コロナ禍を支えた、「一番簡単な話し方の本」
言葉の力で周りの人も世間も明るくする

コロナ禍を支えた、「一番簡単な話し方の本」

「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」の結果が2月16日に発表となりました。今回で6回目となるグランプリで、特別賞「コロナ禍を支えたビジネス書」に輝いたのは、永松茂久さんの『人は話し方が9割』(すばる舎)です。

受賞を記念して、永松さんに本書の読みどころをお聞きしました。

目指したのは「一番簡単」な話し方の本

── 読者が選ぶビジネス書グランプリ2021 特別賞「コロナ禍を支えたビジネス書」の受賞、おめでとうございます! まずは受賞の感想をお聞かせください。

正直なところ、まさか選ばれるとは思っていなかったので、とにかくびっくりしました。本当に嬉しいですし、ありがたいかぎりです。

「コロナ禍を支えたビジネス書」と言っていただいて、改めて気合が入りました。この本を出したときはコロナ禍が来るなんてまるで思っていなかったのですが、出版社のみなさんや書店さんの想い、そしてコロナ禍で明らかになった読者の方の潜在的なニーズがすべてうまく噛み合った結果だと思います。

この本はもう、僕のものというよりも、僕のもとを離れて走っている本なんです。出版社のみなさんをはじめ、たくさんの方が本を届けるために動いてくださっていますし、読者の方からここまで反響をいただいたのは僕にとって初めてのことです。

人は話し方が9割
人は話し方が9割
永松茂久
すばる舎
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人は話し方が9割
人は話し方が9割
著者
永松茂久
出版社
すばる舎
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── 『人は話し方が9割』は、単なる話し方のノウハウではなく、もっと総合的な話す態度や心のあり方について大事にされているご本だと感じました。

そうですね、ノウハウ的なものについてはあえてカットしています。どんな人でも誰と話すかによって話し方は変わりますよね。大事な人にリラックスして話しているときって、みんなめちゃくちゃいい話をしてるんですよ。誰かを励まそうと一生懸命話している人の伝える力は、プロ顔負けです。そうやって熱意を込めて上手に話していたのに、マイクを向けられてみんなの前で話してくださいと言われたら、緊張で固まってしまう。これはテクニックではなく、メンタルの問題ですよ。だから、『人は話し方が9割』では話すうえでのメンタルや、話す相手への向き合い方をメインにしました。

── コロナショックをきっかけにコミュニケーションのやり方が変わっていく中でも、『人は話し方が9割』が支持されている理由はなんだと思いますか。

新型コロナウイルスが流行し始めた頃、人と人が会わなくなるから、もう話し方の本は求められなくなるだろうと思っていました。ところが、2020年2月、3月にも、『人は話し方が9割』を多くの方に買っていただいているんです。出版社の方によると、むしろ部数はどんどん増えているそうで。オンラインが主流になって、コミュニケーションの難しさに直面した方がたくさんいたようです。コロナショックで、むしろコミュニケーションへのニーズが高まったんですね。

そして、家にいて自分と向き合う時間が増えて、この期間に何か身につけるとしたらと考えたときに、多くの人の頭に浮かんだのが「コミュニケーション」だったという側面もあると思います。きっと、潜在的にあった悩みが、コロナショックをきっかけに表に出てきたんですね。このような読者の方自身も気づいていない悩みに対して、解決策を提示しようというのは、ビジネス書の一つの役割です。

それから、読者の方から「読みやすかった」という感想をいただくことが多いんです。これも今の時代には大事な要素なのだということを改めて学ばせていただきました。『人は話し方が9割』では、行間を余白も広めにとって、内容的には難しいものはバッサリ切ってしまっています。こうして読みやすさにこだわったことも読んでいただけた一因だと思います。

── この本自体も話し方にこだわっているんですね。イラストも交えてとてもわかりやすく書かれていました。

もう一つこだわったところは、話し方に関する本で、一番簡単な本になることです。誰でもやろうと思えばできるものに限定して書きました。たとえば褒めるときに「やっぱり」と 入れるとか、「正論は変化球で投げる」とかね。一般の読者の方にはできないようなものを入れても現実では使えません。だから、最初にちょっと意識さえすればできるはずだというものを選んでいます。

── たしかに、誰でもできそうだからこそ、人にも勧めやすい本だなと感じました。

出した後にびっくりしたんですけど、僕の本の中でもすごく口コミが多いんです。僕の読者は普段は男性が多いんですが、『人は話し方が9割』の場合は、途中から伸びてきた女性読者が口コミで広げてくれたんです。僕の場合は男性に寄りやすいので、文章を書くときに男女問わず受け入れられるかを考えることは重要な視点だと感じました。

── コロナショック以前も以後も、男女問わずに受け入れられる普遍性がある本だったということですね。

向き合ってくれた人をハッピーに、心をつなげる

── 永松さんご自身が、普段のコミュニケーションで心がけていらっしゃることはありますか。

向き合ってくれた相手が喜んでくれるように、相手がハッピーであるように、という想いがすべてです。リアクションなど、多少はテクニック的なこともやっているんですが、基本的には相手を思う心が一番大切です。相手の立場になって考えて言葉を選んだり、実際に向き合ってくれた相手に喜んでもらったり。

自分の言いたいことばかり言っていては、関係性が壊れてしまいます。特にSNSだと、失敗した人を「叩く」コミュニケーションがよく見られますよね。心を叩かれる、存在を叩かれるというのは、体への暴力と同じくらい、あるいはそれ以上に痛いはずです。こうした問題について、法改正を待つだけではなく、問題提起を行っていくのも大事なことだと思っています。

── 見ているだけでも辛くなるような叩かれ方をしている人がいますよね。

ネガティブな言葉は威力が強いから目立ってしまいますが、叩かれている人を見て辛い気持ちになっている人もたくさんいるはずです。そうした違和感を感じている人を巻き込んで、相手や世間がほんのちょっとでも心が軽くなって明るくなるような言葉が広がっていけばいいなと思っています。

相手との向き合い方が大切なのは大前提なのですが、話すことは言葉の集合であり、言葉選びも大切にしなければいけません。今、世の中が暗くなっていますが、その理由の一つとして、言葉のチョイスがネガティブになっていることがある気がするんです。だから、話し方と同時に、明るい言葉を広げようと、この本でも、前を向けるような言葉を意識しています。言葉や口調や話し方で世の中が暗くなっているのであれば、こちらが明るくなってしまえば世の中も明るくなるはずです。

── この本は、全体的なトーンが明るくて前向きですよね。こうしたところが、コロナ禍で多くの人を支えたのかもしれません。

『人は話し方が9割』は、長く読み継がれる、息の長い本になるのかなと思っています。この本を僕たちは『ハナキュー』という愛称で呼んでいるんですが、個人的な想いとしては、「まだ『ハナキュー』読んでないの?」というフレーズが流行るくらいに国民的な本になってくれればいいなと思います。

話し方の上達に特殊な技術は必要ないんですよね。僕たちは話のプロではありませんから、流暢に話せなくてもいいんです。コミュニケーションの最大の目的は、人と心をつなげることですから、「つながる」ことに意識を集中させた方がうまくいくんですよ。コミュニケーションが苦手だと思っている人と得意な人の差はほんのちょっとのこと、基本的で簡単なことを忠実にやっているかどうかだけです。そのベースは相手に対する思いやりですね。

── 最後に、読者の方にメッセージをお願いいたします。

まずは、読んでくださってありがとうございます。これを読んでくれた方のコミュニケーションライフが少しでもハッピーであるようにと願っています。

コミュニケーションに悩んでいる方には、悩み続ける前に一度読んでいただけましたら幸いです。春を迎える新入社員のみなさん、春から新しく部下や後輩ができる方にも、読んでもらえたら嬉しく思います。

人は話し方が9割
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永松茂久
すばる舎
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人は話し方が9割
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著者
永松茂久
出版社
すばる舎
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永松茂久(ながまつ しげひさ)

株式会社人財育成JAPAN 代表取締役。

永松塾主宰。知覧「ホタル館富屋食堂」特任館長。

大分県中津市生まれ。

2001年、わずか3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング陽なた家は、口コミだけで県外から毎年1万人を集める大繁盛店になる。

自身の経験をもとに体系化した「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施。

「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累計動員数は延べ45万人にのぼる。

2016年より、拠点を東京麻布に移し、現在は執筆だけではなく、次世代育成、出版コンサルティング、イベント主催、映像編集、ブランディングプロデュースなど数々の事業を展開する実業家である。

著作業では2020年、書籍の年間累計発行部数で65万部という記録を達成し、『人は話し方が9割』の単冊売り上げで年間ランキング1位を獲得(日販調べ、ビジネス書)。

著書に『在り方 自分の軸を持って生きるということ』(サンマーク出版)、『30代を無駄に生きるな』『20代を無難に生きるな』『影響力』『言葉は現実化する』『心の壁の壊し方』『男の条件』『人生に迷ったら知覧に行け』(きずな出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)など多数あり、累計発行部数は190万部を突破している。

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文責:池田友美 (2021/03/11)
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