キングダム 最強のチームと自分をつくる

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キングダム 最強のチームと自分をつくる
出版社
かんき出版

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定価
1,320円(税込)
出版日
2017年06月19日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

ヤフー企業内大学、Yahoo!アカデミア学長を務める伊藤羊一氏。ソフトバンク孫正義氏の心をつかみ、多くのビジネスパーソンの心に火をつけてきた人物だ。そんな彼が放つ、リーダー育成とチームビルディングに関するデビュー作と聞くと、手をとらずにはいられない。ページをめくると、そこで繰り広げられるのは、ライブさながらのパワー講義である。

ところで、人気沸騰中のマンガ『キングダム』をご存知だろうか。中国の春秋戦国時代を舞台に、秦が中華全土を統一していくストーリーで、若き日の秦の始皇帝、政(せい)と、大将軍をめざす信(しん)の交流と活躍がダイナミックに描かれている。著者はこのマンガをこよなく愛しており、登場人物たちの名シーンや名台詞をベースに、仕事の本質や仕事力の鍛え方を伝授する。志とビジョン、行動、マインド、チーム、スピーチ、そしてビリーフ。6つの章を駆け抜けていくと、中華最強の男たちの「ありよう」に共鳴すると同時に、著者の成功と困難のエピソードから紡ぎ出された「人生の極意」に心が奮い立たされるだろう。

自分の志は何か、人生で何を成し遂げたいのか。著者の情熱あふれる言葉に引き込まれ、そういったことがより明確になり、より研ぎ澄まされていくのを感じるだろう。

人生をかけるに値する道が見つからない。目の前の壁を打破できる自信がない――。そんな悩める社会人にとって、本書は自分のミッションを見出し、実現していくための頼れる羅針盤になってくれるはずだ。

ライター画像
松尾美里

著者

伊藤 羊一(いとう よういち)
東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。1990年に日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援などに従事。
2003年プラス株式会社に転じ、事業部門であるジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編などを担当した後、2011年より執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。
かつてソフトバンクアカデミア(孫正義氏の後継者を見出し、育てる学校)に所属。孫正義氏へプレゼンし続け、国内CEOコースで年間1位の成績を修めた経験を持つ。
2015年4月にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇に立つほか、多くの大手企業やスタートアップ育成プログラムでメンター、アドバイザーを務める。
年間500冊を超える漫画を読むほどの漫画フリーク。本書は、そのなかでもこよなく愛する『キングダム』のメッセージを通して、約30年間のキャリアで培ってきた「仕事力の鍛え方」をまとめた1冊。

本書の要点

  • 要点
    1
    志とは何かを成し遂げようという思いである。志が明確になると、迷いなく前に進める。志は周囲の期待に応えようとする中で生まれることもある。
  • 要点
    2
    志と表裏一体となっているビジョンは、その実現に向けて動く中で鮮明になっていく。
  • 要点
    3
    マインドは一瞬のきっかけで生じた「気づき」によって変えられる。気づきと行動、振り返り、さらなる気づきというサイクルを回す中でマインドを鍛えられる。
  • 要点
    4
    情熱があるから言葉に力が入る。伝わるプレゼンの秘訣は、語る内容を世界で一番、話し手自身が好きになることだ。

要約

志(ビジョン)

志はどのように育まれるのか

自分が成すべきことに気づくのも、それを決めるのも一瞬である。後に始皇帝となる政(せい)は王として波乱のスタートを切った。逃れた敵国では周囲から迫害され、秦に戻ろうとするも、己の妄想の亡霊に引き戻されるそうになる。しかし、政の王としての資質を見抜き、全力で秦に戻そうとする闇商の紫夏(しか)の愛にふれ、政は迷いを断ち切り、力強く宣言した。「おれは秦へ帰り王になる」。まさしく一瞬の決意であり、この源は、自分が決めた「志」である。

何かを成し遂げたこと、人から感謝されたこと、裏切られたこと。こうしたさまざまな経験を積み重ねる中で、志は生まれ、育まれていく。志が明確になると、迷いなく前に進めるようになり、ピンチを乗り越えるための力が湧いてくる。政も「王になる」という志を貫いているからこそ、極限の状況でも仲間を鼓舞し続けることができている。まずは、一歩を踏み出し、行動し続けよう。そうすれば志が大きい炎になっていくはずだ。

志は、人から請われて生まれることもある
ipopba/iStock/Thinkstock

志は、何かを成し遂げようという思い、willである。そのwillを果たすには、能力(can)と、周囲の人や社会が望む「しなければならないこと」(must)が欠かせない。

このmustが実は重要だ。周囲からの期待に応えようとする中で、最終的にwillにつながっていき、それが「使命」となる。

著者がYahoo!アカデミアの学長になると決めたのも、ヤフー社長の宮坂学氏から請われたことがきっかけだった。「それ(Yahoo!アカデミアの責任者)ができるのはあなたしかいない」。この言葉に著者は使命を見出した。今では学長としての仕事が、「自立したリーダーを育てていきたい」という、著者自身の志につながっている。

ビジョンを実現させるために志を持つ

志と表裏一体になっているのが、実現したい世界、「ビジョン」である。政には、自らの手で戦国時代を終わらせ、秦による中華統一を果たすことで「人が人を殺さなくてもすむ世界の実現」というビジョンがあった。戦国時代が500年に及んでいた当時においては、狂気じみているといえよう。しかし、政の意志が揺らぐことは決してなかった。

ビジョンを実現するために、私たちは志を持つ。ビジョンというのは、その実現に向けて動く中で鮮明になっていく。ビジョンは簡単には実現できないくらい大きいものがいい。著者は、「あらゆる人が、目を輝かせて仕事を楽しんでいる世界」というビジョンを実現させるべく、自分の道を切り開いている。

行動(アクション)

迷ったらワイルドなほうを選べ
mihtiander/iStock/Thinkstock

「迷ったらワイルドなほうを選べ」。これは宮坂学氏が社長就任時に語った言葉であり、著者の行動基準にもなっている。これを習慣化すると、ハイリスク・ハイリターンの選択肢から、すぐには逃げない自分へと変わっていける。

著者はかつて、マイルドな選択肢を選ぶ人間だった。

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