【イベントレポート】
Waris×flier『LIFE SHIFT』読書ワークショップ
100年ライフを楽しむためにビジネスパーソンがとるべき人生戦略とは?

2017年3月10日、Waris、flier共催『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』読書ワークショップが開催されました。目玉は、「新しい働き方の専門家が読み解く『LIFE SHIFT』のポイント」というテーマでのパネルディスカッション、そして、「私自身のライフプラン」を考えるワークショップ。その一部をダイジェストで紹介します。

第1部:パネルディスカッション

充実した100年ライフを過ごすための指針として注目を集め、ビジネス書グランプリ2017で総合1位に輝いた『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)
ライフ・シフト
ライフ・シフト
著者
リンダ・グラットン アンドリュー・スコット 池村千秋(訳)
出版社
東洋経済新報社

イベントではフライヤーの要約をお配りし、『LIFE SHIFT』のエッセンスを簡単に紹介した後、パネルディスカッションの時間へ。スピーカーは、副業・パラレルキャリアの普及を目指し活動されている株式会社HARES(http://hares.jp) CEO・複業研究家 西村 創一朗さん、株式会社Waris(http://waris.co.jp)代表取締役 共同創業者 田中 美和さんです。
ライフ・シフトの体現者といえるお二人に、次の3つの問いを投げかけてみました。

問1:100年ライフを前向きに考えるためには、どのような発想の転換が必要か?
見えない資産の重要性を熱く語る西村 創一朗さん

会社員兼起業家、パラレルプレナーとして活躍されていた西村さんは、昨年12月に株式会社リクルートキャリアを退社され、独立されたばかり。前職の入社3年目から副業の形で、ブログの発信をスタートさせており、それが独立する際の大きな財産になったといいます。

「会社という枠組みにとらわれず、やりたいことを実現できるハコをつくろうというシンプルな思いから社外での活動としてブログを始めました。もともと自分の考えを発信するのが好きだったため、小さく始めて試行錯誤を続けるうちに読者が増えていったんです。副業で好きなことをやっていた経験が、本業で大変なときも心の支えになりましたし、周囲から仕事がどんどん舞い込んでくるきっかけになるなど、まさに『見えない資産』になりました。 100歳まで生きると聞いてもピンとこないかもしれません。ですが、これから生涯現役時代が当たり前になってくると、100年ライフを前向きにとらえて、will(やりたいこと)、can(できること)、want(役に立つこと)の3つの重なる部分をいかに増やしていくかという発想が求められるはず」(西村さん) 田中さんはWaris起業時にリンダ・グラットンさんの前著『WORK SHIFT』に強く背中を押されたといいます。 「日経ウーマンで様々な女性の取材をしていたときに、女性が年齢を重ねても生き生きと働き続けることが難しい現状にジレンマを感じていました。『もっと多様な選択肢を自由に選び取れる世の中にしたい』。そんな共通の願いを持ったメンバー3人でWarisの起業に至りました」

ワーク・シフト
ワーク・シフト
著者
リンダ・グラットン 池村千秋(訳)
出版社
プレジデント社

『LIFE SHIFT』にあるように、75歳くらいまで働く時代になると、フルタイムの正社員として突っ走るのは事実上難しい。だからこそ、フリーで働く時期を持つ人が増えてくる。田中さんはそんな確信を強めたといいます。

起業時の課題意識について語る田中 美和さん

「現在、幸福学の研究で有名な慶應義塾大学大学院の前野隆司先生とWarisとで『フリーランスという雇われない働き方は幸せなのか?』というテーマを掲げ、共同研究を行っています。調査から浮かび上がってきた興味深い事実は、満足度の高い人に関連性が見られる指標が、収入や稼働時間の多寡ではなく、『自分自身が描いた通りの人生を歩めているか』という点だったこと。つまり、西村さんのように、自分の強みや価値観を知って発揮することが、幸せな人生を送るための必須条件だといえます」(田中さん)

問2:企業の働き方改革、個人の働き方の多様化。この流れが望ましい形で、より加速していくために必要なことは?

長時間労働撲滅プロジェクトの発起人でもある西村さんは、働き方改革の課題について次のように語ります。 「働き方改革の主語が誰なのかという点に注意する必要があると思っています。今の議論では、労働基準法をどうするか、国が企業の長時間労働をどう取り締まるかといった、『働かせ方』にばかりフォーカスが当たってしまっています。もちろん、過労死の判定基準となる過労死ラインといった上限を設けることも必要ですが、個人が仕事を通じてどうなりたいのかについて言語化できることがより重要だと考えています。今後は、個々人が自由に使える可処分時間を増やして、誰にどんな価値を提供していくのかを考えていくべきでしょう。『LIFE SHIFT』に『レクリエーション(娯楽)からリクリエーション(再創造)』と書かれていたとおり、時間の消費を、副業やプロボノといった投資に変えていく視点が重要になるはずです」。(西村さん)

問3:「見えない資産」をどのように築いていくか?

『LIFE SHIFT』で提唱されている「見えない資産」とは、スキル、健康、家族や友人とのつながり、ステージの移行を後押しするような多様性に富んだ人的ネットワークといった資産のこと。スピーカーのお二人は、どのように「見えない資産」を築かれてきたのでしょうか? 「意識していたのは、会社の看板をはずしても、個人として価値を生み出せるような時間と場所を確保すること。会社員時代は、毎週5分ずつ早く帰って、帰りの通勤時間にブログを書くというマイルールをつくっていました。もちろん、発信の形はブログやSNSに限りません。友人に『こんな活動をしている』、『こんなことをやりたい』などと話していくことで、フィードバックがもらえます。それを取り入れてPDCAサイクルを回し続けることで、自分の活動がブラッシュアップされていきます」(西村さん)

「発信が見えない資産を築くのに役立つという点、私もその通りだと思います。Warisの共同創業メンバーに出会えたのも、やりたいことを会う人会う人に話していたおかげ。ある方が『願いが“叶う”というのは、口偏に十と書くでしょ? 文字通りそれだけたくさん自分の想いや願いを口にすることが大切なんだよ』とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと感じます。発信し続けることで、夢の実現をサポートしてくれる『人とのつながり』が生まれるはず」(田中さん)

お二人のお話に聞き入り、真剣にメモをとる参加者たち。その後の質疑応答や、ディスカッションの感想をシェアしあう「対話セッション」でも、積極的な発言が続出しました。

第2部:ワークショップ『私自身のライフプラン』

第2部は、参加者一人ひとりが自分自身のライフプランを描くワークショップの時間です。約60名の参加者が、『LIFE SHIFT』で描かれる100年ライフを実りあるものにするために、ビジネスパーソンがとるべき人生戦略についてともに考え、語り合いました。

ワークショップを設計し、モデレーターを務めたWaris蟻川 理香さん(右)

まずは個人ワークにて、「100年あったらやりたいこと、叶えたい願望」を書き出します。次に、数年後の自分、100歳の自分、その間の年齢の自分をイメージして、「100年ライフのシナリオ」を描きます。100年分を埋めるとなると、想像力に富んだ人でもかなり難しいですが、書く中で今後の生き方について考えるきっかけを得るのが今回の目標です。
みなさんの表情は真剣そのもの。時間ギリギリまでシートに書き込む参加者も多々おられました。

その後は、隣の人とペアになり、ワークシートの内容を共有し合いました。さらに、「そこに書かれてある状態を実現するためには、どんな見えない資産が役に立ちそうですか?」といった問いを投げかけ合って、内省を深めていきます。

意見交換の時間が足りないくらいに大盛り上がりを見せたワークショップ。参加者の方々からは、 「100歳の自分を考えることはなかなかないので、将来を見つめ直すいい機会になった」
「自分と異なる働き方をしている方の多さに衝撃を受けました。働き方について考える時間をつくって、今日の学びを日々の生活に活かしていきたいです」
といった感想を聞くことができました。

『LIFE SHIFT』の世界観に浸りながら、一人では得られない新たな気づきと発見に満ちたひとときとなったようです。参加者の皆さん、登壇者の皆さん、本当にありがとうございました!

◆主催

株式会社Warisとは… 知識・経験を活かしてプロとして自由に働きたい個人の皆様と、多様な人材の力を活かしてイノベーションを創出したい企業の皆様をサポートする各種サービスを展開しています。
https://waris.co.jp/

フライヤー flierとは… 「1冊10分で読める本の要約」をウェブサイト、アプリで展開するサービスです。最新のビジネス書から、小説、哲学思想の古典的名著まで、ビジネスパーソンが学んでおくべき知見を幅広くお届けしています。
https://www.flierinc.com/

フライヤーでは今後もさまざまなジャンルの読書会を開催予定です。開催スケジュールはフライヤーのFacebookページ(https://www.facebook.com/flierinc/)をご覧ください。
フライヤーのPeatix(http://flierinc.peatix.com/)もフォローしてみてくださいね。
次に登場するご本は何か、お楽しみに!

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文責:松尾 美里 (2017/03/21)
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