VUCAを構成する4つの要素を見てみましょう。

変動性 | Volatility

変動性(Volatility)は、現代が今後どのような変化をするか分からない、変動が予測できない時代であることを指します。スマートフォンやSNSなど、ここ10~20年で登場した新たな技術によって市場は大きく変化。それ以前のマーケティングや営業の手法などは大きく価値を落としました。

またIT業界においても、隆盛を誇ったソーシャルゲームが急速に市場縮小するなど、新しいビジネスモデルもあっという間に衰退。現在ヒットしているサービスも数年後にどうなっているか、まったく予想がつかない時代となっています。

不確実性 | Uncertainty

不確実性(Uncertainty)は、未来がどのように変化するかわからない、不確実な要素に溢れている時代であることを指します。近年では、新型コロナウイルスという未曾有の疾病により、世界全体の生活様式が大きく変化しました。数年前には想像すらできなかった事態です。

また、今後も台風・地震などの災害や地球温暖化といった自然環境の変化、少子高齢化による高齢世代の活躍推進、人口減少に伴う移民施策など、不確実な要素はまだまだあふれています。こうした環境からの影響へどう向かい合ったらいいのか、誰も明確な答えを出せずにいるのが現代という時代です。

複雑性 | Complexity

複雑性 (Complexity)は、あらゆる要素が複雑に絡み合い、正解を導き出すことができない時代を指しています。

キャッシュレス決済を例に見てみましょう。現金を必要としない決済方法は、世界的には普及しており、各国では導入が進んでいますが、日本では十分に浸透しているとは言えない状態です。その原因は、前例のないビジネススキームを店舗側が受容しない状況や、日本人全体が持つ現金を大切にする文化など、日本独自の理由ばかり。理屈だけではないあらゆる理由が絡み合い、普及が進まない状態が生まれています。

曖昧性 | Ambiguity

曖昧性(Ambiguity)は、これまでの3つの要素が複雑に絡み合うことで、絶対的ではない曖昧な解決方法しか見いだせない時代であることを指しています。

時代の急速な変化により、因果関係が分からない出来事が増え、それまでの経験が通用しにくくなりました。大企業がベンチャー企業へ投資する「コーポレート・ベンチャー・キャピタル」においても、何が理由でヒットするのか分析できないことから、早期の撤退判断が強いられる状況が生まれています。

VUCA時代で企業が変わるべきこととは?

先行きがまったく予測できない現代を生き抜くために、企業はどのような変化を求められていくのでしょうか。

日本型の人材管理システムからの脱却

VUCAの時代に対応する原動力となるのは、組織を構築する人材そのものといえます。変化の激しい時代に対応するために、自らの変化もいとわない人材の採用・育成を進めていく必要があるでしょう。

特に大きな変革が求められるのは雇用です。日本型採用である新規学卒一括採用や、安定的な雇用を目的とした年功序列の終身雇用システムは、VUCAの時代にはフィットしないでしょう。

従来のビジネスの常識が通用しない時代には、従来の常識に囚われない人材が求められます。そして、学歴や経歴、年齢といったステータスが意味を持たない時代になりつつあります。過去にこだわらない柔軟な思考を持ち、環境の変化を敏感に察知し自律的に行動できる人材こそが、VUCAの時代に求められているのです。

ビジョンの策定と発信

不確定要素が多いVUCAの時代だからこそ、企業が目指すビジョンの策定と共有が必要です。環境に惑わされ、方針があちこちにブレてしまうようでは、VUCAの時代に飲み込まれてしまうでしょう。企業が目指す場所を定め、社内の全員が一丸となって突き進むビジョンを明確に策定できてこそ、VUCAの時代であってもブレない軸を持てるのです。

また、ビジョンを積極的に発信し、あらゆる関係者に届ける必要があります。特に社内外のステークホルダーから十分な理解を得てこそ、揺らぎない行動指針を貫けるでしょう。


VUCA時代に必須な人材育成のポイントとは

新たな人材を獲得する一方、企業内の人材をVUCA時代に対応できるように育成することも必要です。VUCA時代に適した人材の育成には、どのようなポイントを重視すればいいのでしょうか。

多様な情報収集と処理能力

新たな価値観の情報があふれるVUCAの時代において、多くの情報を集め、適切に処理する能力は大きな武器となります。膨大な量の情報から真実を見抜き、正しく向き合える情報処理能力は、VUCAの時代を生きるビジネスパーソンにとって必要不可欠な能力といっても過言ではありません。

そうした能力を磨くには、何よりも多くの情報に触れることが重要です。自ら積極的に、自分とは異なる意見や自分にない知識を求めて情報を探せるようになると、情報処理能力の向上が望めるようになるでしょう。

ただし、多くの情報を集めると同時に、適切な情報だけを抽出できるだけの情報リテラシーも身につけなければなりません。調べた情報が本当に正しいのか、しっかり裏を取れるようになると、高いレベルの情報処理能力を身につけられるでしょう。


『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』

『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』は全国屈指の進学校として知られる灘中・高校をテーマとした書籍です。多様な書籍を読んで知見を深めること、一冊をじっくり読んで考える力を養うことなど、社会人にとっても非常に活かせる考え方が詰まっています。

仮説検証を繰り返す、論理的思考力

膨大な情報から選び抜かれた情報であっても、それが必ず正しいとはいえないのがVUCAの時代です。そのため、手に入れた情報が本当に正しいかの仮説を立て、それを検証できる論理的思考力こそ、情報に惑わされないための能力といえるでしょう。

論理的思考力を身につけるためには、多くの仮説検証を繰り返すのが最もよい訓練方法です。VUCAの時代においては、何もかもが不確実な状態です。確実な正解を導き出す前に、現場を観察して仮説検証を繰り返すOODAループを繰り返し続ければ、やがて論理的な思考力が磨かれ、より精度の高い仮説検証が行えるようになるでしょう。


『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』

仮説構築・検証の力については、多くの書籍が出版されているので、書籍を活用して学ぶことがおすすめです。『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』では、BCGでキャリアを詰んだ著者が、仮説の立て方から検証のサイクルの回し方まで幅広く丁寧に解説しています。

多様性を受け入れる、コミュニケーション能力

VUCAの時代においては、従来の価値観はすさまじいほどの勢いで崩れ去っていきます。あらゆる可能性を受け入れ、どんな価値観とも交流を持てる、多様性を受け入れられるコミュニケーション能力が強く求められる時代となっています。

『40歳が社長になる日』

書籍『40歳が社長になる日』でも、組織開発のコンサルタントである著者が、組織の多様性の重要性に触れています。多様性を組織に取り入れるということは、既存の固定観念や成功モデルに対して、疑問を投げかけられる人を受け入れることであり、一時的な摩擦も生じます。しかしその「居心地の悪さ」が組織の多様化には必要なプロセスでもあります。

こうした新しい価値観を受け入れる姿勢は、多くの未知の世界に触れて磨かれていくものです。知らない技術や文化、多様な属性の人々と交流し、自然体で受け入れる心がけを持ち続けてこそ、多様性を自然なものとして受け入れる姿勢が磨かれるでしょう。

社内人材の多様な学習を支援する、flier法人版

最後に当社フライヤーが提供するサービス「flier法人版」を活用したVUCA時代の学び方についてご紹介いたします。

flier法人版は、3,000冊を超えるビジネス書籍の要約を自由に閲覧できるサービスです。ビジネス書籍の数百ページ分を、わずか10分で読める文章量に要約。短い時間で効率よく学べる教材としてご活用いただけます。

あらゆる情報が高速で流れる時代においては、新たな学びに長い時間をかけられません。短い時間で効率よく多くの情報を取り入れる能力が求められますが、flier法人版はその高速学習を実現。わずか10分で最新のビジネス書のインプットを可能としています。

追加されるビジネス書は毎月30冊。古典の名著から最新のビジネス書まで幅広く扱っており、情報の流動性が高いVUCAの時代で学ぶにふさわしい書籍の数々に触れることができます。

社員それぞれが学んだ内容は、掲示板として使える「学びメモ」で共有し、さらに学習を加速。不確実な世界を乗り越えられるだけの価値ある情報を得られるでしょう。

VUCAの時代における社員教育に課題を感じられるなら、ぜひflier法人版の導入をご検討ください。

まとめ

あらゆる変化により不確実な世界となったVUCAの時代において、ビジネスを動かす人々は柔軟な対応が求められています。旧来の価値観から脱却し、多様性を受け入れる新たな価値観を身につけることこそが、VUCAの時代における変化です。あらゆる情報や知識に触れ、未知の価値観を学び、新しい可能性が生まれるVUCAの時代を乗り越えていきましょう。


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