
第10回 flier book labo オープントークセッション 【イベントレポート】
無料オンラインセミナー、今回のゲストスピーカーは、フライヤーのオンラインサロン「flier book labo」第3期パーソナリティの一人であり、音声メディアや書籍、noteなどでの発信をはじめ、多彩な活躍をされている尾石晴(ワーママはる)さんです。
今回のオープントークセッションでは、株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリストの荒木博行さんのファシリテーションで、人生を切り拓くヒントについて、参加者のみなさんと一緒に考えました。本記事では、当日の様子を再構成してお届けします。
ライター・庄子結
今日のテーマは「人生を切り拓くヒントを探そう」。さまざまな肩書きを持つはるさんにとっては、2020年に会社を辞めたことが、ひとつのターニングポイントだったのではないかと想像します。そんなはるさんは、「最初の一歩をどう踏み出せばいいですか?」と聞かれたらどう答えますか?
尾石晴(ワーママはる)さん(以下、はる):自分の好奇心と向き合うことが、人生を切り拓くのではないかと思います。というのも、私自身、「会社で評価されるかどうか」「稼げるかどうか」などではなく、「おもしろいかどうか」という軸で選択してきたんですよね。おもしろいほうを選び続けてここにきた、という感じです。
荒木:すばらしいですね。「おもしろいこと」を選ぶなかで、他者や組織、家族などに対する「責任感」に邪魔をされたことはありませんでしたか? どうしたら責任感と好奇心を両立できるのでしょうか。
はる:私はトレードオフ思考なので、「責任感と好奇心のうち、どちらが自分のなかでより重いか」を考えます。その結果、責任を果たすことを選んだとしても、好奇心が消えるわけではありません。本当に好きなら、好奇心は続くはずですし、またご縁があるだろうと考えるようにしています。
会社を辞めるときは、責任感と好奇心の両立を模索しました。会社を辞めたいけど、家族のために果たすべき責任がある。具体的には、お金や保育園の問題ですね。好奇心を選びたかったからこそ、まずはそうした問題をクリアにするようにしました。
荒木:参加者の方から、「自分の好奇心に向き合うには、そのような環境を作る必要があるような気がしています」とコメントをいただきました。好奇心を満たすためにいきなりジャンプしたのではなく、まずは環境を整えるステップがあったということですね。
はる:その通りです。好奇心を満たしたいなら、そのために環境を整えることを労だと思わないはずですよね。
参加者の方のコメントに、「好奇心の賞味期限」という言葉がありました。行動に移そうと思っているうちに、好奇心が薄れてしまうこともありますよね。好奇心が湧き上がってきた、まさにそのタイミングで動くことの重要性に、あらためて気づかされたように思います。
はる:そうですよね。やりたいと思ったことに対する衝動は3日ほどしか続かないと、本で読んだことがあります。
ただ私は、好奇心が完全に消えてしまうというより、時を経て熟成する、発酵するというイメージでとらえています。10年後にまた別の形で顔を出したり。
荒木:本当にそうですね! かつて組織の中にいたとき、360度評価を受けていたんですが、「荒木さんは●●の仕事をしているとき、いきいきしていますよね」といったコメントをいただくことが多くありました。
「今じゃない」と、好奇心を押し殺しながら責任に向き合っていたのですが、自分のなかで熟成していく好奇心が透けて見えていたのかなと。そういう言葉を自分のなかに残しておくことも大切ですよね。きっと何かの折に役立ちますから。
はる:「今じゃない」という感覚、わかります。やってみたいけど、まだパズルのピースが集まっていないというか。
ちょっと話を変えるようですが、企業が成長する大事なポイントのひとつに、「外部環境と内部環境が整合していること」があります。これは個人のキャリアでも同じ。どれだけ優秀でも、適した環境にいないと、その能力は台無しになってしまいます。
だからこそ、自分の適した環境について考え、そこに身を置く努力をすることも、キャリアにおいては重要なことだろうと思います。はる:私も、“内”と”外”が一致することの重要性を感じています。成功されている方にその秘訣を聞くと、「運が良かっただけ」とおっしゃることがありますが、“外”にご自身を合わせにいく努力をされたのではないかなと。
荒木:お話をうかがっていると、はるさんは“内”と”外”が一致している状態に見えます。でも、現在に至るまでにはミスマッチもあったはず。今日のはるさんをつくった「最初の一歩」があったとすると、それはいつ、どんな行動だったのでしょうか。
はる:第2子の育休中、会社以外の場所で発言をしたこと、具体的にはブログを始めたことだと思います。それまでSNSで積極的に発信したことがなく、新卒からずっと同じ会社に勤めていたこともあって、「会社の評価=自分の評価」という感覚で生きてきました。
でも、会社という箱から出てみたことで、会社のなかではなく、一人の人間としてアウトプットすることの本当の意味がわかったような気がしたんです。そこから3年半ほどで、人生が大きく動きましたね。荒木:サードプレイスの重要性を実感するエピソードですね。パーソナリティを務めていただいたflier book laboは、サードプレイスとしていかがでしたか?
はる:本が好きな方や知的好奇心の高い方が集まっている、心理的安全性が担保された素敵な場所でした。パーソナリティの発信を楽しむだけでなく、誰かの書き込みを見てみたり、勇気を出して書き込んでみたりするだけでも思考が深まるだろうと思いました。「頭のスポーツジム」みたいな場所だといえばいいでしょうか。荒木:flier book laboのことをそんなふうに言ってくださってうれしいです。はるさん、今日はありがとうございました!
尾石晴(ワーママはる)
外資系メーカーにて16年間勤務。共働き、長時間労働、子持ち管理職、ワンオペ育児、ワーママを経験する中で日々葛藤し、2020年4月に会社員を卒業し、現在はサバティカルタイム(使用用途を決めない学びの休暇)中。
その経験の中で培ってきた時短術、習慣術、思考法、実践術を日々SNS(音声メディア「voicy」や「Twitter」「note」など)で発信。自分を主語にした、主体的な生き方を語る言葉が多くの人の心を動かしている。
『やめる時間術』(実業之日本社)『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)を上梓。
荒木博行(あらき ひろゆき)
株式会社学びデザイン 代表取締役社長、株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリスト、株式会社ニューズピックス NewsPicksエバンジェリスト、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 客員教員、武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所客員研究員、株式会社絵本ナビ社外監査役、株式会社NOKIOO スクラ事業アドバイザー。
著書に『藁を手に旅に出よう』(文藝春秋)『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑 これからの教養編』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界「倒産」図鑑』(日経BP)など。Voicy「荒木博行のbook cafe」毎朝放送中。