【イベントレポート】『スタートアップ・ウェイ』読書会
今話題の未来型読書法、アクティブ・ブック・ダイアローグの魅力とは?

シリコンバレーを起点にムーブメントを巻き起こし、世界で100万部のベストセラーとなった『リーン・スタートアップ』。著者エリック・リース氏が放つ待望の新著『スタートアップ・ウェイ』の日本版が5月末に発売されます(いずれも日経BP社)。

5月18日(金)、日本語版の発売に先駆けて、日経BP社出版局主催で『スタートアップ・ウェイ』を読む読書会が開催されました。読書会というと、「事前に課題図書を読み込んで参加」というイメージがあるかもしれません。ですが、今回の読書会がとるのは、未来型読書法アクティブ・ブック・ダイアローグ®(Active Book Dialogue 以下、ABD)という読書法。他の読書会とは一味も二味も違ったABDの魅力とは? 読書会の体験レポートをお届けします。

シリコンバレー発、新たなマネジメント手法「スタートアップ・ウェイ」とは?

まずは、『スタートアップ・ウェイ』の編集を手掛けた、日経BP社の中川ヒロミさんが、本書の魅力を紹介。『リーン・スタートアップ』『スタートアップ・ウェイ』の翻訳者、井口耕二さんもスペシャルゲストとして登場しました。

読者が選ぶビジネス書グランプリ2018では、『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』(アンドリュー・S・グローブ著)でマネジメント部門賞を受賞した中川ヒロミさん。
スタートアップ・ウェイは、井口さんご自身が会社員時代に感じていた課題意識とも大きくつながるテーマだったという。
ここで『スタートアップ・ウェイ』について簡単に紹介を。
活気に満ち、挑戦をいとわない組織でも、やがて人数が増えるにつれて、官僚的になり、衰退の一途をたどってしまう。こうした状況を防ぎ、不確実性が高い世界でも、組織が成長しつづける方法論、それが「スタートアップ・ウェイ」です。これは、スタートアップのためだけのものではありません。すばやく実験、失敗して改善をくり返すという「リーン・スタートアップ」を、伝統的な大企業に導入するための方法論でもあります。
どうすれば組織内にアントレプレナーシップをかき立てられるのか。この課題を抱える組織は、規模や業種を問わず増えているのでしょう。現に、読書会の参加者の中には、「新規事業でどうチームをマネジメントしたらいいのか、ヒントをもらいにきた」という方もいました。

★詳しくはこちら★

スタートアップ・ウェイ
スタートアップ・ウェイ
エリック・リース,井口耕二(訳)
日経BP社
スタートアップ・ウェイ
スタートアップ・ウェイ
著者
エリック・リース 井口耕二(訳)
出版社
日経BP社
リーン・スタートアップ
リーン・スタートアップ
エリック・リース,井口耕二(訳)
日経BP社
リーン・スタートアップ
リーン・スタートアップ
著者
エリック・リース 井口耕二(訳)
出版社
日経BP社

アクティブ・ブック・ダイアローグを体験!

いよいよアクティブ・ブック・ダイアローグ、スタートへ。ファシリテーターはABDをこれまで数多く運営されてきた小室勝裕さん。ABDをより効果的に、楽しく進めるための手順と、アドバイスを教わりました。


ABDとは、1冊の本を分担して読んで「サマリー(要約)」をつくる→プレゼンで共有する→気づきを深める対話をするというプロセスを通して、短時間で読みたい本を読める画期的な読書法です。

『スタートアップ・ウェイ』は約460ページの大著! もちろん最後までじっくり熟読したいけれど、「忙しくて時間がとれない。今まさにポイントが知りたいんだけど……」「積読(つんどく)だけは避けたい!」という方に、ABDはもってこい。
自分がまとめるのは1章分。残りは他の参加者のプレゼンを聞けるので、本の全体像を2時間程度でつかめます。

まずは、各テーブルに用意されていた、本書の1章分の原稿を読みます。「ここがポイントだな」と思った点を、A4の紙にマジックで記していきます。

『スタートアップ・ウェイ』の先行販売も行われていました。

注意点は、1章分を通読してからではなく、見出し1つ分読んだらすぐに要点を書くこと。キーワードを拾い集めて要約するのも良し、特に「ここだ!」と思った内容を書くのも良し。
読書タイムの進め方もさまざま。1章分を全員で読んでから、話し合って一緒にまとめていくグループもあれば、1章分をメンバーで各自分担して読み込み、最後に統合するというグループもありました。会場では、金曜の夜とは思えないほど、参加者の学習意欲がそこかしこでスパークしていました。



参加者のまとめ方、ポイントの見せ方も多種多様。中には、グラフィックレコーディングのように、図解を用いてビジュアルに訴えかける方もいました。「どうしたらこの章をまだ読んでいない人にも内容が伝わるか」を創意工夫する様子が伝わってきます。



私もサマリーを書いてみました。気づいたのは、普段フライヤーの要約を書くとき以上に、「後からプレゼンするから、このキーワードをちゃんと理解しておこう」といった意識が働くこと。これにより、頭がスッキリ整理され、「わかったつもり」になっていた点がクリアになるのでした。


書き終えた紙は、テープでつなげて壁に一斉に貼り出します。その後は、飲み物やピザを片手に歓談タイムへ。



頭をフル回転させた後はしばしのリラックスタイム。

いよいよ書き出した内容の「プレゼンリレー」がスタート。発表時間は1グループ2分。本書の「はじめに」から11章まで、全12グループがプレゼンに臨み、ハイタッチで次のメンバーへ交替していきます。
本が濃密すぎるので、「あれもこれも本当は説明したい!」という衝動をおさえるのにみんな必死です。プレゼンターの熱のこもったプレゼンに、つい立ち上がって見入る人が続出でした。

  

全てのプレゼンが終わったところで「ここが印象に残った」という点に各自直接、星マークをつけていきます。みんながどこに気づきを得たのか、はっとさせられたのかが可視化される瞬間です。最後に本日の振り返りをして、会はおひらきとなりました。


アクティブ・ブック・ダイアローグの「ここがすごい!」

これまで、イチオシの本の魅力をプレゼンし、どれが良かったかを競い合う「ビブリオバトル」や、おすすめの本を持ち寄り、対話形式で魅力を掘り下げる読書会など、色々な会に参加したり、時に周囲の人に呼び掛けて、カフェで「本おすすめ会」を開いたりしていました。どの読書スタイルにも魅力、効果を感じていますが、今回ABDを初めて体験して「ここがすごい!」と感じた点を3点紹介します。

【その1】本を読む際の、強力なトリガーを得られ、積読(つんどく)対策になる!
ABDでは、サマリーを見てプレゼンを聞くことで、その章の概要やポイントが頭に入ります。これが「トリガー」となり、実際の読書の際、どこがポイントなのかあたりがつくようになり、分厚い本でも短期間で読めるようになります。「あの内容をもっと知りたい」という気持ちが読書のモチベーションを高めてくれるので、積読対策にもピッタリ。
また、自分が担当した章はインプットとアウトプットが同時にできるので、記憶の定着度もアップします。みんなのサマリーを写真におさめておけば、後で「あぁ、あの章にはこんなことが書いてある」と、そのときの感動とともに振り返りやすくなることでしょう。

【その2】参加者同士で知恵や考えをシェアし合いながらお互いの思考を深められる!
本を読んでいると、「これはすごい!」と、つい話したくなるような気づきがありますよね。それをSNSなどで投稿するのももちろんよいですが、感動や学び、そのときの熱量をその場で参加者とすぐに共有できるのもABDの魅力です。「なぜそう思ったの?」「それを今の仕事で活かすには?」と質問し合えば、お互いの思考をさらに深められます。

【その3】みんなでともにつくりあげていく一体感が味わえる!
ABDの醍醐味は、本への興味という共通項をもちつつも、世代や立場を越えて参加者同士でつながりがつくれること。単に感想や気づきを述べ合うだけでなく、一緒にサマリーをつくり上げる中で、達成感や一体感が高まります。今後は読書だけでなく他の活動でも、「一緒につくる」というco-creation(コ・クリエーション)は、人生を豊かにするキーワードの1つになる気がしています。コ・クリエーション(共創)プロセスを使って地域や社会に「大転換」を起こそうとする取り組み「コクリ! プロジェクト」は、その端的な例ではないでしょうか。

読書会で知的好奇心が深まったところで、『スタートアップ・ウェイ』を読んでみることを強くおすすめします。その一助として要約も活用していただけたらこのうえなく嬉しいです。

スタートアップ・ウェイ
スタートアップ・ウェイ
エリック・リース,井口耕二(訳)
日経BP社
スタートアップ・ウェイ
スタートアップ・ウェイ
著者
エリック・リース 井口耕二(訳)
出版社
日経BP社
リーン・スタートアップ
リーン・スタートアップ
エリック・リース,井口耕二(訳)
日経BP社
リーン・スタートアップ
リーン・スタートアップ
著者
エリック・リース 井口耕二(訳)
出版社
日経BP社

『スタートアップ・ウェイ』のフェイスブックページでは、今後開催する読書会の情報や、読書会を開催される方のサポート情報を掲載するそうですので、ぜひご覧ください。

フライヤーでも、今後さまざまなイベントを開催予定です。よければフライヤーのFacebookページやフライヤーのPeatixをフォローしてみてくださいね。

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文責:松尾 美里 (2018/06/01)

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