ビジネスに効く教養としての「中国古典」

超一流の常識
未読
日本語
ビジネスに効く教養としての「中国古典」
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著者
未読
日本語
ビジネスに効く教養としての「中国古典」
著者
出版社
朝日新聞出版
定価
1,540円(税込)
出版日
2015年02月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

「つらい決断を強いられる」、「交渉が上手くいかない」、「部下やチームのモチベーションをどう上げるか?」。こうした壁や岐路にぶつかったとき、時代を超えて受け継がれる「黄金の成功法則」が強い味方になってくれる。

名だたる経営者やリーダーを30年近く取材してきた著者は、彼らの人生観や仕事観が『孫子』や『論語』といった中国古典に多大な影響を受けていることを体感してきた。権力闘争の歴史とも呼べる中国の歴史が生んだ数多くの兵法書や思想書のうち、現代まで読み継がれてきた書物には、普遍的な「人間の心理や行動の本質」がぎっしりと詰まっている。とはいえ、こうした数多くの中国古典を片っ端から紐解くのは敷居が高く、実際のビジネスに応用させるのは至難の業だ。

本書では、現代のビジネスパーソンが直面しがちな悩みと、中国古典が出した答え、そしてそれに関連した現代の超一流ビジネスパーソンの成功例が一体となって紹介されている。そのため、どのように自分の課題解決に適応すればいいかが明白だ。働く目的や仕事の進め方、社内での処世術、人心掌握術、交渉術、敵を知るための戦略。古の偉人たちが苦しみながら生み出してきた思考や言葉は、社会の荒波を越えて、人生の成功をつかむための「生きた知恵」になってくれるだろう。そして、この本を通じて、読者の方々が心の拠り所となる座右の銘に出会うことができればこの上なく嬉しい。

ライター画像
松尾美里

著者

安恒 理
1959年福岡県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、出版社勤務。ビジネス系雑誌の編集に携わったあと独立する。記者、編集者として15年にわたり、数多くの経営者やビジネスパーソンを取材した経験をもとに執筆を続ける。2006年「現代ビジネス兵法研究会」設立に参画し、「ビジネスの成功法則」「歴史の知恵の活かし方」をテーマとした研究を深める。

本書の要点

  • 要点
    1
    物事を優位に進めるには、ライバルに先んじて名乗り出ることが大切だ。スピーディーな決断と実行ができるようになるには、普段から問題意識を持って情報に接することが求められる。
  • 要点
    2
    トップや上司の命令が、会社やチームのためにならないと思った場合は、あえて逆らうことが必要であり、その忠義が評価につながる場合も多い。
  • 要点
    3
    真に勝利を収めたいのならば、力で制圧するよりも、相手の心をつかむことが必要だ。

要約

何のために働くのか

いまの仕事を続けるべきか迷いが生じたら?

「何のために成功したいのか」というビジョンを明確にイメージすることで、目の前の仕事の意義を再確認でき、目標達成のモチベーションが大きく変わってくる。

古代中国の七つの代表的な兵法書「武経七書」の一つとされる『呉子』には、「生を惜しめば死に、死を必すれば生きる」という言葉がある。「生きることに執着するとそれは死につながり、死を覚悟すれば自ずと道は開ける」という意味だ。日本の社長の数多くが、死の淵に立つほどの大病や戦争体験といった「死」を意識せざるをえない経験を経ている。彼らは死に直面したことで、残りわずかな時間で何をすべきかを考え抜くようになり、迷いなく仕事にまい進できた。

アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは、48歳のときにすい臓がんが発覚し、その2年後に、次のような伝説的なスピーチを残した。「もし、今日が人生最後の日だとしたら、今からやることをやりたいか?」いまの仕事を続けるべきか迷いが生じたときは、自分の死から逆算的に残された時間を考え、何が一番したいかを自問自答してみるとよい。

日々の仕事をどう進めるか

スピードと 質、どちらを優先すべきか?

戦乱に明け暮れた古代中国の兵法書には、敵・味方・地の利についての様々な状況分析と対処の方法が説かれている。

南宋の政治家が編纂した『文章軌範』には、「巧遅は拙速に如かず」という言葉がある。これは「時間をかけて完璧を目指すより、不完全でもスピード重視でやり遂げた方がいい」という教えだ。企業間の競争ではスピードが命。自分では不完全だと思っていても、立ち止まるよりは、上司に報告した方がいい場合が圧倒的に多い。チームプレイでカバーすることができるからだ。

質と速さのどちらを優先すべきかを決めるには、自分の仕事を大局的に捉えて、どちらのニーズが高いのかを見極めることが重要だ。任された仕事が、どの工程で、どんな役割をもっているかを捉えたうえで、質とスピードのバランスを保つ必要がある。例えば、締め切りや予算、修正のチャンスの有無などが判断基準となる。

また、ビジネスでは、準備が整っていない状態でも戦いに臨まなくてはならないケースも多い。時には、準備不足をハッタリで補い、その後急いで穴埋めをすることで、大きなチャンスをモノにする必要も出てくるのだ。

物事を優位に進めるには?
TongRo Images/TongRo Images/Thinkstock

前漢の歴史家、司馬遷によって編纂された『史記』の項羽本紀には、「先んずれば人を制す」という言葉がある。「先手を取れば優位に立てるし、少しでも遅れれば勝ち目は薄くなる」という意味だ。秦の始皇帝亡き後に、大臣の殷通(いんとう)はこの言葉を使って項梁(こうりょう)を仲間に引き入れようとした。しかし、皮肉にも項梁は、この言葉通り、甥を呼んでたちまち殷通の首をはね、殷通の土地や兵をごっそり手に入れたという。

現代の経営においても、ライバルに先んじて名乗り出ることは、勝利の第一条件となることが多い。セブンイレブンが国内最多店舗数を誇るまでに躍進している一因は、固定観念を打ち破る開発をスピーディーに決断し、実行に移ってきたことである。例えば、季節によって冷蔵と温蔵を切り替えられる飲料ケースというアイデアは、冬のゴルフ場で大きな鍋にお湯を入れてコーヒー缶などを温めているシーンからひらめいたという。普段から問題意識を持って情報に接しているからこそ、先手必勝のチャンスをものにできるのだ。

社内の壁、逆境にどう対処するか

上司の命令が明らかにおかしいときは?
curraheeshutter/iStock/Thinkstock

組織における人間関係や社内政治の処世術は、古代中国でも重要なテーマだった。

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