
学生でもビジネスパーソンでも、要約力が求められる機会は意外と多いものです。レポートや申請書を書いたり、会議の議事録やプレゼン資料を作ったり、報告・連絡・相談をする際にも、要約力は欠かせません。
本記事では、ビジネス書の要約作成を手がけるフライヤー編集部が、要約の手順やコツ、注意点、要約力を鍛える方法などを紹介します。
手順を知っているだけで、誰でも簡単に要約が書けるようになります。ぜひチェックしてみてください。
まずは「要約とは何か」について、簡単に説明しましょう。
要約とは、文章などの要点やテーマ、メッセージなどを簡潔にまとめる行為や、まとめたテキストなどのことをいいます。要約する対象もアウトプット形式もさまざまですが、本記事では「要約=元の文章の要点を簡潔にまとめた文章」としてお話ししていきます。
要約をすることで、書き手には以下のようなメリットがあります。
・元の文章を深く理解できる
・元の文章の要点を伝えやすくなる
・読解力アップにつながる
・文章力アップにつながる
・プレゼン力アップにつながる
また、要約を読んだ人にとっては、以下のようなメリットがあります。
・元の文章の要点をスピーディーに理解できる
・元の文章の要点を記憶に留めやすくなる
要約力があれば、学生ならば、小論文や卒業論文、レポートの作成が円滑にできるでしょう。ビジネスパーソンであれば、報告書作成やプレゼン資料作成、会議などの場で、端的に情報伝達できるようになるはずです。会議の議事録作成も、短時間でこなせるようになるでしょう。
ここでは、要約を書く手順を7つのステップでご紹介します。
まず、ステップ1です。はじめに要約のアウトプットイメージ(完成図)を確認しましょう。
どのような文体で、どのくらいの文字数にまとめる必要があるのかなど、指定事項があれば事前にチェックします。
「おそらくこうだろう」という思い込みで書き始めると、出来上がってから修正が発生し、二度手間になってしまうかもしれません。
文字数や文体の指定がない場合は、用途に応じて設定します。
ステップ2では、要約する文章(元の文章)をさらっと読み、全体像を把握します。
ポイントは、あくまでざっくり目を通すこと。一言一句、すべての内容を理解しながら読む必要はなく、大まかな内容やテーマ、構成だけ把握できれば十分です。このタイミングで、要約する文章の文字数も把握しておくと、次からのステップに取り組みやすくなるでしょう。
書籍を要約する場合には、タイトル、目次、「はじめに」、「おわりに」などをざっと見ておくのもおすすめです。著者のメッセージを大まかに把握できるはずです。
ステップ3では、「書き手が伝えたいメインメッセージは何か」「どのあたりを要約しようか」などと考えながら、要約する文章をじっくりと読んでいきます。
ステップ2を経て、大まかな内容を理解できている分、まとまったボリュームのある文章でも読み進めやすくなっているはずです。
書籍を要約する場合は、重要だと思われる箇所や要約に盛り込みたい箇所に付箋を貼ったり、丸で囲ったり、線を引いたりするのもおすすめです。
ステップ4では、要約する文章を、同じ意味を持つかたまり(ブロック)に分けていきましょう。
このとき、以下のポイントに注目してみるのがおすすめです。
・見出し
・改行
・「つまり」「しかし」「したがって」などの接続詞
この作業をすることで、要約する文章の流れを理解しやすくなります。
余力があれば、かたまりごとの役割を明確にしておくといいでしょう。「導入」「書き手の主張」「主張の根拠」「主張の具体例」「結び」程度の、簡単なものでかまいません。要約を作る際はこのうち、「書き手の主張」と「主張の根拠」を主に使うこととなります。
ステップ5では、要約する文章の要点を抽出しましょう。
ステップ4で作った「かたまり」を眺めて、それぞれの「かたまり」の要点や結論にあたるものを探し、書き出していきます。何度も繰り返し登場するキーワードに注目してみると、作業がスムーズになるでしょう。
ステップ6ではいよいよ、実際に文章を要約していきます。
ステップ5までの準備が整っていれば、あとは文章のかたちにまとめるだけ。書き出した要点やキーワードをつなげて、適宜自分の言葉で肉付けをし、文章の形にしていきます。
ここでは、以下のポイントに注意するといいでしょう。
・一文をできる限り短くすること
・専門用語は、誰でもわかるように言い換えたり、補足説明を足したりすること
・主語と述語がねじれていない、一読して理解できる文にすること
・元の文の引用ではなく、自分の言葉でまとめること
・自分の意見や解釈は入れないこと
・同じ意味の文が何度か出てくる場合は、どちらかを削除すること
最後に、ステップ6でまとめた文章を見直してブラッシュアップします。
以下のポイントをチェックしてみてください。
・誤字脱字はないか?
・元の文章を読んでいない人にも、一読して意味が通じるか?
・元の文章の主張が明確に書かれているか?
・元の文章の構成を損ねていないか?
・文と文がなめらかにつながっているか?
・内容の不足がないか?
・誤解を招くような表現が含まれていないか?
繰り返し読んで手直しし、完成度を高めていきましょう。特に「誤字脱字はないか?」と「元の文章を読んでいない人にも、一読して意味が通じるか?」については、第三者に意見をもらうのがおすすめです。
また、もし時間に余裕があるなら、完成してから数時間~数日寝かせてみましょう。しばらく時間をおくと、新鮮な目で読み返すことができ、改善点を見つけやすくなります。
続いて、要約のコツを3つに分けて紹介します。
要約のコツの1つ目は、元の文章を「ざっくり→じっくり」の順で読むことです。
まずは気楽に、ざっくり目を通すことで、元の文章の主張や雰囲気を大まかにつかみましょう。この作業を挟むことで、精読するときに注目すべきポイントが見えてきます。
いきなりじっくり読み始めると、力の抜きどころがわからず、疲れてしまうかもしれません。より効率的かつスピーディーに要約を作りたいなら、「まずはざっくり読んでみる」を意識してみてください。
要約のコツの2つ目は、多めに書いてから削ることです。
文章全般に言えることですが、少なく書いてから増やすより、多めに書いてから削るほうが、より引き締まった仕上がりになりやすいものです。
多めに書いてから、重要でなさそうなところや重複しているところを削り、シャープに仕上げていくのがおすすめです。
要約のコツの3つ目は、「元の文章を読んでいない人」になったつもりで読み返すことです。
元の文章を読んだ人にとっては自明のことでも、その文章を初めて読む人にとっては、そうでないかもしれません。重箱の隅をつつくつもりでチェックし、誰が読んでもすっきり理解できる文章へと整えましょう。
続いて、要約を作成する際の注意点を5つ紹介します。
要約作成の注意点の1つ目は、元の文章を引用するのではなく、自分の言葉でまとめるようにすることです。
元の文章をそのまま使うと著作権法違反にあたるおそれがありますので、くれぐれも注意してください。
要約作成の注意点の2つ目は、あくまで元の文の論の流れは変えないようにすることです。
たとえば、元の文章が「導入」→「主張」→「根拠」→「例示」の順であれば、「導入」→「主張」→「例示」→「根拠」の順に並び替えるのはNGです。元の文の流れを尊重し、論理構成を変えずにまとめるようにしましょう。
要約作成の注意点の3つ目は、冗長な表現を避けることです。
たいていの場合、要約は文字数が指定されているものです。限られた文字数の中でエッセンスを伝えきれるよう、冗長な表現は避けましょう。
特に注意したいのは「~だと思います」「~という」のような表現です。「~だと思います」は「~です」、「~という」は削除でも意味が通じるでしょう。回りくどい表現はカットして、ストレートに意味が伝わるように工夫しましょう。
どうしても文字数が多くなってしまう場合は、以下の3つが有効です。
・重複している箇所を削除する
重要な内容は繰り返し書きたくなってしまうものですが、文字数が限られている中では、一度に留めましょう。重複があれば、1箇所だけ残して削除しましょう。
・たとえを削除する
文章にたとえが含まれると、読み手にとって理解が容易になります。ただ多くの場合、たとえは要約に必須の要素ではありません。どうしても文字数が増えてしまう場合は、たとえを削除できないか考えてみましょう。
・抽象化する
「イヌ、ネコ、ウサギ」は「動物」の1語でまとめるなど、具体的な言葉を抽象化すると、文字数を減らせるとともに、より理解しやすくなることがあります。
要約作成の注意点の4つ目は、自分の意見や解釈は入れないことです。
要約とは、元の文章の内容のみを凝縮してまとめたものであり、そこに自分の意見や解釈を加えるのはNGです。書き手の意見や解釈が含まれていると、読み手は、それが誰の考えなのかがわからなくなってしまいます。
あくまで元の文章を尊重し、客観的にまとめるよう心がけてください。
要約作成の注意点の5つ目は、主張・結論とその根拠を必ず含めるようにすることです。
「主張・結論」はその文章を書いた目的となるものであるため、ここを外してしまうと、要約として成立しません。またその「主張・結論」を裏付ける要素として「主張・結論の根拠」も必要です。
この2つを第一優先として、文字数に余裕があれば「事実」や「具体例」を足して肉付けしていくのが基本です。
最後に、要約力を鍛えるのに有効なトレーニングを3つ紹介します。
要約力を鍛えるために何より効果的なのは、やはり数をこなすこと。1日1本、1週間に1本などと目標本数を決めて、手を動かしていきましょう。
ここで重要なのは、書いたものを誰かに見てもらうことです。特に、「誤字脱字はないか」と「一読して意味が理解できるか」の観点からチェックしてもらうといいでしょう。
読み手を意識し、もらったアドバイスを反映させながら書いていくうちに、要約力はおのずと上がるはずです。
もし誰かにチェックを依頼できないなら、「書いた文章を数日置く→読み直してブラッシュアップする」を繰り返すのがおすすめです。
要約した文章をSNSやブログに投稿してみるのも、読み手の目線を意識する習慣づけをしたい方にとっていいアイデアです。
・その日のニュース
・新聞の社説
・本や映画のレビュー
など、題材を決めて、継続的に投稿してみましょう。
過去の投稿を簡単に振り返ることができ、自分の要約力アップを実感できます。
生成AIを使ったトレーニングもおすすめです。
自分の手で要約した後、生成AIに同じ条件で要約してもらいましょう。自分の要約と生成AIの要約を比べることで、自分の要約の改善点が見えてくるはずです。
要約について深く理解したいなら、1冊10分で読める本の要約サービス「flier(フライヤー)」を活用し、要約という形式にたくさん触れてみるのもおすすめです。
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