すべての知識を「20字」でまとめる

紙1枚!独学法

未読
紙1枚!独学法
すべての知識を「20字」でまとめる
紙1枚!独学法
未読
紙1枚!独学法
出版社
SBクリエイティブ

出版社ページへ

出版日
2018年11月21日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

本を読んだりセミナーに行ったりしても、そこで学んだことをすぐに忘れてしまう――これは多くの人に共通する悩みではないだろうか。本書は、この悩みを解決したい人にうってつけの一冊だ。

著者によると、学んだことを覚えておくためのカギは「目的の明確化」「思考整理」「端的な要約」にあるという。そのうえで本書では、著者オリジナルのフレームワークを使って「目的の明確化」「思考整理」「端的な要約」の3つのステップを踏んで学んだことを紙1枚にまとめていき、最終的に20字にアウトプットするメソッドが紹介される。そこに学んだことがぎゅっと凝縮されているから、その20字さえ記憶しておけばいいというわけだ。このメソッドは、本やセミナーから学んだことを覚えておきたいときだけでなく、それを誰かに伝えたいときにも役立つという。

本書を読み進めるうちに、その内容がするすると頭に入ってくることに驚くだろう。その秘密は「20字」にある。著者は、本書においてカギになる内容を、20字に要約して私たちに伝えてくれている。「現在は、『学び』が『消費』になっている時代」「『1枚』で、自己満足な働き方を改められる」などといった具合だ。本書を読み終わるころには自然と「20字に要約すること」のパワーを体感できているはずだ。

著者

浅田 すぐる(あさだ すぐる)
「1枚」ワークス株式会社 代表取締役。愛知県名古屋市出身。トヨタ自動車(株)入社後、海外営業部門に従事。米国勤務などを経験したのち、6年目で同社のグローバル企業ウェブサイト管理業務を担当。その後、(株)グロービスへの転職を経て、独立。現在はビジネスコミュニケーションをテーマにした企業研修・講演・コンサルティングなどを多数実施。受講者数は2018年10月時点で8500名以上。自社独自の教育プログラム“「伝わる」思考×「1枚」の型 1sheet Frame Works”という1年間のスクールプログラムは、日本全国から受講者が集まる人気講座となっている。デビュー作『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』(サンマーク出版)は、2015年年間ランク4位、世界5カ国翻訳のベストセラー・ロングセラーに。

本書の要点

  • 要点
    1
    学んだことを覚えておくためには、「目的の明確化」「思考整理」「端的な要約」がポイントとなる。
  • 要点
    2
    著者は「『20字』インプット学習法」をすすめる。緑・青・赤3色のカラーペンを使って、学んだ内容を紙1枚にまとめていき、最終的に「20字まとめ」を作成するという学習法だ。
  • 要点
    3
    仕事のための学習はすべて、他者貢献がゴールになるはずだ。誰かの悩みを解決するためには「『1枚』コントリビューション学習法」が有効である。

要約

なぜ、学んだ内容を忘れてしまうのか?

「目的の明確化」「思考整理」「要約」がカギ
SIphotography/gettyimages

あなたはこれまでに、本やセミナーなどに対して、「面白い」「感激した」などといった感想を抱いたことがあるだろうか。あるとしたら、それが具体的にどのような内容だったか、そこから何を学んだのか、どんなところに感動したのかを覚えているだろうか。きっと多くの人は、ほとんど覚えていないはずだ。

なぜこんなことが起きてしまうのか。著者によると、その理由は3つある。

1つめに、学習を「消費」ととらえているから。今やインターネットやテレビには学習に関するコンテンツが溢れている。その結果、学ぶことのハードルが低くなり、学ぶことの価値が落ちてしまっているのだ。この状況を打開するには、「消費」型の学習観を「投資」型に変えなければならない。そのカギは、学習の「目的の明確化」にある。

2つめに、学んだ内容を咀嚼していないから。著者や講師の言うことを鵜呑みにするのではなく、「思考整理」しながら学ばなければならない。

3つめに、学んだ内容を「短く要約」していないから。長すぎると、人はその内容を覚えていることができない。

「紙1枚」書くだけの「20字」インプット学習法

20字あれば、なんでも一言で言い表せる

学んだ内容を覚えておくためには、端的に要約することが重要だ。著者は「20字前後」にまとめることをすすめる。俳句も「五、七、五。」と句読点を入れれば20字だし、原稿用紙の1行も20字だ。20字あれば、伝えたい内容を表現することができる。

著者は、トヨタで働いていたときに要約力を身につけた。トヨタには、企画書や決裁書、稟議書から報告書、議事録にいたるまで、あらゆる書類をA4もしくはA3で1枚にまとめるという企業文化があった。各資料のフォーマットに枠が設けられており、その枠からはみ出して書くことはできない。この制約に縛られながら膨大な数の資料を作成し、上司から添削を受けるというサイクルを繰り返して、要約力を身につけることができたという。

枠という制約があることで、学習において重要な「思考整理」が促される。そしてその思考整理が、そのテーマの本質をつかむことにつながっていく。

「20字」インプット学習法のフレームワーク
stockce/gettyimages

20字でまとめる要約力、思考整理力を鍛えるには、トヨタの資料作成と同様に、「紙1枚」「枠」「テーマ」の縛りを設けて学習していくのが有効だ。

必要なのは、紙1枚と緑・青・赤3色のカラーペンだけ。紙のサイズはB5サイズ以上で、パソコンではなく紙に書くことをおすすめする。この紙に著者が提案するフレームワークを書き、テーマを決めて埋めていく。それが「『20字』インプット学習法」だ。

まず紙に、緑ペンでフレームワークを書き入れよう。左上には、日付とテーマを記入するフレームを用意する。たとえば自分が学びたいテーマについて本から知見を得る場合には、本のタイトルを記入しておく。

次に、その横に「P?」と書き、この本を読む目的を書き入れる。PはPurposeの頭文字だ。目的を書くことにより、目的達成に無関係な情報を切り捨てることができる。ここは重要なので、赤ペンで書こう。

「P?」の枠を埋めたら、その紙を横に置いて本を読み始める。読み方は自由だ。ただ、本を読みながら、先ほど書いた「P?」をチラチラ見るようにしよう。目的を忘れないようにするためだ。

本を読み終わったら、フレームワークの中段を埋める作業に移る。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2702/4134文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2019.03.08
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
やってはいけない7つの「悪い」習慣
やってはいけない7つの「悪い」習慣
デビッド・M・R・コヴィースティーブン・M・マーディクス野津智子(訳)
未読
伝達の整理学
伝達の整理学
外山滋比古
未読
精神科医が教える 良質読書
精神科医が教える 良質読書
名越康文
未読
一番伝わる説明の順番
一番伝わる説明の順番
田中耕比古
未読
伝わるしくみ
伝わるしくみ
山本高史
未読
行く先はいつも名著が教えてくれる
行く先はいつも名著が教えてくれる
秋満吉彦
未読
センスメイキング
センスメイキング
クリスチャン・マスビアウ齋藤栄一郎(訳)
未読
0から1をつくる
0から1をつくる
本橋麻里
未読
法人導入をお考えのお客様