
要約を通してビジネストレンドに気軽に触れることができる、flier×日経ビジネスの「現代をより深く知るための3冊」。今回のテーマは、日経ビジネス読者に人気の特集「ファンづくりの極意 薦めたいブランド1万人調査」です。人口減少に伴って新規顧客の開拓は難しくなってきました。そんななか、マーケターが注目しているのが「ファンづくり」です。flierの要約からは、新時代のマーケティングを考えるのに役立つ3冊をピックアップしました。
ライター・フライヤー編集部
日経ビジネスは特集「ファンづくりの極意 薦めたいブランド1万人調査」を掲載しました。人口減少など事業環境の変化が激しく、企業は成長しにくくなっている中で、重要性が見直されているのが、特定のブランドを支持するファンの存在です。全顧客の2割である優良顧客(ファン)が売り上げの8割をもたらす例が多いことから、ファンづくりが今、マーケティングの中心課題となっています。
「今回のコロナ禍ではっきりしたことがある。それは固定のファンに支えられているお店は、やはり強いということだ」。日経ビジネスの特集の中でコミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏は、こう語っています。
売り上げを伸ばしたければ、新規顧客を開拓せよ──。以前はこう言われていた時代もありました。しかし今の日本では、新規顧客の開拓は年々、難しくなっています。日本の人口推移を長期で描いたグラフを見ると、右肩上がりで人口が増えていた時代は既に終わりを告げ、2060年には今よりも4000万人近く減ってしまいます。
さらに、経済が成熟するにつれて機能や価格で他社の製品やサービスとの違いを出すのは難しくなっています。今の時代に重要なのは顧客との「感情的なつながり」との意見は多いようです。今は既存のファンを大切にし、中長期的に自社の売り上げや価値を上げていくべきだと佐藤氏は主張しています。この考え方が「ファンベース」です。佐藤氏が『ファンベース』で詳しく記しています。


今回の特集で日経ビジネスは、競争の激しい10の分野について1万人の消費者を対象に「顧客推奨度(ネットプロモータースコア、NPS)」の調査を実施しました。対象となっている商品やサービスを友人などに推奨したいかどうかを尋ね、推奨度を算出したものです。
対象分野は「ECサイト」「携帯電話サービス」「定額制動画配信」「スマホ決済アプリ」「自動車」「デジタルカメラ」「スポーツブランド」「コーヒーチェーン」「コンビニエンスストア」「テーマパーク」です。
このうち「定額制動画配信」でトップになったのが米国発のネットフリックスです。世界各地で制作しているオリジナルコンテンツや徹底したパーソナライズ化が消費者を捉えて離さない要因のようです。ネットフリックスのような強力な動画配信サービスに加え、現在は個人でも動画コンテンツなどを発信できます。こうした中で日本のエンターテインメント業界も熱烈なファンを持つ「推しエコノミー」を目指すべきだと説くのが『推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来』です。


日経ビジネスの1万人調査によると「テーマパーク」の分野では東京ディズニーリゾートが首位、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが2位となりました。そんな中、スコアを急速に改善させているのがリニューアルした西武園ゆうえんちです。
2021年5月に実施したリニューアルでは1960年代の日本をテーマに、昭和の街並みを再現した商店街を新たな「顔」に据えました。若者には新しく、シニアには懐かしい。そんな世界観を打ち出し、10~20代のZ世代も取り込んだようです。
デジタルが当たり前の中で育ってきた若い世代を中心とする新しい消費者の心をどうつかむのか。そのヒントとなりそうなのが『世界のマーケターは、いま何を考えているのか?』です。


いつの時代も消費者のニーズを捉えるのは難しいですが、インターネット上の仮想空間「メタバース」の広がりなどもあって、消費者の関心はますます細分化しています。ファンづくりの要諦は、マーケティングに関係する人だけでなくビジネスに携わる全員が知っておいてもよさそうです。