ブランド人になれ!

会社の奴隷解放宣言
未読
ブランド人になれ!
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会社の奴隷解放宣言
未読
ブランド人になれ!
出版社
出版日
2018年07月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

昨今の「自分を仕事にする」ことがもてはやされる流れを見て、時代に置いていかれているように感じ、モヤモヤしているビジネスパーソンは多いはずだ。そして、どうすれば自分のブランド力を上げられるのかと悩んでいるのではないだろうか。

本書は、そんな悩みに答えをくれる。著者の田端信太郎氏は、まさに自分の名前で生きている“ブランド人”だ。学生のころからウェブ制作の仕事ですでに月収40万~50万円を稼ぎ出し、新卒の就職活動ではマイクロソフトやソフトバンクなど、様々な会社から内定を得る。そして「新卒でないと入社しにくそう」という理由からNTTデータを選び、その後はリクルート、ライブドア、LINEと話題企業を渡り歩いてきた。現在はZOZOの社員だが、“プロサラリーマン”として「並の野球選手以上の収入を得ている」という。

では田端氏は、ブランド人になるために何をしてきたのか。それは愚直な努力である。ひたすら量をこなし、自信がなくても手を挙げてチャンスをつかみ取り、SNSには決して愚痴を書き込まない。プライベートで理不尽を覚えることがあろうと、それを仕事に昇華させている。

本書のサブタイトル「会社の奴隷解放宣言」を含め、一見過激なフレーズが並んでいるようにも思えるかもしれない。だが通読すれば、意外なほどに正統派のビジネス書であることがわかるだろう。厳しい言葉を並べながらも読者にやさしく寄り添ってくれる一冊だ。

著者

田端 信太郎(たばた しんたろう)
ZOZO コミュニケーションデザイン室長。
1975年石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」を立ち上げる。2005年、ライブドア入社、livedoorニュースを統括。2010年からコンデナスト・デジタルでVOGUE、GQ JAPAN、WIREDなどのWebサイトとデジタルマガジンの収益化を推進。2012年NHN Japan(現LINE)執行役員に就任。その後、上級執行役員として法人ビジネスを担当し、2018年2月末に同社を退社。3月から現職。

本書の要点

  • 要点
    1
    ブランド人の仕事は、お客様を喜ばせることである。夜寝る前に、今日1日の自分の仕事が誰を喜ばせたかを考えよう。
  • 要点
    2
    サラリーマンが失敗しても、せいぜいクビになるだけだ。組織という後ろ盾があるのだから、どんどんギャンブルしよう。
  • 要点
    3
    SNSのフォロワーは、何があっても奪われることのない資本である。フォロワーの最大化を目指せ。
  • 要点
    4
    相手の信頼を勝ち取るのは正直さだ。正直さとはつまり、プライドを捨てて「パンツを脱げること」である。

要約

君は誰を笑顔にしたか?

汗水に価値はない
SARINYAPINNGAM/gettyimages

ブランド人を目指すにあたって、まず考えてほしいことがある。それは、ブランド人とは仕事人であるということ、そして「仕事とは何なのか」ということだ。

ラーメン店に入ると、カップラーメンより高いのにカップラーメン以下の味しかしない1杯にがっかりさせられることがある。たしかにラーメンやのオヤジは早起きして汗水たらしてスープを仕込んでいるのだろう。しかし彼のラーメンは客を満足させていない。むしろ「二度とこの店には来るものか」という憤りさえかき立てる。さて、このオヤジは果たして「仕事をしている」と言えるだろうか。

仕事のあるべき姿とは何か。それは、「お客様に喜びを与えること」「他人の役に立つこと」である。汗水やつらさ、苦しさそれ自体に価値はない。お客様を喜ばせることだけがブランド人の仕事である。どんなに苦労しようと、誰も喜ばせることができなければそれは仕事ではない。お客様を喜ばせ、人の心を動かして初めて、君の仕事が世の中に価値を生み出したことになる。

一度、「鳥の目」になって自分と自分の仕事とお客様との関係を俯瞰してみよう。君の仕事の本当のお客様は誰か? 他人や社会とどのような関わりをもっているか? どうすれば君の仕事がお客様、ひいては社会を盛りたてることができるか? どんな大義や志があるか? そして夜寝る前に、今日1日の自分の仕事が誰を喜ばせたかを考えよう。ブランド人への道は、お客様とともに歩むものである。

給料の価値は自分で決めろ

あなたはいくら給料が欲しいだろうか。この質問に答えられないならば、ブランド人にはなれない。年収300万円でいいのか、それとも5000万円稼ぎたいのか。自分の価値をはっきり数字で表そう。

著者は面接をするとき、「あなたはいくら給料がほしいのか」そして「あなたはなぜその金額に値するのか」と尋ねることがある。正解はない。「母親には苦労をかけた分、たまにはうまいものを食わせてやりたい。だから月給30万~40万円は欲しい」でもいいし、「今は自分の能力や人脈を増やしたいから、無給でいい。その代わり大きなプロジェクトに関わらせてほしい」でもいい。「趣味のサーフィンを第一優先にしたいので、波の調子がいいときはいつでも休みたい。手取りは15万円程度でいい」という生き方もありだろう。「自分の値段」を言語化したうえで、それに見合った労働力を提供し、適正な給料をもらうことが重要だ。

カネの話にこだわらない人は、自分という商品を売ることを放棄している。「自分の売り値」は自分で決めろ。

とにかく量をこなせ
undefined undefined/gettyimages

ブランド人になりたいなら、まずひたすら量をこなすことだ。仕事の質を高めるためには、その前に圧倒的な量をやりきる時間が必要である。

世界で最も有名なバンド、ビートルズにも下積み時代があった。メジャーデビューする前、イギリスからドイツに巡業に行き、ライブハウスで毎晩8時間、ときには12時間に及ぶステージを2年ほど続けていたという。このときの下積みがビートルズの土台をつくっている。

著者も下積みを経験している。

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要約公開日 2018.12.19
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