半年で700冊読む社員も! 琉球銀行の「1冊10分で読める要約サイトflier」活用術

「銀行員=保守的」というイメージが強いなか、銀行とは思えないほど自由闊達な企業風土で知られるのが琉球銀行です。同行の営業統括部・メディア戦略室室長である伊禮真(いれい まこと)さんは、保守的な企業体質を変えるべく、「パートを含めた全社員へのiPhoneの配布」「Workplaceの導入」「本の要約サイト・flier(フライヤー)の導入」など、数々の革新的な取り組みに関わってきました。なぜそれら施策を取り入れることになったのか。また、取り入れたことで、琉球銀行の企業風土がどう変わっていったのかについて伺いました。

ビジネスマンの最強の情報収集は“本”である

琉球銀行は画期的な取り組みが多い企業として注目されていますが、その取り組みの意図とはどのようなものなのでしょうか。

伊禮真さん(以下、伊禮): 銀行では今だに「SNSは悪」と思われていたり、銀行の常識と社会の常識にはズレが生じています。それにより、一般社会との情報格差や、コミュニケーション格差が生まれていることに、僕は問題意識を感じています。琉球銀行ではこの差を埋めるために様々な取り組みを行っており、そのひとつが「flier」の導入でした。

本の要約サイトflierですね。flierを導入しようと思った理由はなんだったんでしょうか。

伊禮: 僕は、 ビジネスマンが情報収集をしたり、知識量を増やす上で、一番の方法は読書だと思っています 。今はWEBもありますけど、やはり深い情報は本です。みんなと同じようにネットニュースやSNSの情報ばかりを見ているようでは、よいアイデアや意見は生まれない。会議においても、深い情報の有無で議論の質が全く変わってきます。 流れている情報を見るのではなく、自分自身で情報を取りにいくことが大切で、人と違う情報を取るからこそ価値があると思うんです。 それをできるのが読書なんですよね。実際、僕自身も月に1万円以上は本を買っています(笑)。

ただ、実際には忙しくて、本を1冊も読む時間がない人も多い。そこで、1冊の本の要約が掲載されているflierなら、短時間でその本のポイントを抑えられて有益なのでは……と。 flierで要約を読んだだけでも、会議や営業での話題が全然違うと思うんです。 そういったことに役立つツールになればいいなと思い導入を決めました。

また、本を読まなくなっている行員に、本を読むきっかけを作りたかったという目的もあります。要約に触れることで自然と知的好奇心が刺激されるため、本を読む機会が増える効果も得られると考えています。

flier導入の決め手はどんな部分だったのでしょうか。

伊禮: 価格が割と手頃な点と、使いやすさが決め手でしたね。また、担当さんと話した際に、アプリの改善も積極的に行っている姿勢を感じ、そこも良いなと思ったポイントです。

全社員にiPhoneを支給。スキマ時間で気軽に読書

具体的に、社内ではflierをどういう風に使用されているのでしょうか。

伊禮: 琉球銀行では、正社員、パートさんを含めて約2,000人いますが、 パートさんから役員まで全員にiPhoneを支給しています。 flierのアプリはデフォルトで入れているのですが、琉球銀行ではFacebookが運営している企業向けSNSであるWorkplaceも導入していて、その中にflierを組み込んでいます。 スキマ時間で気軽に読めることがメリットですね。また、琉球銀行の営業マンはだいたい自動車移動。 flierには音声版があり、移動時間に流しながら聞くということもできます。 1冊の要約を15分で聴けます。

だいたいみなさんどのくらい利用されていますか。

伊禮: 平均1人15冊ほどの要約を読んでいる計算になります。 一番読んでいる人は、700冊ほど読んでいますね。 僕自身もスキマ時間を利用して、5か月で400冊ほど読みました。


直近で、会社全体で一番読まれていたのは加藤昌史さんの『10秒で人の心をつかむ話し方』(祥伝社)でした。2位は『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(日経BP社)。これは酒好きが多い沖縄ならではですよね(笑)。3位は『ドキュメント 金融庁vs.地銀 生き残る銀行はどこか』(光文社)。銀行員にとって、これは教科書みたいなものですね。

社員からは「最新ビジネストレンドにタッチできるので、営業先での話題が増えた」「要約を読むことで、アイデアが出てきた」「これを読んで実際に本を買った」という、ポジティブな声が多いです。

おすすめ本をWorkplaceで共有。コミュニケーションの活性化にも

flierを通じて、社内コミュニケーションの活性化などはありましたか。

伊禮:自分がおすすめする本の要約や感想を、Workplaceで共有しています。 「○○さんのおすすめ本」をポストしてみたりしたら、最近は若い行員たちも積極的にポストするようになってきて、盛り上がってきていますね。

同時に他人のおすすめ本や感想を通じて、さらに波及効果で本を読む人も増えています。やはり、自分の尊敬する先輩や、同僚がおすすめする本なら読んでみたいという気持ちになる人が多いんでしょうね。

目指すべきは、NHKの『週刊ブックレビュー』のように、おすすめの本を紹介して知識が共有される世界が僕のなかでの理想です。 SNSとflierを組み合わせることで、琉球銀行内での知識・知恵の交換が広がっていき、行員全体の「自ら学び、情報を咀嚼する力」が向上する ことに大きな魅力を感じています。この2つがなければ、ある人が持っている知識や知恵はその人個人が持っているままでしたから。

今後の課題や行ってみたい施策はありますか。

伊禮: 1人平均15冊読んでるといっても、まだ1冊も読んでいない方もいるので、全体的にどう底上げしていくのかという点です。全行員利用率100%にもっていくために、ジャストアイデアですが「支店対決読書率コンテスト」を実施したり、「この部署の人がよく読んでいるおすすめ本」を紹介したりとか、様々な施策を導入していきたいですね。 本を読む人が増えることで、社内は確実に活性化するはずですから。

銀行員のマインドセット改革

flierやWorkplaceなど、先進的なツールを積極的に導入している理由とは何なのでしょうか。

伊禮: 銀行員は皆、入行したら “銀行員”になってしまうんです。例えば、いまの世の中では「SNSやインターネットは便利な存在」として認識されていますが、銀行に就職したら、「SNSはリスクがあるから使うべきではない」と指導されます。結果、SNSをはじめとした新しいテクノロジーを使わなくなり、社会とのギャップがどんどん大きくなってしまいます。そんな状態で、お客様と同じ目線で話ができるわけがないし、良いサービスを提案できるわけがありません。 銀行員は閉ざされた世界に取り残されがちだからこそ、マインドセットを変えていく必要があると考えています。 そのために、いろいろなツールや施策を導入しています。

今後はflierやworkplaceを中心に、もっと活用度を高めて、お客様や社会に価値を還元していきたいですね。

本の要約サイト flier(フライヤー)の詳細はコチラ


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社会とのギャップを埋めるため、ツールの導入以外にどんな施策を取り入れているのでしょうか。

伊禮: 例えば、5年前から新人研修の一環として、沖縄のデパートの前の広場を貸し切って、新入社員がフラッシュモブでダンスを披露しています。「新入社員」と一言で言っても、それぞれ高卒、大学卒、短大卒と、実にプロフィールがバラバラ。このフラッシュモブを通じてチームビルディングをはかっています。あとは、リクルーティング的な側面もありますね。これを見て「琉球銀行は楽しそうだな」と思ってもらえればいいなと。

また、新しいテクノロジーはできるだけ積極的に導入するようにしています。たとえば“AR”です。全社員の名刺の裏に頭取就任のQRコードを載せ、「今日は頭取が来てます」といって、スマホから頭取がCGで登場してごあいさつをするARを見せたりしています。「これ、ARと言って『ポケモンGO』と同じ技術なんです」と切り出せば、話題も弾む。この「全員が社会とキャッチアップしている」ということが大切だと思っています。

時間も場所も関係なく、デバイスひとつで仕事ができる状態へ

昨今は働き方改革がどこの企業でも注目されていますが、御社ではどのような施策を取り入れてらっしゃるのでしょうか。

伊禮: 僕としては、 働き方改革は人事だけがやるものではないと思っています。 多くの企業では、働き方改革を単に労働時間の問題ととらえている印象がありますが、時間も場所も関係なく、デバイスひとつあれば仕事ができる環境を整えることが大事。「毎週水曜日は19時までに帰りましょう」というアナウンスをするのではなくて、これまでに 無駄な時間がかかっていた仕事を、よりスピード感をもってやるための施策こそが働き方改革 であると。仕組みやマインドセットを変えないといけないと思っています。

先ほど言ったように、琉球銀行ではパートさんも含めて全社員にiPhoneを渡し、Workplaceを導入しています。Workplaceはワークチャットもできるので、時と場所を選ばず、短期間でグループのアイデアをまとめたり、決裁を下ろしたりするのにはとても有効です。また、情報共有もしやすいので、社員同士の情報格差も減りました。そういった SNSやツールの積極的な活用により、働き方改革を促進しています。

新たなツールを取り入れても、なかなか社内で浸透しないことも多いですが、その障壁はどのようにしてクリアしたのでしょうか。

伊禮: 頭取本人もWorkplaceをはじめ、新たなツールを率先して使っている点は大きいですね。普通の企業だと役員決裁に非常に時間がかかると思うのですが、非常にスピードが早いです。先日も、琉球銀行創立70周年記念ビデオを作成したのですが、役員たちが全員国内外の各所に出張に出ていて、対面では決裁が取れない。そこで、Workplaceにグループを作って、「ご確認ください」と動画をポストしておくことで、その場でリアルタイムに修正指示や感想がもらえる。無駄な時間がありませんよね。そういう感覚で使っているので、だんだん銀行内のムードはよくなってきていると思います。



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文責:BizReach, Inc. (2018/09/22)
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