
【浅田すぐるの推し本】『エッセンシャル思考』
2020年5月からはじまりました、フライヤーが主催するオンラインコミュニティflier book labo。さまざまな地域、年齢、職種のメンバーが、書籍の要約から得た気づきや学びを語り合います。
コミュニティの目玉の一つに、オンライン上で書籍について語り合う読書ワークショップ「LIVE」があります。第9弾のゲストスピーカーは、「1枚」ワークス株式会社の代表取締役であり、作家・社会人教育のプロフェッショナルとして活躍されている浅田すぐるさんでした!
浅田さんがおすすめする一冊は、『エッセンシャル思考』(かんき出版)。自分が一番大事なものを見極め、それ以外の選択肢をうまく捨てて、本質的なものに力を注ぎ込む技術について説いた一冊です。
仕事に育児にと多忙な日々において、読書時間の確保が課題だという浅田さんに、この本の魅力をお聞きしました。
ライター・庄子結
『エッセンシャル思考』をオンライン読書会の課題書籍として取り上げたのは、「この本は思考法の本ではなく、実践の本である」という気づきを得てもらいたかったからです。
実際、多くの日本人読者が見落としがちな「原書のタイトル」に、このメッセージは埋め込まれています。Essentialism: The Disciplined Pursuit of Lessとなっていますよね。メインタイトルのEssentialismは、エッセンシャル「主義」「生き方」「ライフスタイル」といったようなニュアンスです。もちろん思考法は“Essentialism”の中核を成しているけれど、思考法以外の「実践」まで含めたすべてを含む言葉だと言えますね。
サブタイトルのThe Disciplined Pursuit of Lessは、「“より少なく”を追求する修練・自制・自らを律する」といったふうに訳せます。つまり本書は、日々悪戦苦闘しながら、“より少なく”を追い求めるライフスタイルについて書かれた本だということがわかります。
そうしたことを踏まえて本書を読めば、より「使える本」になるでしょう。机の上に置いておき、“より少ない”を実践したいときや、やるべきことが増えすぎてしまったとき、辞書的に手に取ってみてほしいなと思います。


本書のすばらしさは、著者の切実さが伝わってくるところにあります。「この状況をなんとかしたい」という強い気持ちが行間に反映されているかどうか。これが、同じ作家として私も大切にしている「読者に響く本の条件」です。
本書の著者であるグレッグ・マキューン氏は、お子さんが生まれた後、育児休暇をとれずに仕事に邁進したと述懐しています。「読者に同じ後悔をしてほしくない」という想いから本書を執筆したという話が冒頭にあり、仕事と仕事以外の優先順位が良くわからなくなってしまっている多くの現代ビジネスパーソンに、きっと響くだろうと感じました。
著者と同じような経験があったり、著者と同じ経験をしたくないと感じていたりする人ほど、本書の内容が切実に迫ってくるはずです。私も2児の父として、彼の気持ちに強く共感しました。
マキューン本人の造語ではありませんが、本書には「逆プロトタイプ」という言葉が登場します。これは、「本格的に撤廃する前に、簡単な形で試しにやめてみる」こと。
「なんでもとりあえずやってみよう」とは、ビジネスの現場でよく言われることですよね。一方、「とりあえずやめよう」と言われることはほとんどありません。
だからこそ「とりあえずやめてみよう」と積極的に口にしてみてはいかがでしょうか。折しも、新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の事態が起きており、「何でもかんでも過去の延長線上でやる時代ではない」ということに議論の余地はありません。
これをチャンスととらえて、不要な会議や業務は、一度やめてみてはいかがでしょうか。復活させる必要のないものがたくさん見つかるはずです。
拙著『すべての知識を「20字」でまとめる紙1枚!独学法』の流儀に沿って、本書の内容を20字でまとめると、「思考より試行がエッセンシャリズムの鍵」といったところでしょうか。


浅田さんは2021年1月から、flier book laboで「紙1枚!仕事に活かす学び型」という音声コンテンツを配信してくださっています。今回のお話を伺って、自分にとって本当に大切なことに時間をかけられているか、一度立ち止まって考えてみたいと感じました。
『エッセンシャル思考』を通して、成果を最大にするためには何を捨て、何に注力すべきなのか、考えるきっかけとしていただければ幸いです。
LIVE第10弾以降も、さまざまなゲストスピーカーがおすすめの本を紹介してくださいます。お楽しみに!






浅田すぐる(あさだ すぐる)
「1枚」ワークス(株)代表取締役。作家・社会人教育の専門家。愛知県名古屋市出身。トヨタ自動車(株)入社後、海外営業部門に従事。同社の「紙1枚」仕事術を修得・実践。米国勤務などを経験したのち、6年目で同社のグローバル企業ウェブサイト管理業務を担当。企業サイトランキングで全業界を通じ日本一を獲得する。その後、(株)グロービスへの転職を経て、2012年に独立。
現在は、社会人教育の世界で、企業研修・講演等を多数実施。主な講義テーマは、“トヨタで学んだ、「紙1枚」書くだけのビジネスコミュニケーションカイゼン”。累計受講者数は10,000名以上。大企業・中小企業問わず、登壇実績多数。2017年には中国・広州にて海外企業研修を実現。2018年には、ルーツであるトヨタにて、パナソニック(株)との合同管理職研修にも登壇。また、独自の教育プログラムとして1年間のビジネスクール:「1枚」ワークスを開講。加えて、シーズン制のオンライン動画学習コミュニティ:「イチラボ」を主宰。いずれも日本全国だけでなく、海外からも受講者が集まる人気講座となっている。7年間配信し続けているメールマガジンは、読者数18,000人超。2015年からは、作家としてのキャリアもスタート。デビュー作は、『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』(サンマーク出版)。年間ビジネス書ランキング4位、海外5か国翻訳のベストセラー・ロングセラーに。著者累計は41万部超。全著作が2か国以上で翻訳されるなど高い実績を長年にわたり継続し、多くの反響を呼んでいる。
公式ホームページ:https:asadasuguru.com/
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