一生折れない自信は「思い込み」でつくれる
自信の土台となる「自己愛」の築き方

一生折れない自信は「思い込み」でつくれる

アチーブメント株式会社 代表取締役社長で『一生折れない自信のつくり方』(アチーブメント出版)の著者である青木 仁志さん。仕事で成果を出し、目標を実現するうえで欠かせない自信。青木さんは、折れない自信をつけるには「自己愛」を育てることがキーだといいます。では、どのように自信を身につけていけばいいのか。青木さんご自身の幼少期から、トップセールスを経てトレーナーとして活躍される現在までの経験をもとに、語っていただきました。

自信を形成する一歩は成功したかのように「思い込む」こと

── 『一生折れない自信のつくり方』を執筆しようと思った動機は何ですか。

一生折れない自信のつくり方 文庫版
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青木仁志 著
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青木仁志 著
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自信は自ら築くことができるということを、一人でも多くの方に伝えたかったからです。私は能力開発の世界に長年関わってきて、その人の人生は、「先天的な特質」、「家族や職場といった取り巻く環境からの影響」、そして「本人の選択」の3つの掛け算で決まるという考えに至りました。このうち本人の選択だけは自分の力で変えられる。

私は家が貧しかったこともあり、17歳のときに溶接工見習いからキャリアをスタートさせました。家柄も学歴もお金も、もちろんコネもない。極めつけに、自信が全くなかったのです。

ですが、やがてプロセールスの世界に身を置くことになり、「トップセールスになれる」と信じ、はい上がって、はい上がって、自信を形成してきた人生だったんですよね。

── 何もない状態から「トップセールスになれる」と信じ、自信を持つことができた背景にはどのような経緯があったのでしょうか。

自信というのは、実は過去の事実に対する「思い込み」なんだと気づいたことが影響しています。成功体験がなくても、あたかも成功したかのように「思い込む」ことで、自信を身につけることができる。それに気づかせてくれたのは、23歳の時に読んだナポレオン・ヒルの『成功哲学』という本でした。この本には「成功する前に成功したかのように取り組みなさい」と書かれています。

私は「トップセールスになれる」と毎日暗示をかけ、高い自己イメージを築いてきました。これは自信の有無にかかわらず持つことができる、いわば信念のようなもの。「できる」と思い込んで行動すると、良い結果がついてくる。たとえ失敗しても「大丈夫だ、次はできる」という思い込みのもとで行動を続けていくと、その努力が自然と結果に表れる。それが自信を生み、また新たな挑戦の原動力になって、「思い込み」が現実となっていく。だから折れない自信をつくり出す最初の一歩は「思い込み」なんです。

『成功哲学』のご本をバイブルに、自信を積み上げてきた青木さん。

逆に「自分はどうせ失敗ばかり」というように、過去の自分にマイナスのレッテルをはっている人がいるとします。すると、いくらアクセルを踏んでもサイドブレーキがかかって力を発揮できず、結局失敗につながってしまう。自信を得て成功をつかむには、プラスのレッテルをはり直すことが必要です。この思い込みをつくる技術を『一生折れない自信のつくり方』で数多く紹介してきました。例えば、失敗を乗り越えて成功した人の自伝を読むとか、自分との約束を守るといったようなことです。毎朝早起きをするとか、元気よく挨拶をするというような些細な約束でかまいません。これらを着実に実行に移すことで、自分の意思で決めたことを自力で実現できたという成功体験になり、自己イメージを高められるのです。

成功哲学
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ナポレオン・ヒル 著 田中 孝顕 翻訳
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ナポレオン・ヒル 著 田中 孝顕 翻訳
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新・完訳 成功哲学
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ナポレオン・ヒル 著 ロス・コーンウェル 編集 青木仁志(解題) その他 宮本喜一 翻訳
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ナポレオン・ヒル 著 ロス・コーンウェル 編集 青木仁志(解題) その他 宮本喜一 翻訳
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「自己愛」を育てることが「折れない自信」につながる

── 『親が読む子どものための一生折れない自信のつくり方』においては、自信を形成するには「自分はできる!」という思い込みのほかに「自己愛」が大事だと書かれていました。青木さんの考える自己愛とは何でしょうか。

親が読む子どものための一生折れない自信のつくり方
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青木仁志
アチーブメント出版
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親が読む子どものための一生折れない自信のつくり方
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青木仁志
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私の考える自己愛は、他人を自分と同じように大事に思いやる心のこと。「自己愛を大切に」というと、自分を甘やかす人が増える、とよく誤解されますが、自己愛と利己愛はまったくの別物です。利己愛は「自分さえよければいい」というエゴイズムのこと。一方、自己愛は、他人を大事にするために、まず自分を大切にしないといけないという考えがベースになっています。両親や祖先、恩師といった多くの人たちのおかげで、自分が生かされていることに気づき、感謝できるようになれば、自分が無条件に価値のある存在だと思える。これが私の考える自己愛です。

自己愛が育っていないと「自分なんて」とつい考えてしまいがちですが、それはこれまで支えてくれた人たちの存在に気づけていないから、と言ってよいでしょう。こうして「自分が価値ある存在なんだ」と気づくことが、自信の土台になるのです。

── そう感じられるようになるには、自分を認めてくれる存在が必要な気がします。青木さんの場合は、実のお母様との再会が大きく影響しているのでしょうか。

実の母との再会は、自己愛を育てるきっかけの一つにはなりましたね。3歳のとき、両親が離婚して生みの母親とは生き別れになっていました。そして義理の母親からは厳しく育てられ、当時はそのかかわりがつらく、17歳のとき北海道から東京へと家出をした。そんな中、家出を聞きつけた実の母が、東京の八王子市内をまわって、私を探し出してくれた。幼少期に実の母と過ごした期間は短かったのですが、「自分を探し出してくれた」という事実に対し、私は母親からの愛を実感しました。

「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」という格言がありますが、私が学んできた選択理論心理学の提唱者グラッサー博士はこうした言葉を残しています。「人は確かに過去の産物ではあるが、自らが選択しない限り、決して過去の犠牲者になることはない」。つまり、過去に何が起きたのかはそれほど重要ではなく、過去をどう解釈するかによって、自己イメージを後天的に変えられるのです。

── 過去の事実をどう解釈するかが大事なのですね。

そうです。ここで大事なのは「ゆるす」ということ。自分も他者もゆるさないと、過去の出来事の負の面にばかり目を向けて、過去の犠牲者になってしまう。たとえ自己愛が形成された経験がなくても、それにとらわれず、自分と他人をゆるすことで過去を前向きにとらえられる。そうすれば、私のような生い立ちでも、小さな成功体験を積み上げて、折れない自信を手にできるのです。

「ものすごく努力をして何かを成し遂げた経験があるか」

── 青木さんのように幼少期の経験を前向きに受け止め、折れない自信を手にした人と、そうでない人との差は何だとお考えですか。

自信が持てないという人の話を聞いていると、自分なりにものすごく努力をして何かを成し遂げたという経験がないケースが多いように感じます。誰もが羨むような華々しい実績を上げてきた有名人や、最難関と呼ばれる大学を卒業した学生でも、驚くほど自信のない方がおられました。おそらく彼らは、自分の限界に挑戦する気持ちで、時間と気力をつぎ込んできたという実感がないのでしょう。

精一杯の努力が何らかの形で報われれば、「やればできる」という自信につながります。そして努力の代償を払えば払うほど、報われたときに得られる自信も大きくなる。私はセールスをしていた時代に、普通の人がまずしないような失敗を山ほどしてきて、ものすごい代償を払ってきました。極端な表現ですが、「命を削ってきた」と言ってもいいかもしれません。でもだからこそ、うまくいかない人の気持ちもわかるし、失敗経験がトレーナーになってから活きている。

トレーナーになってから気づいたのは、真面目な人ほど自信を持ちづらいということ。彼らは失敗したときに反省にばかり傾いて、「自分なんてまだまだ」ととらえてしまう。ですが、失敗を単なるミスととらえるのではなく、「失敗から学びを得た自分は、前回よりうまくできるようになっている」というように、見方を変えてもらうことで、自信を形成する後押しをしています。

自分と同僚のメンタルダウンを防ぐためにできること

── 自信を育ててこられた人は、自分を鍛えることと、心身が崩れぬようケアしたり他者に助けを求めたりすることを両立できると思います。一方で、そうでない人は働きすぎた結果、心の健康を損なってしまうケースが多いのではないかと感じます。

今、長時間労働によるメンタルダウンが起こるのは、組織側の問題点として、従業員一人ひとりを人間として尊重することよりも、成果や売り上げを重視するあまり、長時間働くことを強制している、という点が挙げられます。一方、個人側に立ったとき、非常に大事になるのが「主体性」です。仕事に対してやらされ感をもつことなく、「この仕事が好き」という気持ちで取り組めているかどうか。そうでなければ、時にはノーと言う勇気も必要です。

── 心の健康を維持しながら主体的に働くには、どんな姿勢が必要なのでしょうか。

自分の心身の健康は自分で守らないといけないという大前提に気づくことです。人は、親や配偶者を大切にしようとしても、自分を大切にすることは後回しになりがち。ですが、本来は自分自身を大切にする責任がある。自分は人とのつながりの中で生かされている大事な存在なのですから。

何より、人間は不完全だということを忘れないでいてほしい。完璧でなくてはいけないという固定観念から抜け出せたら、自分の弱さも受け入れられるようになります。すると、心が打ち砕かれる前に人に「力になってほしい」と助けを求められるようになる。そして今度は、助けてくれた人に対して恩返しをしたい、誰かの力になりたい、という思いが湧いてくるんです。

── 職場にもしメンタルダウンになりそうな人がいるとしたら、どんな言葉をかければよいと思いますか。

職場においても大事なのは、互いに関心を示し合い、関心があることを確信しているという、親密な関係性を築くことです。これを選択理論では「関わり合いの内実」と呼びます。これを育むために、心のバランスが崩れそうになっている人に対して、「〇〇さんが頑張っていることは知っているし、感謝している。でも、もっと自然体でいいんだよ」と伝えるのです。「できること、できないことがあるのは誰もがそうだし、私はもっと〇〇さんのサポートがしたい。だからチームでやろうよ」と。

この「チームでやろうよ」という言葉は、人間関係をより強固にします。心が疲弊し、メンタルダウンに陥りかけたときは、どうしても職場と自分を切り離し、孤立感を深めてしまう。ですが、この言葉をかけてくれる人がいれば「自分はチームというつながりの中に生かされている」ことを実感できるのです。

あとは、定期的に職場で「心の花束」を贈り合えるとよいと思います。「〇〇さんはいつも前向きで、一緒に働いていて気持ちいい」というように、相手の良いところと感謝のメッセージを書くんです。それを職場のメンバーが自分以外の全員に一つずつ書いて、それを交換し合う。そうすると、受容されているという感覚が芽生えていく。誕生日を祝うなど、何かイベントを利用して、日頃の感謝や思っていることを伝え合う習慣があれば、承認欲求が満たされて、自分と他者を大事にできる余裕が生まれますから。

── 折れない自信を誰でも、いつからでも築けると気づくことができました。貴重なお話をありがとうございました。

一生折れない自信のつくり方 文庫版
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青木 仁志(あおき・さとし)

10代からプロセールスの世界に入り、国際教育企業ブリタニカ、国内人財開発コンサルティング企業を経て1987年、32歳でアチーブメント株式会社を設立、代表取締役社長に就任。自ら講師を務める公開講座『頂点への道』スタンダードコースは講座開講以来26年間で650回毎月連続開催、新規受講生は32, 491名を数え、国内屈指の公開研修となっている。

著書は、22万部のベストセラーとなった「一生折れない自信のつくり方」をはじめ、「一歩前に踏み出せる勇気の書 文庫版」、「松下幸之助に学んだ『人が育つ会社』のつくり方」、「成功への選択」など51冊。

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文責:松尾 美里 (2017/03/30)

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