フライヤーには、ビジネスに直接関係ない書籍の要約も掲載されている。それは「教養」としての価値が高い書籍である。
近年、文部科学省が大学のカリキュラムを実学寄りにしたことによる、「教養の地位低下」が話題となっている。しかし教養を身につけるとは、各分野の知の体系を学び、世界の本質を知ることである。そうするとこれまでにない新しい何かを生み出すことが可能となる。「すぐ役に立たない」教養こそが、ビジネスで一生使えるクリエィティブな道具となる。
あなたに「使える教養」を提案する。
池上彰が東京工業大学の学生に教えた日本人必須の「教養」。勉強に、ビジネスに、人生に、人間関係について、「教養」の重要性をわかりやすく池上節で解説。まずはこの一冊で自分の教養を再確認してはいかがだろうか?
眠っているとき、脳では凄いことが起きている
ペネロペ・ルイス,西田美緒子(訳)
インターシフト
寝ている間、脳は猛烈に働いている。それは、たんに疲れをとるといった消極的な働きではない。むしろ私たちの生活に欠かせない積極的な役割を担っていることが解明されつつある。「不要な情報、嫌な記憶の削除」「発想力や洞察力を高める」「気分の調整(!)」まで、とてもアクティブな役割だ。眠りと夢と記憶の秘密に迫る。
食べる人類誌
フェリペ・フェルナンデス=アルメスト,小田切勝子(訳)
早川書房
食べる人類誌
著者
フェリペ・フェルナンデス=アルメスト
小田切勝子(訳)
調理には様々な方法があるが、その中でも「火を使った調理」は特別扱いされている。「火を使った調理」は決まった時間に集団で食事するよう人類を導き、集団での食事は親交の場となるからである。つまり「火を使った調理」は社会を組織する方法であり、調理によって新しく専門的な役割が生まれ、楽しみや義務が共有されるようになる。世界的な歴史学者である著者が「8つの食の革命」を切り口に人類史を読み直す。
本書はコーランをアラビア語で正しく読み解ける程の見識のある著者が、経団連の経済人向けに講演したものが基になっており、平易な語り口でイスラム教徒の内面と文化の本質を語る。
宗教、法と倫理、精神性の3つの章より構成され、中東、アラブ諸国の現在に続く状況を理解する手助けとなる、本物の「深い入門書」。
国境なき医師団
レネー・C・フォックス,坂川雅子(訳)
みすず書房
人道支援とは、尋常ではない地域に「尋常な空間」を築くこと。
本書は医療社会学者のレネー・C・フォックスが、参与観察者として国境なき医師団を研究し、まとめた一冊。高潔な理想を掲げる一方で、理想を追求することから生じる誤解と不完全さに対し、常に自己批判的な眼差しを向け、討議を続ける、国境なき医師団の文化が描かれている。
「すぐに役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」という、有名な言葉がある。慶應義塾大学の学長を務めた小泉信三氏のものだ。
必要なのは何かに役に立つから学ぶのではなくて、「面白い」「興味がある」から学ぶことだ。あなたの知的好奇心を掻き立てられる本を、要約で探してみてはいかがだろうか?