「かたづけ思考」こそ最強の問題解決

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「かたづけ思考」こそ最強の問題解決
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「かたづけ思考」こそ最強の問題解決
著者
出版社
出版日
2018年11月06日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

リーダーであるあなたにとって、「片づけ思考」は必須のセンスである――そう聞いて、どう感じるだろう。「自社には5Sが行き届いている」と胸を張って言える方は決して多くはないはずだ。むしろ「片づけは苦手だし、片づけと仕事がどう関係するのか見当もつかない」と感じる方のほうが多数派かもしれない。

そんな方に強くおすすめしたいのが本書である。著者は日本初の「かたづけ士」として経営者・企業向けの“かたづけ”のコンサルティング・セミナー活動を行う、小松易氏だ。著者によると、かたづけ思考を身につけることでリーダーとして必須の「自分で自分をリードする力」を養えるだけでなく、コスト削減をはじめとしたさまざまなうれしい効果があるという。本書では、そんな「かたづけ思考」を身につけ、かたづけを実践するための具体的なノウハウが紹介される。

たとえば著者がコンサルティングを行ったある会社の社長は、片づけが苦手で、何でも先送りするクセがあった。だが経営改善のため、毎日15分間の片づけに取り組むことを決める。開始前と終了時、著者に片づけた場所の写真をメールで送ることがルールだ。その結果、予定していた量の2倍の片づけをやりとげただけでなく、物事を先送りするクセを直すこともできたという。

このように片づけには、「きれいになる」以上の効果がある。本書を読めばきっと、リーダーが「片づけ思考」を身につけることの意義を深く理解できるはずだ。

著者

小松 易(こまつ やすし)
日本初の「かたづけ士」。北海道出身。
株式会社フジタを退社後の2005年9月、“かたづけ”を通して人生を変えるコンサルティング「スッキリ・ラボ」を開業。現在は経営者・企業向けに“かたづけ”のコンサルティング、セミナー活動を行う。今まで延べ2万人以上にかたづけ講演・研修を行っている。その活動は、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)、「ドキュメント20min.」「サラリーマンNEO」「めざせ!会社の星」「助けて!きわめびと」(以上、NHK)などに取り上げられ、反響を呼んでいる。
著書はシリーズ累計47万部『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』(KADOKAWA/中経出版)、『「すぐやる人」になる1分片づけ術』(日本経済新聞出版社)ほか多数。「近代セールス」「月刊不動産流通」「東商新聞」などで連載実績あり。「やましたひでこ断捨離メールマガジン」などで連載記事を執筆中。医療従事者向け「Dr.JOY eラーニング」にて「“かたづけ”講座」を配信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    かたづけ思考を身につければ、「リード・マイセルフ」の土台を築ける、コストを削減できる、仕事の無駄や自分のクセに「気づく力」が育つなど、さまざまな効果がある。
  • 要点
    2
    「整理」と「整頓」は別物だ。整理はモノを減らすこと、整頓は配置することを指す。整頓の目的は機能性と美観の向上にある。
  • 要点
    3
    混同されやすいが、「掃除」と「片づけ」とではゴールが異なっている。「掃除」は汚れを取り除いてきれいにすること、「片づけ」はモノを減らして使い勝手をよくすることだ。これらは別々にやるのが基本である。

要約

リーダーが「かたづけ思考」を身につけることのメリット

「リード・マイセルフ」の土台を築ける
thodonal/gettyimages

リーダーが口で言うだけで行動しなければ、部下はついてこない。だからリーダーはまず、自分自身をリードする力、物事を先送りせずに進んで行う実行力を養う必要がある。この「リード・マイセルフ」の土台をつくってくれるのが「かたづけ思考」だ。

著者がかたづけコンサルティングを担当した、ある販売店の社長の事例を紹介しよう。彼は店舗の事務スペースを片づけるためにコンサルティングを依頼した。片づけによって経営を改善し、売上をアップさせたいと思ったことが依頼のきっかけだったという。

著者が指導したのは、毎日18時45分~19時の15分間だけ片づけに取り組むこと。開始前と終了時に、片づけた場所の写真をメールで送ってもらうようにした。彼は日々多忙だっただけでなく、片づけが苦手で物事を先送りするクセもあったため、事務スペースは足の踏み場もないほど散らかっていた。著者自身、難航することを予想していたという。

だがその予想は裏切られた。彼は毎日時間ぴったりに写真を送ってきて、最初の1カ月で予定していた量の2倍を片づけたのだ。彼は見事片づけの習慣化に成功し、モノ探しに費やしていた時間を削減できただけでなく、物事を先送りする悪癖を直すことまでできた。

片づけは誰にとっても面倒なものだ。自分をリードして片づけに取り掛かることは「リード・マイセルフ」の練習にもなる。

コストを削減できる

著者がコンサルティングを行ったある会社では、モノがあふれた倉庫から未使用のコピー用紙が大量に発見された。誰かが倉庫の奥にあるストックに気づかず発注し、届いたものを倉庫の入口付近に置いた結果、奥にあるコピー用紙が忘れ去られてしまったのだろう。倉庫の入口付近にモノをためていくと、やがて大半のモノは奥へ奥へと追いやられ、倉庫がジャングル化していってしまう。

このケースでは、4つの無駄が生まれている。買い置きのコピー用紙が使われないという「経費」の無駄、倉庫が有効活用されていないという「スペース」の無駄、なかなかモノが見つからないことから起こる「時間」の無駄、時間を無駄にすることによる「人件費」の無駄である。これらの無駄は片づけによって削減できるのだから、片づけは会社の利益につながっているといえる。

さまざまな力が身につく
SIphotography/gettyimages

かたづけをチームの文化として根づかせることができれば、仕事の効率化以外にもうれしいメリットがある。

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要約公開日 2019.01.16
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