倒れない計画術

まずは挫折・失敗・サボりを計画せよ!
未読
倒れない計画術
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まずは挫折・失敗・サボりを計画せよ!
未読
倒れない計画術
出版社
河出書房新社

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出版日
2018年09月30日
評点
総合
4.3
明瞭性
5.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

みずからが立てた予定が計画倒れし、自己嫌悪に陥る……そんな経験は誰しも少なからずあるだろう。私たちの心には「計画したことは達成させたい」という「一貫性の原理」があるといわれている。自分が立てた計画がうまくいかないと、自分との約束を破ったことになる。だから気持ちが落ちこむのだ。

著者はそうした計画倒れのダメージを回避するためには、「段取り力」が不可欠だと主張する。段取りと聞くと、「手間がかかる」「面倒くさい」といったマイナスのイメージを抱く人も多いかもしれない。たしかに計画を遂行するための事前準備は手間がかかりそうに思えるし、なかなか他人から評価されない部分でもある。だが価値あるものを生み出す過程には、それ相応の準備と段取りが不可欠だ。段取りを劇的に改善できるのであれば、そこに時間やお金をかける価値は十分にあるといえる。

本書では事前準備・段取り・スケジューリングという切り口から、なにが正しい段取りなのかが明らかにされていく。科学的に正しい段取りの整え方が身につけば、本当にやるべきことだけに集中できる状態が手に入るというのが著者の考えであり、そしてそれはおそらく正しい。

なによりもかけがえのない「時間」という資産をもたらし、人生をより充実させてくれる――本書はそんな一冊になるはずだ。

ライター画像
池田明季哉

著者

メンタリストDaiGo (めんたりすと だいご)
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。
人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズム(人の心を読み、操る技術)を日本のメディアで初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして多くのTV番組に出演。
その後、活動を広げ、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動。ビジネスや話術から恋愛や子育てまで幅広いジャンルにおいて人間心理をテーマにした著作は、累計270万部を突破する。著書に『自分を操る超集中力』『運は操れる』『超時間術』などがある。
趣味は1日10〜20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、トレーニング。

本書の要点

  • 要点
    1
    スケジュール管理で計画倒れを起こさないようにするには、計画を遂行するための能力、すなわち「段取り力」が必要だ。
  • 要点
    2
    計画を成功に導くための手法「MACの原則」を利用し、正しいゴールへと向かう力を身につけよう。その際は「疑問型セルフトーク」を組み合わせると効果的である。
  • 要点
    3
    毎日の習慣ほど細かい段取りを決めておき、すぐに実行できるように準備を整えておくべきだ。ただしスケジュールを組むときは空き時間を大切にしなければならない。成長は余白から生まれるからだ。

要約

【必読ポイント!】 段取りがうまくいかない人の3つの誤解

モノサシがないまま動き出す
yukihipo/gettyimages

あなたが1日の仕事を決めるとき、なんとなく過去の経験から1つ1つの作業にかかる時間を決めてはいないだろうか。

それぞれの作業にかかる時間をしっかり数値化しない人は多い。だがそれでは「途中で取引先から電話があったから」などと理由づけをして、いつまでもうまく段取りできないのがオチである。

段取り力を高めるには、自分の「モノサシ」を持つことが欠かせない。たとえば資料作りであれば、資料を探すのにかかる時間やテキストを作成している時間など、1つ1つの作業を分解して、かかった時間や手間などを記録していくべきである。

このように聞くと、ものすごく手間のかかるやり方だと感じるかもしれない。しかし手間をかけて身につけた動作は、いずれ無意識に処理できる習慣へと変わっていく。段取りに関しても、まずはその動作にかかる時間や労力を数値化することがスタート地点となる。こうすることで「計画錯誤」(なにかに取り組むときにかかる時間や労力を軽めに見積もる傾向)の罠から脱することができるのだ。まずは自分の力を記録することから始めてみよう。

あれもこれもできると思い込む

私たちは複数のことを同時におこなうマルチタスクができる人=段取り上手だと思いがちだ。だがそれは大きな誤解である。段取り上手な人は、同時並行でタスクを処理しているのではなく、まずシングルタスクを終わらせてから、次のシングルタスクと向き合うというサイクルを繰り返している。そうすることで複数のタスクが期日内に片付くように処理しているのだ。

ある実験によると、マルチタスクは作業効率を40%低下させ、シングルタスクに比べて作業時間が50%長くなり、作業ミスを50%増加させるという。忙しくしているわりに成果が上がらない人は、マルチタスクの罠にはまっているのかもしれない。自分がなにに集中すべきかを考え、優先順位をつけていこう。

シングルタスクで物事を処理する感覚を身につけるには、15分単位で1つの作業を終える「タスクフォーカス」という手法がおすすめだ。1つの作業のあいだに2、3分の休憩をはさみ、また次の15分の作業をするという具合に、1タスクずつ着実に片付けていこう。

挫折を計画していない
bee32/gettyimages

「失敗は成功のもと」という格言があるように、学びは失敗から得られるものだ。しかし計画を立てるとき、なぜか私たちは失敗の可能性を考慮しないことが多い。これは私たちに「確証バイアス」という傾向があるからで、この確証バイアスが判断を誤らせる原因だとされている。

「こうあってほしい結論」を定めると、私たちはそれに合致する情報だけを集め、合致しない情報は無視するという傾向を持っている。「うまくいけばこうなるはず」「うまくいってほしい」と思っていると、うまくいかせるための可能性にばかり目が向いてしまい、予見可能なはずのトラブルの可能性から目をそらしてしまう。これが確証バイアスである。

だからこそ段取りを立てるときは、先に「失敗する、挫折する、計画外のことが起きる」ことを計画に盛りこまなければならない。予想外の事態への対処法を考えてこそ、真の段取り上手といえよう。

科学的に根拠のあるゴール設定の方法

現時点でもっとも有効な原則

目標やゴールの設定方法に関するさまざまな研究を検証した結果、現在のところもっとも効果的なゴール設定方法だとされているのが「MACの原則」だ。

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要約公開日 2018.12.08
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