発売即重版。実業界騒然の3次元小説 『殺し屋のマーケティング』
【ほんをうえるプロジェクトのイチオシ】

ほんをうえるプロジェクト
殺し屋のマーケティング
殺し屋のマーケティング
三浦崇典/著
ポプラ社
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殺し屋のマーケティング
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著者
三浦崇典/著
出版社
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ほんをうえるプロジェクトは、本屋さんでのAIやIoTを応用した取組みを「マクルーハンの本棚」と名づけた。その理由の一つは、情報産業の重大な転換点にあって、文明評論家マーシャル・マクルーハンの指摘が再び重要な意味を持つと感じていたからだ。

彼は「われわれはバックミラーを通して現代を見ている。われわれは未来に向かって、後ろ向きに進んでゆく」と述べている。狭義では、電話を「話す電報」と呼んだり、自動車を「馬無し馬車」を呼んだりする、ということを意味している。

しかし、私はもう少し広く解釈してみたいのだ。例えば、商品の仕入は販売情報をもとにされるようになった。しかしそれは、昨日までに「売れた」商品の情報であって、これから売れる商品の情報ではなく、その選択は必ずしもベストではないのだ。過去に頼りすぎると、縮小均衡に陥ってしまう。

前段が長くなってしまった。本書『殺し屋のマーケティング』に書かれた「マーケティング主義からコンテンツ主義へ」という主張は、マクルーハンが残した「われわれはバックミラーを通して現代を見ている~」と同じような重みを持つ。過去を分析する発想から、未来を創る発想へ。まさに、コペルニクス的転回が求められているのである。

本書はそれらのメッセージを「小説」という形式で伝えている。ミステリーとしても、泣ける物語としても、マーケティング論としても上質で、3次元の広がりを持つ満足度の高い小説といえる。読んでいて映像が目に浮かぶ感じがしたが、近々、舞台でも上演される予定なのだそうだ。

主人公の桐生七海は「受注数世界一の、殺しの会社を創りたい」という強い動機をもって、最強のマーケッター・西城潤に弟子入りする。その師匠からマーケティング技法を学び、キラーコンテンツである「最強の殺し屋」と出会いビジネスを軌道に乗せる。

しかし、物語はそこで終わらない。七海の父や、政界の大物、そして美しき女たち……。様々な登場人物の想いを結集させた物語の結末は、読み応え十分である。そこまでに張られた伏線が一気に回収され、後味の良い涙が流せる。一粒で3度美味しい本だ。

さらに巻末には、著者が実践で身につけた「7つのマーケティング・クリエーション」というメソッドが紹介されている。行列のできる和菓子屋「吉祥寺小ざさ」の例を示しながら、具体的に説明されているので、腹に落ちる。机上に置いて繰り返し眺め、本書の図解を記憶として定着させたいと思った。3年以上の年月をかけて書きあげられただけあって、著者の全体重がかかった、真摯な印象の本である。

ほんをうえるプロジェクト 吉村博光

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

植物に水をやってゆっくりと育てるように、本ももっとていねいに売っていこうと、出版総合商社トーハンがはじめたプロジェクトです。新刊やベストセラーに限らず、独自の手法で良書を発掘し、本屋さんにご提案しています。同じ趣味をもった方同士がつながれる、「 #好きな本を語ろう 」というコミュニティを運営中です。ぜひご参加ください!

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公開日:2017/11/24
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