キャリアをどう積み上げていくべきか――それは社会人にとって永遠のテーマといえるでしょう。
これまでは、自分のキャリアについてあまり能動的に考えなくてもよかったかもしれません。
しかしこれからは、万人が自分の未来をデザインしなければならない時代になっていくはずです。
ということで今回は、会社で生きのこるための一冊から、会社員でも起業でもない働き方をめざす一冊まで、キャリアに関するさまざまな話題書を集めてみました。
先日、ビジネス書グランプリ2017を受賞した『ライフ・シフト』と合わせてお読みいただき、みなさまのキャリアプラン作成の一助としていただければ幸いです。
戦力「内」通告
ダン・ラスト,武藤陽生(訳)
ハーパーコリンズ・ ジャパン
リストラの対象になる人とはどのような人なのでしょうか。
仕事をまじめにやっており、「自分は会社に貢献している」と感じている人にとって、リストラは一見無関係なことのように思えます。
しかし本書に登場する、リストラという憂き目にあったビジネスパーソンたちもまた、仕事をまじめにやっており、「自分は会社に貢献している」と感じている人たちなのでした。
本当に会社で生きのこるためのスキルは、一般的なビジネススキルとは異なります。
会社から戦力「内」通告を受けるための秘密、ここに詰まってます。
「このまま今の会社にいて本当にいいのか、自分のやりたいことは何なのだろうか」
そう自問自答している人は少なくないでしょう。
とくに、独立して活躍している人の姿を見ると、会社員でいることが、ともすれば「守り」の姿勢のように思えてくるものです。
ですが、本書の提示する「会社員」像は、一般的なそれとは大きく異なります。
社会を良くしていくため、戦略的に会社員であり続ける。
そういった生き方もあるのだと、おもわず頷かされる一冊です。
僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと
僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと
こちらは独立した著者が、「会社員時代にやっておくべきだったこと」を振り返った書籍です。
さして興味のなかった企業に入社し、自分なりの働く意義を見出すまでに苦しみ、がむしゃらに働いても会社からはいまいち評価されない――社会人時代にはそう感じていた著者でしたが、起業後「あのときこうすればよかった」という思いがいくつも浮かんできたそうです。
もちろん会社で成功することだけがすべてではありません。
しかしどのような道を選ぶにせよ、一度は組織で全力を尽くしてみるのも悪くはないのではないでしょうか。
本書を読めば、本気で会社人生に向き合いたくなるはずです。
「やりたいことがあるのに、会社ではそれが実現できない」
そう思う人に読んでほしい本がこちら。
本当にやりたいことをしながら、社会的評価も得るためには、それ相応の準備が必要です。
本書では、独立して自分らしい人生を送るために、どのような心構えが必要なのかをわかりやすく解説されています。
たんなる経済的成功だけを追い求めるのではなく、信頼やつながりを含めた「人生全体の総資産」を高めていくべきだという著者の信念は、独立を志す人たちのみならず、あらゆる人に響くメッセージではないでしょうか。
「会社員」も「独立・起業」もしっくりこない。
そんなあなたにぜひ読んでほしいのが本書です。
著者はこれからの働き方として、会社員、フリーランス、経営者といった職業形態にとらわれず、様々な働き口を自由に組み合わせる「モジュール型ワーキング」を提案します。
収入を確保することでリスクヘッジしつつ、やりたい仕事の機会を生み出していくためには具体的に何をすればいいのか。
本書では「第三の働き方」をするための戦略が、タイプ別にくわしく解説されています。
この本をキャリアの羅針盤とし、自分らしい働き方を模索してみてはいかがでしょう。