これからの時代を生き抜くための5冊。
すでに訪れている新時代に備えよう


シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉がバズワードとなった昨今。
たしかにテクノロジーの進歩はめざましく、私たちを取り巻く環境は近い将来、大きく変わることになるでしょう。
当然、それにともない、私たちの生き方も多かれ少なかれ刷新されることが予想されます。
そこで今回は、来るべき未来がどのようなものか、そしてそのなかで私たちはどう生きるべきかを示した、まさに「今だからこそ読むべき」書籍をご紹介いたします。
未来はけっして白地図ではなく、すでにその輪郭は浮かびあがっています。
それをつかむかどうかは、あなた次第です。


これからの「指針」が知りたいのなら、尋ねるべきは時代の最先端に立ち続けている人です。ということで、最初に紹介させていただくのがこちら。日本人ではじめて、イノベーションの震源地であるMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの所長となった伊藤氏が、その哲学を語り尽くしています。 本書を読めば、「権威より創発」「プッシュよりプル」「地図よりコンパス」「安全よりリスク」「従うより不服従」「理論より実践」「能力より多様性」「強さより回復力」「モノよりシステム」という9つの原則が、なぜこの時代において重要なのか、はっきりと理解できるようになるでしょう。 また、MITメディアラボでいま何が注目され研究されているのかを知るうえでも有用な一冊です。


「人工知能(AI)が人間の仕事を奪っていく」と言われてすでに数年が経過していますが、そもそも人工知能時代において、「地に足をつけた働き方」とはどのようなものなのでしょうか。 本書は、仕事を「営業・接客系」「製造系」「技術系」「事務・管理系」の4つに分類し、人間とAIはこれからどのように協働していけばいいのかを、ケース別にわかりやすく解説しています。人間がより楽しく働くための道筋が示されているため、読むだけでもワクワク感が高まってきます。 人工知能時代を生きるために何が必要なのかを知りたければ、本書をお読みいただければと思います。


こちらも副題に「2020年」と銘打たれておりますが、より日本の文脈にフォーカスが当てられた内容となっています。それもそのはず、本書は日本の未来を担う人々に向けて書かれた「応援歌」だからです。 東京五輪に向けて盛り上がりつつある日本ですが、東京五輪を境に日本の成長は翳りを見せるーーNewsPicksの編集長である著者はそう考えています。しかしそんな時代だからこそ、若手にとっては新たなステージを駆け上がるチャンス。変わりゆく日本を牽引するための心得とめざすべきリーダー像が描かれています。




最後は政治や行政の「これから」のあり方を示すものを。 本書は現役のカリフォルニア副知事によって書かれた、とにかくエキサイティングな一冊です。政府とテクノロジーの間の「溝」を埋めるために何をすべきなのかを指摘しつつ、実際に行動に移してみて、どういうフィードバックが得られたのかが端的に綴られています。 日本の行政システムのあり方を考えるうえで、本書の知見は大いに参考になるでしょう。機能不全の組織を変えるには、システムを変えるしかない。そう確信させてくれる一冊です。