フライヤー初のファンイベントflier book salon 2019開催レポート
~本とつながる 人とつながる~ 白熱対談&読書ワークショップ

2019年10月19日、フライヤー初のファンイベント、flier book salon2019を開催しました。フライヤーの会員のみなさんが著者や会員と直接つながり、語り合うことを通じて、皆様が「ヒラメキ」を生み出していくことをめざした試みです。

第一部では、『あたりまえを疑え。』の著者、澤円(さわまどか)さんによる「知的好奇心」に関する基調講演を開催。また、『紙1枚!独学法』の著者、浅田すぐるさんと『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者、西岡壱誠(にしおかいっせい)さんとの対談セッションでは、読書法や学び方について考えていきました。

第二部では、フライヤーの要約を活用したワークショップを実施。約100名が参加し、大きな盛り上がりを見せました。ライターの松尾がその一部をダイジェストでお届けします!

本と人とつながり、ヒラメキが溢れる場、flier book salon

まずは、フライヤーCOO荒木さんより開会の挨拶。荒木さんは、読書コミュニティflier book laboのコミュニティマネージャー兼ファシリテーターを務めています。

荒木:フライヤーの理念は「ヒラメキ溢れる世界を作る」。そのためには、本の作り手と読み手、そして読み手と読み手がつながることで、ヒラメキを生み出す場が必要ではないか。そんな想いのもとに始めたのがflier book salonです。「仲間とのつながりができた」「面白い本に出会ってアイデアが生まれた」という会になれば嬉しいです。



flier book salonは、flier book laboのメンバーが企画から運営、noteでの発信まで全方位的に携わってくださいました。司会は、メンバーのお一人、市島あやさんです。



会場には、laboメンバーがlaboで扱ってきた本のおすすめポイントを手書きしたPOPがズラリ!



なお、グラフィックレコーダーの守隨佑果(しゅずいゆか)さんが、要点がスッキリ頭に整理されるグラレコに、議論をまとめてくださいました。


第一部 澤円さん基調講演 「知的好奇心」に素直に生きよう

澤円さん(以下、澤):まず、New York Times一週間分の情報量をイメージしてください。これは実は18世紀の人たちが一生のうちに出会う情報量。現代の人々がふれる情報量がどれだけ飛躍的に増えたかがわかりますね。では、日本人が一日にふれる平均的な情報量はどれくらいか? テレビや本、ネット、広告などすべてを含めてです。これは平安時代の日本人が一生のうちにふれる情報量、そして江戸時代の日本人が一年間にふれる情報量に相当します。



もちろん、人間の脳のサイズが昔と比べて大きくなったわけではありません。それでも現代と昔とでこれほど情報量に差があるのは、高速移動手段の発達が影響しています。では平安時代と江戸時代とで、なぜこんなに違うのか? 1つは地図ができたから。目的地までの経路がわかり、移動中に多くの情報にふれられるようになった。また、瓦版などの登場で文字が普及し、情報交換しやすくなったことも影響しているでしょう。

世界に存在する全データのうち、直近2年で生まれたデータの割合は90%。つまり、現在は3年前とは別世界なわけです。データ量が半端なく増えている現在は、「検索して答えを見つけておしまい」だと、情報の海に溺れてしまう。シリコンバレーでも、働くための必要十分条件は、お金や能力ではなく、「自分の頭で考えて、世の中をよくしていこうというマインドセット」といわれています。

源氏物語は、現代人が一日に得られる情報量をもとに生み出されたもの。つまり、データ量が多いからよいものを創造できるわけではない。情報量が限られていても、自ら考え、想像すれば、長く読みつがれるような素晴らしいアウトプットを生み出せる。自分で考える力を含めて、成長を助けてくれるのが「知的好奇心」です。

これからはBeing(どうありたいか)の時代


:人間のクリエイティビティーは無限大です。ハーバード・ビジネス・スクールも、「未来のMBA教育のフレームワーク」という形で、これを後押ししています。

Knowing=知識の蓄積
Doing=超実践主義
Being=信念・価値観


ここでのDoingとは、「考える前に手を動かせ」というリーンスタートアップのスタイルのこと。大事なのは、KnowingとDoingから一歩進めて、Being(どうありたいか)まで深めることです。Beingが明確だと、それが行動の拠りどころになるので、知的好奇心がブレなくなる。さらには、発言の一貫性が生まれ、信頼されやすくなります。だからこそ、Beingを言語化することが大事。

自分がどうありたいか、自分にきいてみてください。最初は「~をしたい」ばかりが出てきますが、突き詰めていくと、心からの「こうありたい」を言葉にできるはず。Beingは変化していくため、毎日5分でも、Beingを問いかけることをおすすめします。



立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんは、新しいアウトプットのためには、「人・本・旅」からの学びが大事と語っています。旅に関していうと、ちょうど先日バリ島に行き、バリダンスが歌舞伎にそっくりだと気づきました。これをとっかかりに、「音楽で舞う」という共通項があるのはなぜだろう? 文字をもたない民族はあるが音楽のない民族はいない理由は何か、と探求を深められます。

もっと心を自由に。まずは「少しグレてみる」


最後にお伝えしたいのが、「もっと心を自由に、コンフォートゾーンを飛び出してみよう」ということです。大きくレールを外れるのは難しいかもしれません。そこでおすすめなのが、「少しグレてみる」こと。髪の色を変えるとか通勤経路を変えるとか。もし人に迷惑をかけてしまったときは、「ごめんね」といえばいい。他者のものさしではなく自分のものさしで、昨日よりも面白いと思えることをやってみる。すると知的好奇心が加速して、自分なりのBeingを発見しやすくなるはずです。

その後、来場者のみなさんとの質疑応答タイムへ。

来場者:澤さんは普段どんなふうにインプットしていますか?

:僕は年に300回近くプレゼンをしていて、そのたびに来場者から質問をいただいています。これは僕にとって上質なインプットです。質問された部分はもっとインプットの余地があるということ。そこから深めたいテーマが見つかります。

来場者:少しグレてみるというお話、とても共感しました! 会社のものさしに縛られて働きすぎている友人にアドバイスしたいのですが、よい方法はありますか。

:大事なのは、他人を変えようとしても他人は変わらないということです。一番身近な親から「勉強しなさい」といわれても、やる気が上がらないのと同じ。ただし、自分から誘うのはアリ。自分が何かを楽しんでいる姿を見せるなど、人を変えるのではなくインバイトする。自分自身がロールモデルになって、フォロワーになってもらうのがいいですね。
あたりまえを疑え。
あたりまえを疑え。
澤円
セブン&アイ出版
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あたりまえを疑え。
あたりまえを疑え。
著者
澤円
出版社
セブン&アイ出版
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守隨さんのグラフィックレコーディングその1

浅田すぐるさん×西岡壱誠さん対談

つづいて、浅田すぐるさんと西岡壱誠さんとの対談へ。テーマは本から見つける「ヒラメキ」のタネ。

荒木:まずはお二人の著書のポイントを教えてください。

西岡 壱誠さん(以下、西岡):『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』では、偏差値35から東大に受かった僕の経験と、周囲の東大生の調査をもとに編み出した読書法をまとめています。彼らがなぜ地頭がいいのか? それは、必ずしも読解力が優れているからではなく、「能動的読書」をしているからなのです。

ところで、東大生は「一冊の本を何度も読む人」と「たくさんの本をどんどん読む人」のうち、どちらが多いと思いますか? 東大生100人のアンケートによると、前者63%、後者37%。「一冊の本を何度も読む人」のほうが多い。ポイントは、書評・感想・議論……など、読んだ本のアウトプットを必ずしているということです。


「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
西岡壱誠
東洋経済新報社
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「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
著者
西岡壱誠
出版社
東洋経済新報社
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浅田すぐるさん(以下、浅田):『紙1枚!独学法』(SBクリエイティブ)では、学びを定着させるためのカギは「目的の明確化」だと書きましたが、これは読書でも同じです。おすすめは、必ず「What?(要するに何がポイントか)」「Why?(なぜそれが大事なのか)」「How?(この本の学びをどう活かすか)」という3つの疑問をもつこと。このWhat?には、唯一の正解はありません。読書の目的によって答えはさまざまでいい。あえていうと、著者の主張を正確につかめなくても、目的達成につながればいい。西岡さんが「能動的読書」とおっしゃっていましたが、私のおすすめは、さらに攻めて「攻撃的読書」ですね。


紙1枚!独学法
紙1枚!独学法
浅田すぐる
SBクリエイティブ
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紙1枚!独学法
紙1枚!独学法
著者
浅田すぐる
出版社
SBクリエイティブ
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自分のためではなく、人のためにインプットする


荒木:お二人は、読書の事前準備としてどんなことをしていますか?



西岡:本文を読む前に表紙、帯、目次などから、できるだけ多くの情報を吸収するようにしています。「本について仮説をつくる」などと、30秒程度でできる準備を徹底すると、読解が変わってくるなと思います。

浅田:読書の目的があるときと無目的なときとで違います。目的が明確なときに意識しているのは、自分のためではなく、人のために読むこと。私は「働く」とは「傍を楽にする」ことだと思っているんですが、読書も同じスタンスです。自分のために読むと、内容を正しくつかめるかどうかを気にしてしまう。ですが、「この本は、あの人の課題解決に役立つかも」などと考えながら読むと、正解志向の読書を回避できる。しかも、そこで得た知見は、自分のなかに蓄積されていきます。



荒木:無目的に読む場合はどんな準備をしていますか。

浅田:無目的のほうが圧倒的に多いです(笑)。flier book salonのテーマ、「ヒラメキ」に近いんですが、エジソンの名言「天才とは、1%のヒラメキと99%の努力である」の努力とは、 perspiration(汗をかくこと)を意味します。つまり、読書でもとにかく量を増やすことが大事なんです。無目的の読書というのは、翻弄されて受け身に読むこととは違います。「あえて目的を設定しない」と選択してから読む、いわば「積極的受け身」の読書なんです。

アウトプット⇔インプットの循環を楽しむ


荒木:インプットやアウトプットを増やし、継続するためのコツは何ですか?

西岡:「アウトプットしよう!」と考えていると、インプットの質が上がります。人が賢くなるときはインプットをしている最中ではない。学んだことをかみくだいてアウトプットしようとしている最中なのだそうです。インプットとアウトプットの黄金比は3:7。7割にはアウトプットのための努力の過程も含まれると考えると、実現できそうな気がしませんか。

アウトプットには色々な方法があります。「この本から得た知識を明日からどう活かそうか?」と、具体的な目標をつくるのも1つ。「面白かった点を同僚に話してみる」のもいいですね。何より、アウトプット自体を楽しむことが、インプットとアウトプットの循環を継続するうえで大事です。

守隨さんのグラフィックレコーディングその2

第二部 要約を活用した読書ワークショップ


第二部の読書ワークショップは、フライヤーのユーザー体験シェアからスタート。その後、グループごとに印象的なエピソードの一部を、全体にシェアしていただきました。

・ブラウザから要約のPDFをダウンロードすると、スマホやパソコンで目が疲れたときに読みやすい。

・約2000作品ある要約のなかから、「疲れを解消したいときに読む本」など、テーマごとに要約をピックアップした特集記事が掲載されている。その記事で、読みたい本との出会いが増える。

・クライアントとの打ち合わせ前に、メンバーに「このテーマについてググってきてね」ではなく「フライヤーで調べてきてね」と伝えている。すると前提条件を高い水準でそろえて打ち合わせに臨むことができる。

・時事キーワードについてフライヤーで調べて、関連要約を読んでから商談に臨んでいる。その内容が相手に刺さって商談がうまくいった!

要約を活用した読書ワークショップ、スタート!


ワークショップで扱う書籍は、『ライフ・シフト』『学びを結果に変えるアウトプット大全』。いずれか興味のある本のチームに入り、次の論点を中心にディスカッションしていただきました。各グループの対話をリードしたのは、flier book laboのメンバーです
ライフ・シフト
ライフ・シフト
リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット,池村千秋(訳)
東洋経済新報社
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ライフ・シフト
ライフ・シフト
著者
リンダ・グラットン アンドリュー・スコット 池村千秋(訳)
出版社
東洋経済新報社
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(論点)人生100年時代では、3つの「見えない資産」となる生産性資産、活力資産、変身資産が大事になる。「見えない資産」を築くためにやっていること、できることは何か?
学びを結果に変える アウトプット大全
学びを結果に変える アウトプット大全
樺沢紫苑
サンクチュアリ出版
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学びを結果に変える アウトプット大全
学びを結果に変える アウトプット大全
著者
樺沢紫苑
出版社
サンクチュアリ出版
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(論点)インプット・アウトプット:の黄金比3:7を実現するためにできることは何か?




その後は印象的なトピックについて、グループごとの発表タイムへ。本当はすべてこの記事で紹介したいくらい濃密な意見ばかり。澤さん、浅田さんもフィードバックをくださいました。


『ライフ・シフト』のグループより
・人間的魅力を高めることが見えない資産を増やすことにつながる。

・自分の好きなことを周囲に「ポロっ」と伝えてみるほうがいい。そうしないと気づかれない。
→好きなことを話す時間が、飲み会の場だけでなく、職場で昼間にもとれているといい。また、「人生」という言葉が頻繁に使われている職場が理想的。僕自身、メンバーが人生を有意義に過ごせているかどうか尋ねるようにしてきた。by澤さん



『学びを結果に変えるアウトプット大全』のグループより
・日記を書いている人が多かった。今後はそこでの気づきを周囲の人に話してみようと思った。
→日記を書く最大の効果は自分を客観視できること。澤さんのおっしゃっていたBeingを知るきっかけになるし、自分の言葉に自信がもてるようになる。by浅田さん

・生きていること自体がアウトプット! 寝ることですら「良い睡眠をとろう」と思うだけで変わってくる。大事なのは日常生活での行動をどう意味づけるか。





最後に、フライヤー代表の大賀さんから、フライヤーの「これまで」と「これから」についてのスピーチをさせていただきました。



その後は懇親会へ。今日の講演・対談、ワークショップの感想を皮切りに、さまざまな話が飛び交う1時間。まさに本と人とつながる瞬間に立ち会いました。



登壇者のみなさま、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。そして、このイベントを一緒につくってきてくださったflier book laboのメンバー、来場いただいたみなさま、ありがとうございました! 本日の気づきや感想は、アウトプット第一弾として、#本と人とつながる のハッシュタグをつけてシェアしていただけると嬉しいです。

フライヤーでは今後もさまざまなイベントを開催予定です。開催スケジュールはフライヤーのTwitterFacebookをご覧ください。フライヤーのPeatixもフォローしてみてくださいね。

澤 円さん
圓窓代表。Voicyパーソナリティ。琉球大学客員教授。著書は『あたりまえを疑え。』(セブン&アイ出版)など。

浅田 すぐるさん
「1枚」ワークス株式会社・代表取締役。ビジネス書作家・社会人教育の専門家。著書は『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』(SBクリエイティブ)など。

西岡 壱誠さん
東京大学4年生。著書は『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など。

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文責:松尾 美里 (2019/11/05)

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