第2回 flier book labo オープントークセッション 【イベントレポート】

フライヤーが主催するオンラインコミュニティflier book labo。主なコンテンツとして、オンライン上で書籍について語り合う読書ワークショップ「LIVE」、さまざまな領域で活躍するパーソナリティがflierの要約をもとにご自身の経験や解釈、アイデアなどを語る音声コンテンツ「TALK」、そしてlabo会員の皆さんの自主企画による読書会「CLUB」があります。

そんなflier book laboの魅力を少しでも多くの方に味わっていただくためのランチタイムセッション。第1回に引き続き、2020年11月17日(月)の今回の無料オンラインセミナーも大盛況でした。ウェビナー形式で、500人ほどの方がご参加くださいました。

ゲストスピーカーはヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長で、2021年4月から武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長を務める伊藤羊一さん、ファシリテーターは株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリストの荒木博行さんです。本記事では、当日の様子を再構成してお届けします。

リーダーとは何か


荒木博行(以下、荒木):

羊一さんには、flier book laboの第1期パーソナリティとして、「Day1」から「Day8」の全8回にわたる「TALK」で16冊の本を紹介いただきました。




伊藤羊一さん(以下、伊藤):

「TALK」って、並べられた本でそのパーソナリティの方の生きざまみたいなものが見えてくると思うんですね。ぼく自身も自分が並べた本を見て、そうそうこういう生きざまだよねと感じました。ぼくの回では、いわゆるリーダーシップ論から始まって、自分の思い、潮流、生活、マネジメントといったテーマが反映された選書になっています。

荒木:

今回冒頭のアンケートで視聴者のみなさんに「あなたはリーダーですか」という質問を投げかけましたが、そもそもリーダーシップは「動体的」に捉えられるものですよね。いまリーダーかどうかというより、階段を上るという行為自体がリーダーというか。そこで羊一さんの「TALK」からキーワードに感じたのは、Lead the selfでした。このあたりについて、羊一さんの持論をお聞かせください。




伊藤:

あなたはリーダーですか、という問いに対して、職務として課長です、リードする人です、と答える方もいれば、リーダーねえと考え込んだ人もいたと思います。

リーダーはリードする人のことです。フォロワーを持っているのがリーダーだ、というようなことをドラッカーが言っていますが、ぼくはフォロワーがいることは必ずしもリーダーの条件にはならないと思うんです。

では何をリードするのか。人をリードするか、社会をリードするか。この2つはみなさんがリーダーをイメージするときに一番わかりやすいものです。たとえばLead the society、社会をリードするリーダー。キング牧師やライト兄弟みたいな人ですよね。社会を変えていく人です。でも社会変革は一人ではできないので、Lead the people、人びとを導く必要がある。

では、なぜ人はついてくるのでしょうか。たとえば、自分のチームのリーダーが、この商品を売りまくろうよと言ったとします。それをチームメンバーが「なんでですか?反対ですよ!」と言った時、「いや、だって、上がやれって言うからさ」と言ったらどうでしょう。これではみんな白けますよね。まずは自分がリードできていないと、人をリードしていくことなんてできないですよね。「ほらこれ、カメラ3つもついていてすごいんだ!」と、自分が熱狂する。それを繰り返しているうちに周囲の人も、この人がここまで言うなら仕方ないかとなってくる。そうしてLead the Peopleになっていく。自分をリードすることがなにより原点です。

だから、「あなたはリーダーですか」という問いは、自分をリードできていますか、自分で自分の人生を生きていますか、という問いだと改めて考えてみてください。ぼくが考えるリーダーシップは、まずはちゃんと自分の意思にもとづいて、自分の人生を生きようということなんです。

こうしたことはもともと、Day1で紹介した野田智義さんの『リーダーシップの旅』に書かれていることです。

リーダーシップの旅
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野田智義,金井壽宏
光文社
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著者
野田智義 金井壽宏
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荒木:

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の仕事は、まさに羊一さんがそうしたリーダーシップの精神を体現しているものですよね。

伊藤:

ぼくが大学生の時に感じていた「こうだったらいいな」という想いを積み重ねて形にしています。でも一人ではできないから、みんなの想いを合わせながらやっている。自分を、人を、社会をリードしてつくる仕事ですね。

荒木:

「TALK」のタイトルにある「常識破り」という言葉が意味するのは、「リーダー」は個人個人の定義、スタイルがあって、常識とかはないんだということだと思いました。

伊藤:

リーダー教育はいろんな会社にありますが、結局最後は「あなた次第」「あなたらしく」ということがリーダーシップの大前提です。一人一人違う。あなたの生きざま、心から思うこと、あなた自身をちゃんと出しましょう、と。


内省おじさんになる


伊藤:

今日こうしてぼくも想いをお話ししていますが、自分の原点になるのは、自分の譲れない想いなんですよね。そこがちゃんとしていると、自分の人生をしっかり考えて人を巻き込んでいくことができるんです。

荒木:

譲れない想いについては、私にはそんなのないな、みたいに躊躇しちゃう人もいると思いますが、そういう人には何を語りますか?

伊藤:

ぼく自身も「そんなものはない」状態から始まったんです。でも実は、みなさん、何かしら譲れない想いを持っている。想いそのものではなくて、種の状態で持っている人もいる。何かを表現したい、人の気持ちを大事にしたい、一生懸命生きたい、嘘をつかない。そういう想い。

あなたの好きなことはなんですかと質問すると、子どもです、サッカーです、楽器です、みたいに違う答えが返ってきます。なんで人それぞれ違うのかというと、みんな違う過去を歩いてきたから。自分が大事にしていること、好きなことの理由を考えていくと、必ず過去に遡る。

好きなことや、突き抜けたものがないという人もいますが、そんなもんですよ。じゃあどうするかというと、踏み出してみるんです。行動して喜ばれるうちに、自分の好きな気持ちが高まっていく。だから内省が大事です。なんで喜んでくれたんだろう、なんで失敗したんだろう、なんでうまくいったんだろうみたいなことを振り返る。

荒木:

羊一さんは内省おじさんなんですよね。内省の習慣がまたすさまじくて。

伊藤:

日々振り返りを習慣にしています。なんで内省おじさんになったのか。社会人5年目くらいは全然だめでメンタルもやられて、遅れをとった、追いつかなきゃと感じていました。そこで取り返すためには、同じ経験からみんなが10学ぶときに100学べばいいんだということに気づいたんです。そして100のことをひたすら振り返る。

安宅和人さんと話したとき、成長っていうのは振り返って気づいた数だよねということを彼も言っていました。ぼくもまったく同じ意見です。

振り返りのプロセスには3つあります。1つは言葉にすること。言葉にしている時点で俯瞰しています。次にSo Whatを考える。たとえばイチローが言った言葉に対して、自分にとってどう関係があるかを考えてみるんですよ。そうすると、いつやめてもいいようにやりきることが大事なんだ、みたいなメッセージとして受け取れるんだと気づく。3つめはそうした気づき(アハ)です。


落ち込んでも前を向け


荒木:

振り返りをしていると落ち込んでしまって、怖くてなかなかできないという方にはどう応えますか。

伊藤:

ぼくも毎回落ち込むんですよ。日々すごい自己嫌悪だし、絶望なんですよね。でも、そういう自分も大事にする。経験を学びにして、落ち込んでいてもがんばろうって考える。次のアクションに向けて前向きにモードチェンジしていく。

落ち込んだときにそれを解消するための習慣もあります。振り返ったあとに、散歩に行くんです。これは石川善樹さんが薦めてくれた方法ですね。それから瞑想。こちらは大嶋祥誉さんに教わった。そうしてネガティブな感情をすーっと消す。

生きていたら大体落ち込むんです。それは正常です。でも、そういうときに自分と向き合わないと世の中を浮遊しているだけになってしまう。振り返って気づいてもう一回やってみて、自分の意思で行動してみる。それがLead the selfだと思います。

荒木:

すごいと思うのは、45分の今回のトークセッションでも、羊一さんは話しながらリフレクションしているんですよね。時間単位の成長スピード、密度がとにかく濃い。

伊藤:

振り返り、気づきの回数世界一を目指しているんです。そのためにはこの瞬間もリフレクションしないと。

頭の中で常に考えながら行動しているんですね。自分の中で問いを立てて自分で答えていく。ぼくは世の中を平和にしたいし、幸せにしたい。でもそのためにはまだ自分の影響力が小さい。自分の影響力を大きくしていくためにはいいこと言わなくちゃいけない。だから、自分の成長スピードを上げていかないといけないんです。

荒木:

Lead the selfをしていくために、flier book laboという場にはどういう意味があるのでしょう?

伊藤:

いろんなみなさんの悩みも含め、もやもやを解決していくためには内省することが大事です。でも、それだけでは無限ループに陥って解決しない可能性がある。だから、人ともやもやについて話す、語り合うことが必要になってくるんですね。

flier book laboは、本をきっかけに語り合う場っていうのがいいんです。その本を勉強するというより、その切り口で人生を考えたらどうなるかについて、みんなで対話する場所です。内省と対話ができる場所。めっちゃいいと思います。


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flier book laboプランに登録すると、今回紹介した書籍の要約を含め、flierで公開されているすべての要約が読み放題になるだけでなく、「TALK」「LIVE」「CLUB」のコンテンツをお楽しみいただけます。この機会にぜひご利用ください。

「flier book labo オープントークセッション」は、今後も定期的に開催予定です。次回もお楽しみに!

伊藤羊一(いとう よういち)

ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長。株式会社ウェイウェイ代表取締役。2021年4月から武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長就任予定。

1967年、東京都に生まれる。東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行に入行。2003年、プラス株式会社に転じ、事業部門であるジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編などを担当し、2011年より執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括する。2015年にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行うだけでなく、グロービス経営大学院客員教授として教壇に立つほか、大手企業で様々な講演・研修を実施している。著書には、『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』『「わかってはいるけど動けない」人のための 0秒で動け』(ともにSBクリエイティブ)、『やりたいことなんて、なくていい。将来の不安と焦りがなくなるキャリア講義』(PHP研究所)などがある。

荒木博行(あらき ひろゆき)

株式会社学びデザイン 代表取締役社長、株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリスト、株式会社ニューズピックス NewsPicksエバンジェリスト、武蔵野大学教員就任予定。

著書に『藁を手に旅に出よう』(文藝春秋)『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑 これからの教養編』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界「倒産」図鑑』(日経BP)など。Voicy「荒木博行のbook cafe」毎朝放送中。

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文責:石田翼 (2020/11/25)

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