
第6回 Lunch time ビジネスワークアウト 【イベントレポート】
ランチを食べながら「知的筋力」を鍛えるフライヤーの「Lunch timeビジネスワークアウト」ウェビナー。2021年3月16日(火)のお昼の時間帯に第6回が行なわれました。リラックスしたムードの無料オンラインセミナーに、今回もたくさんの方がご参加くださいました。
メインスピーカーは株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリストの荒木博行さんです。本記事では、当日のセミナーの様子をダイジェストで再構成してお届けします。
ライター・庄子結


1冊目は、『つくし世代』(藤本耕平、光文社)です。本書には、「今時の若者」について次のようなことが書かれています。
「彼らは自分の存在意義をつくる工夫もすれば、人との関係を円滑に築けるように細やかな配慮も怠らず、『誰トクなのか』にとても敏感になっている」
「彼らの行動や消費には常に『自分以外の誰か』が意識されている」
一般的に、Z世代は利他の精神が強いといわれていますよね。SDGsをはじめとした社会問題への関心が高い傾向にあるのも、そのあらわれでしょう。
だからZ世代にとっては、経済的な利益は行動のドライバーになりません。ビジネスが大きくなることがモチベーションになるのは、上の世代だけ。「誰にとってどんな利益があるのか」を語らない限り、Z世代の心を動かし、行動を促すことはできません。


『すべての組織は変えられる』(麻野耕司、PHP研究所)では、次のように、「レヴィンの3段階組織変革プロセス」というフレームワークが紹介されています。
「リーダーがメンバーの感情を動かすためには、『Unfreeze(解凍)→Change(変化)→Refreeze(再凍結)』という3つのステップを踏む必要がある。相互不信を解いて期待感を醸成させ(解凍)、共感を引き出して納得感を醸成させる(変化)。そしてそれを仕組み化し、変化を実感させる(再凍結)」
著者はそのうえで、相互不信を解くためには「感謝と謝罪」が大切であると説きます。
相手が「解凍」されないままに上から目線で「育成」しても、新人の心は動かせず、行動にはつながっていきません。「私自身、みなさんに迷惑をかけているところがあるかもしれません」「みなさんの協力に感謝しています」などといったメッセージを発していくことが、「育成」を成功させるための第一歩なのです。


次は、『無敗営業 チーム戦略』(高橋浩一、日経BP)です。本書では、「人が育つ仕組みを作る」ための3つの要素として、「グー」「チョキ」「パー」の3つが挙げられています。
「グー(Gutai)」:具体的なサンプル
「チョキ(Check point)」:チェックポイント
「パー(Performance)」:パフォーマンスの確認
チェックポイントを伝えながらサンプルを見せて、実際にやってみた後にフィードバックをしていく……そんな流れをつくってくれるフレームワークです。
育成のステージが上がっていくと、具体的なサンプルなしで「まずはやってごらん」というパターンも出てくるでしょう。ですが育成の最初の段階においては、この3つが揃わないままだとうまくいきません。


次は、『対話型マネジャー』(世古詞一、日本能率協会マネジメントセンター)。本書には、「業務」「個人」「組織」それぞれを時間軸で3分割した、「すり合わせ9ボックス」というフレームワークが登場します。横軸が現在、過去、未来の時間軸、縦軸が業務、組織、個人の3つのレベルを表す3×3の9つのボックスを想像してみてください。
この9ボックスの内容を意識しながら、1on1で話す内容、すり合わせる内容を選んでいきます。「過去」×「業務」のマスは、「今週どんなタスクをこなした?」といった具合に、比較的よく話題にのぼるでしょう。一方で「未来」×「組織」のマスは、話し合う機会が少ないのではないでしょうか。
1on1を有益なものにするために、9つのマスの話題を網羅するよう意識するといいでしょう。


『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(八木仁平、KADOKAWA)には、次のようなことが書かれています。
「『やりたいこと』は、『What(何を)=好きなこと』×『How(どのように)=得意なこと』の組み合わせだ」
1on1などで、新人に「好きなこと」を尋ねることはよくあるでしょう。その一方で、「得意なこと=意識しなくても普通にこなせること」を話すことはけっして多くないはずです。
「得意なこと」には、本人こそ気づきにくいもの。だから、上司がそれに気づいてあげることが大事なのです。その人の才能を見抜いてあげて、「すぐにはキャリアにつながらないかもしれないけれど、ピン止めしておくといいよ」とアドバイスする。そうすれば、新人からの信頼度もアップするはずです。


最後に、『はずれ者が進化をつくる』(稲垣栄洋、筑摩新書)です。本書には、次のようなことが書かれています。
「実際の自然界には、『平均値』も『ふつう』もない。あるのは『多様性』だ。なかには、平均から大きく外れたはずれ者もいる。こうしたはずれ者がいるからこそ、環境の変化にも適応し、生き残ることができる。そして、はずれ者が新たな基準となって、生物は進化していく」
新人教育の文脈に読み換えてみると、「優劣ではなく、多様性を意識して育成しよう」という教訓が得られるのではないでしょうか。育成において、相手の「優劣」にばかり目が向いていないか、振り返ってみていただきたいと思います。

ここまで、新人育成を考えるための6つのポイントを紹介してきました。
今日の「ビジネスワークアウト」として、みなさんにもぜひ自分や自分の組織に当てはめて、「新人育成」を考えてみていただければ幸いです。
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「Lunch time ビジネスワークアウト」は、今後も定期的に開催予定です。次回もお楽しみに!
荒木博行(あらき ひろゆき)
株式会社学びデザイン 代表取締役社長、株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリスト、株式会社ニューズピックス NewsPicksエバンジェリスト、武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所客員研究員、株式会社絵本ナビ社外監査役。
著書に『藁を手に旅に出よう』(文藝春秋)『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑 これからの教養編』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界「倒産」図鑑』(日経BP)など。Voicy「荒木博行のbook cafe」毎朝放送中。