大企業病を防ぐためのマネジメント新手法、「スタートアップ・ウェイ」
イノベーティブな組織に生まれ変わるために今、読むべき3冊

松尾 美里

新規ビジネスの創出において、大きなムーブメントを巻き起こしたシリコンバレー発の「リーン・スタートアップ」。最初から完璧なものをめざすのではなく、「サービスには改善や方向転換が不可欠」という前提のもとで、生まれた方法論である。

この手法は、どんなプロダクトを開発しようか手探りのスタートアップにしか適用できないと考えていないだろうか? 実はこの方法は、伝統的な大企業においても力を十二分に発揮する。それを体系化したマネジメント手法が「スタートアップ・ウェイ」だ。

「スタートアップなんて自社には関係ない」「うちの会社は経営陣が保守的だからまず無理だろう」。そう思っている方にこそ、大企業病を防ぐ、あるいは克服するための信頼できるガイドブックとして、これから紹介する3冊をぜひお読みいただきたい。

リーン・スタートアップ
リーン・スタートアップ
著者
エリック・リース 井口耕二(訳)
出版社
日経BP社

綿密な市場調査にもとづいた優れた戦略のもと、プロダクトに磨きをかけ、リリースの瞬間を迎えた。しかし、こうしたスタートアップのほとんどが大失敗に終わるのはなぜだろうか? その原因は、不確実性が大きいスタートアップにおいて、起業に適した手法を取り入れられていなかったからだという。その具体的な方法論をまとめた『リーン・スタートアップ』(日経BP社)は、世界でミリオンセラーとなっている。著者エリック・リース氏が自身の経験から身をもって学んだ教訓と、そこから導き出された骨太の理論が詰まった本書は、新規事業担当者のバイブルといっていい。
大事なのは、「この製品を作れるか」ではなく、「この製品は作るべきか」、「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が展開できるか」。この言葉が深く胸に突き刺さる方も少なくないのではないだろうか。

スタートアップ・ウェイ
スタートアップ・ウェイ
著者
エリック・リース 井口耕二(訳)
出版社
日経BP社

では「リーン・スタートアップ」的な考え方を、伝統的な大企業が取り入れ、いわゆる「大企業病」を克服するにはどうしたらいいか? あるいは、スタートアップ的な発想をもっていたのに、拡大とともに、非効率で官僚的な大企業のDNAが注入されてしまうのを防ぐには? こうした課題に挑むのが、『スタートアップ・ウェイ』(日経BP社)だ。従来型の総括マネジメントと、不確実性を前提に、アントレプレナーシップをマネジメントの原則の1つとしてとらえる21世紀の起業マネジメントの手法。両者をうまく組み合わせ、継続的なイノベーションへの活力を生む方法論である。
アントレプレナー的な働き方を組織に組み込むための、第二部「変革のロードマップ」は必読だ。GEや米国政府などの豊富な事例とともに、その革新的な手法を組織に浸透させる道筋を、本書から学んでいただきたい。

逆説のスタートアップ思考
逆説のスタートアップ思考
著者
馬田隆明
出版社
中央公論新社

では実際にスタートアップ的な発想と戦略をもって、自分たちのプロダクトやサービスを成功に導くにはどうすればいいのか? そこでおすすめしたいのが『逆説のスタートアップ思考』(中央公論新社)だ。
「優れたアイデアとは不合理なアイデア」、「競争したら負け犬」、「多数の好きより少数の愛」。スタートアップの成功の裏には、常識を覆す真実が数多く存在する。こうした真実を知っておくことが、不確実性を逆手にとり、短期間のうちにイノベーションを起こすうえで欠かせない。
東大のスタートアップ支援に力を注ぐ著者、馬田隆明氏の「サイドプロジェクトから始めてみよう」というアドバイスは、会社員でも実践できる、と強く背中を押してくれる。起業に興味のある方だけでなく、新規事業の担当者や新規事業を承認する立場にある方にも、爆発的な成長の秘密兵器、スタートアップ思考の威力を知っていただきたい。
また、馬田氏はフライヤーのインタビューで「スタートアップ思考を学ぶ近道」「東大スタートアップの動向」について詳しく語っている。こちらの記事もぜひお読みいただきたい。

公開日:2018/06/13
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