知識を操る超読書術

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知識を操る超読書術
出版社
かんき出版

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出版日
2019年11月18日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書の著者であるメンタリストDaiGo氏の動画や書籍に魅せられたことのある読者は多いだろう。彼のアウトプットを支えているのが1日に10冊から20冊という圧倒的な読書量である。なぜそんなことができるのか。「速読ができるのだろう」と思うだろうか?

実は「速読」は、科学的に効果がないことが実証されているという。かわりに氏が実践しているのが「スキミング=拾い読み」である。スキミングによって読む本、読む箇所を減らした上で、読むべき箇所を集中的に読み込み、記憶に定着させる。そして、アウトプットに使えるように、自分の言葉で残しておく。このサイクルを繰り返しているのだという。

スキミングは誰にでもできることだが、いくつかのポイントがある。まず「その本からどのような知識を得たいのか」という「目的」を明らかにして、常に意識できるようにしておくこと。新しい分野の本を読む場合には、初歩的な入門書を読み、基礎知識を身につけておくこと。そして、古典と呼ばれる本を熟読して思考力を養っておくことである。

本書に書かれている内容は、基本的に「科学的根拠(エビデンス)」に裏づけられていて信頼性が高いだけでなく、誰もが実践できるものばかり。プレゼンテーションや説得といった、アウトプットに関する知識も満載だ。知的生産性を高め、ビジネスのパフォーマンスを向上させたいと考える読者は、まず本書を手に取ってスキミングするところから始めてはいかがだろうか。

ライター画像
しいたに

著者

メンタリストDaiGo
◉─慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心をつくることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。
◉─その後、活動をビジネスおよびアカデミックな方向へと転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。日々インプットした膨大な情報・スキルを独自の勉強法で体得し、驚異的な成果をあげ続けている。
◉─著書は累計330万部。『自分を操る超集中力』(かんき出版)、『週40時間の自由をつくる超時間術』(実務教育出版)ほかヒット作多数。
●オフィシャルサイト http://daigo.jp
●ニコニコチャンネル/メンタリストDaiGoの「心理分析してみた!」 https://ch.nicovideo.jp/mentalist

本書の要点

  • 要点
    1
    知識を得るために本を読むときには、(1)本を読む準備をする、(2)本の読み方を知る、(3)本から得た知識をアウトプットするの3つを意識するとよい。特に準備は、読書の成否を左右する。
  • 要点
    2
    書かれている文字を目で追うだけでは、内容の理解度は高まらない。「予測」読みや「要するに」読み、「しつもん」読みなどによって、能動的に読書するとよい。
  • 要点
    3
    読書の目的は、読書を通して得た知識をビジネスや実生活に役立てることだ。

要約

速読の嘘

速読よりも「スキミング」
bee32/gettyimages

一般的に読書には、3つの誤解がある。

まず、速読に関する誤解。「読書を好きになるには、本を速く読む力が必要。速く読めるようになれば読書量が増え、人生に役立つ読書ができるようになる」というものだ。

次に、多読に関する誤解。「本好きの人は、たくさんのジャンルの本を同時並行でたくさん読んでいる。多読するから興味が広がり、読書の習慣が途切れないのだ」。

最後に、選書に関する誤解。「いい本を選んで読むこと。それが最も効率が良くて、身につく読書法に違いない」である。こうした思い込みが、「本を役立てるための読み方」を妨げている。

要約では、これら3つの誤解のうち、速読の嘘を取り上げる。

科学的には、読むスピードを上げると内容の理解度はむしろ下がること、目の動きや周辺視野は読むスピードにさほど関係がないことがわかっている。つまり、テキストを写真のように眺める「速読」をしても、本の内容はほとんど頭に残らないのだ。

速読にかわって著者がすすめるのは、読む本や読む箇所を減らす「スキミング=拾い読み」である。まず、表紙をスキミングする。そこに書かれたタイトルとキャッチコピー、帯に書かれた紹介文をチェックして、その本のメインテーマを把握しよう。

次に、目次だ。目次には本の構造や骨組みが書かれているので、目次を眺めることで内容の理解度は格段に上がる。

最後に、どこか1つの章を選んで拾い読みする。どの章でもかまわないが、特におすすめなのは本のど真ん中の章だ。本の冒頭には、読者を惹きつける内容が盛り込まれていることが多く、終盤もまた力が入っていることが多い。だから、ど真ん中の章をスキミングして興味を引かれるようなら、その本はあなたにフィットしている可能性が高いのだ。

スキミングをしてみて、難しすぎると感じられたり、逆にすでに知っている内容が多かったりするようなら、その本をそれ以上読む必要はないだろう。

文章は「構造」を読め

章の本文をスキミングするときは、文章の「構造」に注目するとよい。ある見出しの導入の部分と、最後の結論の部分を重点的に読んでいくのだ。なぜなら、要点は導入と結論を読めばつかめるものだからだ。結論部分は、「しかし」や「つまり」などの接続詞の後ろに書かれている場合が多いので、目安にするといいだろう。

何度も熟読したいような素晴らしい本は、スキミングの対象ではない。そうした本はむしろ繰り返し読むべきだ。スキミングによって1冊の本の中に混在している重要な箇所とそうでない箇所を見分け、役に立つと思う箇所を集中的に読むようにしよう。

【必読ポイント!】本を読む準備をする

メンタルマップを作る
berkozel/gettyimages

知識を得るために本を読むときには、(1)本を読む準備をする、(2)本の読み方を知る、(3)本から得た知識をアウトプットするの3つを意識するとよい。

これら3つのうち最も重要なのは、本を読む前の準備である。読む準備に時間をかけることで、速く読めるようになり、効率的な読書ができる。準備が読書の成否を左右するといっても過言ではない。

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要約公開日 2019.11.25
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