リスナーと双方向でニュースを届ける The News Masters TOKYO
タケ小山さん、小尾渚沙アナ特別インタビュー

朝7時。東京・浜松町にある文化放送のスタジオでプロゴルファーのタケ小山さんの威勢のいい一声が響き渡る。今年4月から始まった新番組「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7時~9時)だ。
この番組は「聴く!ニュースビジネス誌」と銘打って、ニュースが今日使えるビジネスのヒントになるべく、毎日多彩なニュースマスター(解説者)やゲストを迎え、生放送でお送りしている。ターゲットは30~50代のビジネスパーソン。フライヤーもビジネス書の紹介コーナーで定期的にコラボしている。
今回は番組のパーソナリティであるタケ小山さん、アシスタントの小尾渚沙アナウンサーにお話を伺った。
リスナーの代弁者になることで双方向感が増す
── 番組が始まって半年が経ちましたが、朝は慣れましたか?
小尾アナ「毎日5時から原稿の読み合わせやネタ出しがあるんですが、タケさんは5時からテンションが高くって。本当に元気をいただいています」
タケ小山「ゴルファーなんで基本早起きなんですよね。目覚ましもかけているけど鳴ったことがありません」
小尾アナ「私は毎日3:20に起きています。この番組はTwitterやホームページにも写真がバンバン上がるので、メイクもしっかりやらないといけないんですよ(笑)」

── 番組用に普段からどのようなネタ集めをされていますか?
タケ小山「オープニングトークは台本もなく自分で考えているので、行きの車では常にニュースサイトをチェックしていますね。なるべく明るいニュースを選ぶようにしています。リスナーの言いたいことをズバッと代弁する、これが私の役目なんですね。オープニングトークは1分しかないので限られた時間の中でリスナーの共感を得られるかを意識しながら喋っています」
小尾アナ「気になるものにはどんどん首を突っ込んでいくようにしています。雑誌や新聞の記事が面白そうだったら写真を撮っておくとか。最近は今まで行ったことのないスポーツを観に行くのにハマっています。ラグビーとかアメフトとか。見たことあるかないかでコメントの中身も変わってくると思うんですよね」
── Twitterの連動にも驚きました。番組公式のTwitterだけでなく、タケさん本人も番組中にツイートされてますよね?
タケ小山「ヒマなんですよ、あ、嘘です(笑) これも新しい試みなんですが、リスナーと繋がっている証ですよね。一方的に喋っている訳じゃないよ、ってリスナーにアピールしています。やっぱり「タケ小山は俺たちの代弁者なんだ」と思ってもらわないと。番組で自分が発言したコメントがどんどんTwitterで流れていくってのも凄い世の中になったなと思いますね」
ニュースマスターはビジネス書のベストセラーを出されている方ばかり!
── ニュースの中には難しい内容のものも多いと思いますが、そういう時はどうされていますか?
小尾アナ「分からないことは分からないと言おうと心がけています。知ったかぶりをしたところで相槌でバレてしまいますしね(笑) 番組的にもそれでOKと言われていて、分からないことはニュースマスターに教えていただいています」
── ニュースマスターはビジネス書のベストセラーを多数出されている方ばかりですよね!
タケ小山「ニュースマスターの皆さんには大変刺激を受けています。台本は一応あるんですが、ニュースマスターの話をなるべく折りたくない。それが生のよさだし、LIVEだと思っています。池田純さん、入山章栄さん、楠木建さんなど本当に凄い顔ぶれですよ! 皆さんの引き出しの量に毎日ビックリしています。ビジネスマン的にも、ご自分の専門分野の方が出られている時は絶対聴くべき内容だと思います」












radikoタイムフリーで以前よりも発言に責任が伴うようになってきた
── 毎日生放送で物凄い緊張感の中番組を進められていると思いますが、緊張をほぐすコツはありますか?
タケ小山「緊張していても本番は来てしまうんですよね。私なりのやり方とすると、本番前に全てを決めてしまわないこと。何を言おうとか全ては決めず、ある程度余白を残しておく方が緊張しないと思いますね」
小尾アナ「私のモットーは“人生楽しんだもん勝ち”です。誰よりも番組を楽しんでやろうと思って臨んでいます。こういう方(ニュースマスター)にお会いできる機会なんてそうそうないと思って臨んでいると、憂鬱な日はないですね」
── 場を和ませるコツ、ゲストさんに安心して喋ってもらうコツなどはありますか?
小尾アナ「私は本番前にプライベートトークをするようにしています。「メガネ変えましたね」とか「今日のシャツ素敵ですね」とか。雰囲気づくりが重要かなと思っています」
タケ小山「トークが噛み合わないなと思う時は、ゲストさんの喋りたいネタをとにかくスムーズに喋っていただけるよう心がけています。逆に既定路線から外れた方が面白いゲストは、どんどん道を外していく。そういう時に今日イチのコメントが出たりするんですよね。あと、結論を言ってもらう時はモヤモヤした感じにはせず、万人に分かりやすいようになるべく1センテンスで喋ってもらう努力をしますね」

── リスナーに情報をわかりやすく伝えるために気をつけていることはありますか?
タケ小山「とにかく、短く易しく伝える、ということです。放送を聴き直して、日々反省してます。ここは早口だったな、他の言い方があったな、とか。残り時間が短い時に言いたいことをズバッと言うのは本当に難しいですね」
小尾アナ「失敗した時にこそ録音を聴かないとダメですね」
タケ小山「そう、出しっ放しはダメ。今は昔と違ってradikoのタイムフリーで録音が残っているので、以前以上に発言に責任が伴ってくると思うんですよね。リスナーとの接点も増えたけど、責任も増えたと思って喋っています」
小尾アナ「入社した時に上司に「小学2年生が目の前にいるのを想像しながら喋りなさい」と教わりました。ラジオは「ながら」で聴いている人が多いので、大切なことを言う前には一呼吸置いて喋っています。私は反省ノートをつけていまして、ビッシリ反省が書いてあります(笑)」
オススメの本と現代人の読書習慣について
── 心に残っている本を教えて下さい!

小尾アナ「『フランス人は年を取るほど美しい』(ドラ・トーザン著 大和書房)です。「くにまるジャパン」を担当していた頃に、著者さんがよくゲストで来られていて。日本人はアラサー、アラフォーとか年齢の話ばかりでよくないなと思っていたんです。この本には「ボルドーワインと同じく、女は時間を経ておいしくなる」と書いてあります。妻になってもママになってもずっと一人の女として生きていけるように勇気をくれるんです。心に余裕がなくなった時によく見返す本ですね。蛍光ペンで線まで引いてあります(笑)」
タケ小山「私も移動が多いのでよく本を読みます。オススメしたいのは『スカウト』(後藤正治著 講談社文庫)です。広島東洋カープが弱小球団時代にどうやって原石を見つけるか、スカウトの視線から描いた本です。眼力のある人って凄いですよね。目利きって重要だと思います。うわべだけ見ていてもダメで、どうやって原石を見分けられるか。ビジネスマンにもヒントがいっぱい詰まっていると思います」
── 現代人の読書習慣についてはどう思われますか?
小尾アナ「心を落ち着けたい時にはやはり本を読みますね」
タケ小山「ソロタイム(一人でいる時間)には本は最高だと思います。新幹線とか飛行機にはやはり本ですよ。時間がない人たちも多いと思いますが、そういう人たちにはフライヤーのようなサービスはいいと思いますよ。うちの番組のニュースマスターもベストセラーを書いている人ばかりです。人とは違う物の見方ができる人たちだからやはり本も売れるんだと思います。楠木さんの文春の連載(楠木建の「好き」と「嫌い」)も面白いもんなぁ」
── これからどんな人たちに番組を聴いてほしいですか?
小尾アナ「通勤中、音楽を聴いてらっしゃる方は多いと思いますが、ぜひradikoも聴いてほしいですね。凄く元気が出る番組だと思うので、一日のいいスタートに使ってほしいです」
タケ小山「ラジオリスナーのパイをもっと大きくしたいですね。この番組を聴きたくてラジオを聴き始めるという人が増えれば嬉しいです。本でいえば『火花』の時のように、新たな層の人たちが入ってくるのが理想。それが自分の使命だと思って毎日喋っています」

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文化放送「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7時~9時)
http://www.joqr.co.jp/nmt/
【パーソナリティ】タケ小山
【アシスタント】小尾渚沙アナウンサー
【ニュースマスター】
(月曜日)
7時台:清水俊宏(フジテレビ「ホウドウキョク」運営責任者)
8時台:名越康文(精神科医)
(火曜日)
7時台:モーリー・ロバートソン(国際ジャーナリスト/ミュージシャン)
8時台:宿輪純一(博士(経済学)/帝京大学経済学部教授)
(水曜日)
7時台:鈴木敏夫(文化放送報道スポーツセンター部長)
8時台:入山章栄(早稲田大学ビジネススクール准教授)
(木曜日)
7時台:橋詰邦弘(共同通信編集委員室長)※第1、第3木曜
上杉隆(メディアアナリスト)※第4木曜
8時台:池田純(株式会社横浜DeNAベイスターズ 前代表取締役社長)
(金曜日)
7時台:楠木建(経営学者/一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授)
8時台:崔真淑(マクロエコノミスト)
タケ小山
1964年、東京都八王子市生まれ。1987年、中央大学経済学部産業経済学科卒業。2009年、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科トップスポーツマネジメントコース修了。
小学2年生の時にゴルフを始める。当時は八王子リトルリーグに所属する野球少年で、中学時代も野球で体を動かすことに没頭。その傍らバンド活動もしていたが、高校時代に全米のプロゴルフツアーの放送をしていた「ビックイベントゴルフ」を見てゴルフ観が変わる。中央大学経済学部卒業後、蛇の目ミシン開発、蛇の目スポーツプラザ高尾の所属プロゴルファーとしてレッスン業務に携わる。その後、縁あってフロリダグレンリーフリゾートに所属プロとして渡米。ゴルフコースマネジメントからコース管理、フロント業務、レストラン経営などのリゾートコースの経営全般を学びながら、各地で試合に参戦。1996年からは解説業も兼務することに。その後、2007年に、18年間の米国での生活にピリオドを打ち、日本をベースに活動を始める。現在は、テレビ・ラジオ・出版などのメディアや、イベント・講演会など様々なジャンルで活動中。
小尾渚沙
1989年、千葉県千葉市生まれ。2012年、立教大学文学部卒業。
2012年に山陽放送にアナウンサーとして入社。2015年より文化放送のアナウンサー。現在の担当番組は「The News Masters TOKYO」、「近藤真彦 くるくるマッチ箱」など。