自分を成長させる最強アイテム、PDCAノートとは?
1日たった5分でできる PDCAのコツ

「啓文堂書店ビジネス書大賞」は各出版社と啓文堂書店のジャンル担当の推薦により選定された候補作を、啓文堂書店全店で「候補作フェア」として一ヶ月間販売した中で、最も売上の多い作品に授与されます。2017年度 啓文堂書店ビジネス書大賞に見事輝いたのは、『自分を劇的に成長させる! PDCAノート』(フォレスト出版)。

著者の岡村拓朗さんは、外資系企業マネージャー職でもあり、社外では「あなたの未来を紡ぎ出す時短の仕組み化コンサルタント」としても活躍されています。

「PDCAサイクルを回して、より大きな成果を出したい。仕事を効率化したい」。こうした願いとは裏腹に、実際にPDCAを回せている人が少ないのはなぜなのか? PDCAをうまく回す秘訣を岡村さんにお聞きしました。

『自分を劇的に成長させる! PDCAノート』がベストセラーになったワケ

啓文堂書店ビジネス書大賞受賞おめでとうございます! 本書を執筆しようと思った理由は何でしたか。

自分を劇的に成長させる! PDCAノート
自分を劇的に成長させる! PDCAノート
著者
岡村拓朗 著
出版社
フォレスト出版
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「時短の仕組み化コンサルタント」としてセミナーやコンサルティングを行う中で、「PDCAサイクルというフレームを知っているのに、うまく活かせない」というビジネスパーソンが非常に多いと感じていました。それもそのはずで、新入社員のときにマナー研修はあっても、PDCA研修なんてものはないですし、上司からやり方を教わる機会はまずないですよね。

「PDCAサイクルを実践するのは実はとてもシンプルで、それによって目標達成ができるということを実感してほしい」という思いから著したのが本書です。読んで終わりではなく、とにかく行動に移して成果を出してもらいたい、と、実践しやすさにこだわって書きました。



本書は66,000部突破(2017年6月時点)とのこと。PDCAの本がたくさん世に出ている中で、本書が大きくヒットしている理由は何だとお考えですか。

PDCAというと、ビジネス書コーナーでは、トヨタのカイゼンのように生産管理の文脈で紹介された本や、マネジメント層向けの本が数多く並んでいます。ただ、これでは「わかったんだけど、自分の仕事にどうやって実際落とし込めばいいのだろうか」とか「行動に移すには難易度が高い」と悩んでいる方がいるはず。本書を選んでいただけているのは、本を読んで満足するのではなく、「実践できる・習慣化できる」というところまで求める読者が増えているからかもしれません。 本書のタイトルに「自分を劇的に成長させる」とあるように、本書の内容を365日毎日実践して成長に役立ててほしい、というメッセージに共感していただいたのかなと思っています。

そもそもなぜPDCAを回せないのか?

PDCAサイクルを実際に回せている人が少ない根本原因は何ですか。

原因は2つあると思っています。1つ目は、完璧にサイクルを回そうとするあまり、なかなか一歩を踏み出せていないから。まじめな方ほど時間をかけすぎて、PDCA=面倒なもの、という認識をもってしまいがち。 そこで一歩を踏み出すためのツールとして、「PDCAノート」で毎日PDCAを回すという方法を提案しています。

方眼ノートに4本線を引いて、Plan(計画)、Do(実行・実績)、Check(評価・気づき)、Action(改善策)を書き出すだけ。1日1ページで、所要時間は1回あたり5分。各項目は最初は箇条書きで全然かまいません。フレーム(枠組み)が用意されていれば、各項目に書き込むのは、頭を疲弊しない「作業」になります。方眼ノートとペンがあれば、いつでもどこでもできます。ノートのサイズは、A4サイズをおすすめしていますが、A4サイズは大きすぎると感じる方はA5サイズでも構わないんです。できない理由を持ち出さず、できそうなところからとにかく始めてみることが大切です。

あくまで一例ですが、打ち合わせに使うデイリーPDCAノートの場合、Goalを上段に明記し、打ち合わせ前のアジェンダをP、打ち合わせ結果をD、振り返りをD、得られた学びをAとして記しています。

こちらは岡村さんのデイリーPDCAノート。打ち合わせの内容もPDCAを使えばシンプルに構造化することができる。

書籍でご紹介したPDCAノートにはいくつか種類があります。1日ごとの「デイリーPDCAノート」、特定の目標にフォーカスした「目標達成PDCAノート」、そしてプロジェクトごとの「プロジェクトPDCAノート」、そして営業をされている方におすすめの「商談PDCAノート」です。全種類を使いこなす必要はなく、自分の目的に応じて使い分けていただければよいでしょう。

1回5分なら、私でもやれそうな気がしてきました! でも、なぜノートがよいのでしょうか。

ノートを使うメリットは、PDCAの内容をすべて一覧できること。実はPDCAノートという方法にたどり着くまでに、パソコンやデジタルガジェットで管理しようと色々試していたんです。ですが、入力するのに上下左右にスクロールしないといけないとか、振り返るにもパッと見で確認できないなど、手間がかかって定着しませんでした。

その点、ノートなら毎日開くたびに、「今日一日をどう過ごすか」という全体像が一枚の絵として、自然と目に入ってくる。振り返りもパラパラとめくれば目に入ってくる。この「見える化」の効果はかなり大きくて、何をやろうかと意識的に覚えようとしなくても、パッと目に入ってくるので自分の行動が変わっていきやすい。そして、手を動かして今日という一日をデザインすることを繰り返すことで、何より主体的に生きているという感覚をもてるようになるんです。

PDCAを回せない2つ目の原因は、PDCAを回す目的、つまりGoalを明確にできていないこと。そもそもこのPDCAサイクルを何のために回すのか。どんな結果を得たいのか。こうしたことを意識するために、PDCAノートの一番上にまずは今日のお題、Goalを書くんです。

だから本書では単なるPDCAではなく「G-PDCA」と紹介されていたんですね。

目的はあくまで結果を出してGoalに近づくことであって、PDCAはそのための方法論にすぎません。だからノートをきれいにまとめる必要はなくて。研修を受けてくださっている受講生が、私のノートを見て「こんなに雑に書いていいんですか?」と驚くこともありますよ(笑)

それはますます安心しました(笑)

そもそものGoalが明確になっているか?

PDCAノートを書く際、良い気づきが得られない、改善策が思いつかないときの対処法ってありますか。

例えば「この部屋で何か気づいたものは?」と聞かれても、答えに窮してしまいますよね。ですが「この部屋で白いものは何ですか」と聞かれたら、スイスイ答えられるはず。これは、どこにフォーカスすべきという着眼点が具体的になっているからなんです。だから改善策が思いつかないのなら、「そもそものGoalは何か」を自問自答して、原点に立ち戻るほうがいい。

また、Goalがあいまいだと良い気づきは生まれにくくなります。「仕事が忙しすぎるので自由な時間がほしい」とか「もっと有意義に過ごしたい」とか。じゃあ、その自由な時間で何がしたいのか。そもそもなぜ自由な時間がほしいのか。こんなふうに掘り下げていくと、本当に大事にしたいGoalが見えて、腑に落ちる瞬間がやってきます。だからGoalがきれいごと、抽象的なことしか言えないときは要注意ですね。

Pを「仮説」ととらえれば、鮮度は下がらない

不確実な要素が大きいプロジェクトだと、計画を練っている間に周囲の状況が変わってしまうおそれもあると思います。そうした状況に陥らずにうまくPDCAを回す秘訣は何でしょうか。

こういう問題が生じるのは、Pを経営中期計画のように壮大なものにとらえている可能性が高いですね。P=計画、と和訳されているため、そのような誤解が生じやすくなっているのかもしれません。 Pの鮮度を保つポイントは、Pをできるだけ小さくブレイクダウンしていくこと。私はPを「仮説」とも呼んでいます。なぜならPDCAにおけるPは、「やってみないと正しいかわからない」ものなので。仮説であれば、月に1回や週に1回ではなく毎日高速でPDCAを回すことができます。すると、Pが陳腐化する前にどんどん仮説検証をくり返せば、Pが現状に適した状態ものになるのです。

Pを「仮説」ととらえると、どんどん変えていいんだ、と思えますね。

PDCAを回せない部下にどう対処したらいい?

チームで働いているときに、PDCAを有効活用する方法はありますか。

PDCAノートを配布して共通言語をつくってみてはどうですか。営業チームで毎週ミーティングをしているなら、その場で全員PDCAノートを広げて、各自の一週間分のPDCAを共有してもらう。共有するフォーマットが同じなので、経験や年次を問わず、共通の土台で話せます。

チームでPDCAを共有するメリットは、CやAのレパートリーを、他のうまくいっているメンバーから学べること。PDCAをうまく回せない部下がいたら、フィードバックし合うよう促すのも手ですね。

部下には「改善したこと」を書き留めてもらい、過去のノートを1カ月に1度くらいの頻度でもいいので、振り返ってもらうとよいでしょう。すると部下は「半年前は4時間かかっていたパワーポイントの資料作成が今は1時間でできている」というように、達成できたことやスキルアップしたことがしっかりわかります。自分の手を動かして書いたものを目にすれば、自信につながりますよね。こうして自己成長のスイッチがONになり、自走型の部下が増えていくはずです。

フィードバックを促すことが大事なんですね。

PDCAが習慣化できれば、仕事のパフォーマンスを上げられるだけでなく、人生のビジョンを実現しやすくなります。人生で大事にしたいものは何かを常に問いながら、それに自分の行動がつながっているかを日々確かめていく。こうして人生のPDCAを回して、ありたい状態に近づけるようになってほしいですね。

私も早速PDCAノートをつくってみます。貴重なお話をありがとうございました!

自分を劇的に成長させる! PDCAノート
自分を劇的に成長させる! PDCAノート
著者
岡村拓朗 著
出版社
フォレスト出版
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プロフィール

岡村 拓朗

外資系企業マネージャー職でもあり、社外では「あなたの未来を紡ぎ出す時短の仕組み化コンサルタント」としても活動中のハイブリッドサラリーマン。

1972年生まれ。福岡県福岡市出身。

1995年大学卒業後、コンビニエンスストアチェーン本部へ入社。地方営業所勤務時代に現場で使われていた「仮説検証サイクル」からPDCA思考を叩き込まれる。本社販促部門への異動後は、業務改革プロジェクトでは20代で最年少リーダーに抜擢。全社レベルでPDCAを回していく販促の仕組みづくりに携わる。

2003年外資系ヘルスケア企業へ転職し、過労死ラインと呼ばれる月間残業80時間を超えた100時間以上の仕事漬けの毎日を送り、体重も10キロ以上激太りしてしまうが、PDCAノートをはじめとした独自の仕組み化のメソッドを使うことで業務効率化を実現し、年収2.3倍、残業ゼロ、13キロのダイエットを達成。仕事の成果の一例としては、キャンペーン実施回数を28倍に増やしながら、実施までの時間は5分の1、コストは3分の1で1億円を削減した革新的な販促システムの開発などがある。時短を実現するための仕組みづくりが得意分野。

2015年より会社公認で副業活動を開始。「仕事5倍速!実践会」を主宰し、PDCAノートの活用術をはじめとして、時間を創り出し、仕事の成果を出すためのコンサルティングと、人生の質を向上させるためのコーチングを組み合わせた「あなたの未来を紡ぎ出す時短の仕組み化コンサルタント」として積極的に活動している。

ブログ http://okamura-takuro.com/

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文責:松尾 美里 (2017/07/05)
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