自分も相手も幸せになる

最高の気遣い

未読
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最高の気遣い
出版社
自由国民社

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出版日
2018年10月17日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本人の「おもてなし」は国外でも高い評価を受けている。それは接客者が、お客様の多様な個性やニーズ、感情、価値観、環境を理解し、相手のことを喜ばせてきたからであるといえよう。その意識はなにも接客業、営業職にのみ求められるものではない。仕事や日常生活を通じ、我々は多くの人と接する機会がある。ちょっとした意識と行動を変えることで相手とより良い人間関係が築けるとしたら、生活はもっと豊かなものになるだろう。

本書は、ANAのトップ客室乗務員として活躍していた著者が、相手との人間関係を円滑にし、互いに幸せを感じられるようになるためのエッセンスを指南するものだ。著者自身が試行錯誤を重ねて身につけてきたコミュニケーションのコツが随所に散りばめられている。著者は現在さまざまな研修を通して自身の経験を伝えているが、本書はより多くの人々にそれを伝えるべく執筆されている。

一人で生きていける人はそういない。誰しも他者との関わりの中で生活している。だから人間関係をより良くするために必要な意識、行動を知っておくことは決して損にはならない。接客業に従事している人はもちろんのこと、周囲との人間関係に悩んだことのある人ならきっと何か響くものがあるだろう。本書を読めばきっと、今すぐに行動や心がけを変え、自分と相手の幸せと喜びを追求していきたいと感じるはずだ。

ライター画像
山下あすみ

著者

中川 奈美(なかがわ なみ)
接遇コンサルタント/AIQOL代表
「人が好き、食が好き」の性格から接客業に就く。その傍ら食を学び携わる。
7年半務めた国際線客室乗務員時代は、接客サービスに関する社内賞を複数受賞。お客様からの多くの御礼状、また、外国人VIP顧客よりのお褒めのお言葉により成田空港支店長から個別に褒賞を得る。4年半のアジア赴任時代を含め様々な人種、宗教、言語、文化に触れる生活を送る。その経験から、人間関係をより良いものにするためには、人への思いやりからくるマナーとコミュニケーションが最も大切と切に感じ、マナーおよびコミュニケーションを学ぶ。また、「日本のおもてなし」の素晴らしさを感じ、接客者がお客様と心の触れ合う感動を生む接遇をし、お客様に喜ばれることにより仕事による満足度を高めることができるよう、接遇者育成に努める。「一人一人の輝きが組織、社会の輝きに繋がる」と考え、チームワーク、組織作り等の研修も実施。様々なシーンでのコミュニケーション力向上と働く時間における充実により、成果と満足度向上を果たし、人生、そして心をより豊かにするお手伝いがしたいと人材育成に取り組む。

マナー協会プロフェッショナル講師認定資格複数
GCS認定プロフェッショナルコーチ
栄養士 日本ソムリエ協会ソムリエ呼称資格 利き酒師
食生活アドバイザー2級 フードアナリスト2級 フードアナリスト協会認定講師
アルマック認定リスクマネジメントコンサルタント等

本書の要点

  • 要点
    1
    相手の目線に立てば、その人の気持ちや要望が見えてくる。それを言葉や行動に移すことによって相手とより良い人間関係を築くことができる。
  • 要点
    2
    お客様が購入するものは商品やサービスだけでなく、空気感も含まれる。五感を意識して居心地の良い環境を整えることで、お客様に最後までゆっくり楽しんでいただくことができる。
  • 要点
    3
    接客者はお客様にとってその企業の代表であるとともに、お客様の声を会社に上げる役割も担っている。自分の仕事に誇りをもち、仕事を楽しもう。

要約

【必読ポイント!】相手の目線に立つ

観察し、考え、行動する
Demkat/gettyimages

著者は客室乗務員として初めてファーストクラスを担当した際、先輩から「お客様の背中を見てすべてを察しなさい」と指導されたという。お客様を観察し、「どういう状態かな?」「何をお望みかな?」「私には何ができるかな?」と想像する。すると不思議なことに、お客様が必要としているものが見えてくるようになった。

たとえばあるとき、眠っているお客様の背中が動いた。すると著者は「お目覚めね。お化粧室かも?」と考える。実際にお客様が化粧室へ立たれると、「そろそろ喉がお渇きかも?」と考え、冷たいお水をご用意してお客様にお持ちするといった具合だ。お客様は「ありがとう、ちょうど喉が渇いていたんだよ」と言ってくれた。

またあるときには、眠っているお客様の脚が動いた。著者は「寒いかも?」と考え、お客様を起こさないようにそっと布団をかけた。2時間後に目覚めたお客様は、「すっかり寝ていたよ。ありがとう。布団かけておいてくれたんだね」とお礼を言ってくれたという。

人を観察することで、相手の感情や状況、要望が見えてくる。場面や状況に合わせ、自分目線ではなく相手目線で考えてみよう。そして考えているだけでなく、考えたことを行動に移してみる。心遣いや気配り、おもてなしは言葉や行動に移してはじめて相手に伝わり、相手の満足度を上げる。

お客様の4つの欲求を満たす
Image Source/gettyimages

著者はお客様が持っている欲求のことを、“「I LOVE&THANK YOU」されたい心理”と呼んでいる。この欲求を満たすことがお客様の基本満足につながる。

「I」はImportanceのIだ。重要視されたい、他者とは違う一人の大切なお客様と認められたい、独占したいという心理である。あるお客様を接客しているとき、別のお客様から話しかけられたとしよう。このときにもともと接客していたお客様を差し置いて新しいお客様に対応してしまうと、もともとのお客様はがっかりするはずだ。新しいお客様は別のスタッフに引き継ぐか、「この後伺いますので、恐れ入りますが少々お待ちいただけますでしょうか」と丁寧に言葉をかけるようにする。

次に「LOVE」だ。これは好感視されたい、歓迎されたい心理である。この欲求を満たすため、お客様やお取引先様を迎えるときにはしっかり歓迎しよう。ただ単に「いらっしゃいませ」「こんにちは」と伝えるだけでなく、「相手が歓迎されたと感じること」が重要である。作業をしていても手を止め、相手に顔と体を向けて笑顔でアイコンタクトを取り、明るい声ではっきりと挨拶しよう。挨拶の後にお辞儀をし、顔を上げたらさらにアイコンタクトを取ってニコッと笑顔を送るようにする。挨拶した後にお辞儀することで、心が伝わるとともに、行動にメリハリが出る。

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要約公開日 2018.11.19
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