
次のレベルアップをするために
桜咲く季節が今年もやってまいりました。新社会人はもちろんのこと、この時期に環境や立場が変わる方も多いのではないでしょうか。 新しい環境に身を置くと、どうしても覚えることが多くなるもの。ともすれば目の前の課題をこなしていくだけで、いっぱいいっぱいになってしまいがち。 とはいえ求められるスキルが流動化している現代社会において、小手先のテクニックだけではなく本質的なスキルを養うことが、これまで以上に重要になってくるのも確かでしょう。 「会社人」としてだけではなく「社会人」として生きるうえで、お読みいただきたい本をご紹介いたします。
ライター・石渡翔


いま注目すべき本として、チェックしておくべき一冊。ファクト(事実)が大切というのは盛んに言われることですが、本書を読むといかに自分がファクトを知らないか、思い知らされることになります。 ここで取り上げられているのは主に世界的な統計データであり、仕事のパフォーマンスに直結する類の本ではありません。 ですが「人間はこのようなバイアスをもつ生き物である」という認識を持つだけでも、自分の思考回路を切り替えるきっかけを与えてくれるはずです。 「これにはこういう印象があるけど、実際の数字はどうなっているのだろう?」という思考のクセを身につけるために。


ビジネスにおいて「数字化」「合理化」するクセは重要です。訓練なしにはなかなか身につきませんし、まずもって身につけるべきスキルといえるでしょう。 しかしその一方で、数字にあらわれないものを感じ取る力も、等しく重要ということを忘れないようにしたいものです。 物語(文脈)を読み解く力、そこから物語(文脈)を作り出す力が必要になってくる時代に、お読みいただきたい一冊です。


「成長」とはアウトプットの成果物に他なりません。読書などのインプットをいくらしたところで、結局アウトプットしない限りは自分の血肉になってくれないのですから(反省……)。 本書にはアウトプットの必要性や性質についてはもちろんのこと、アウトプットする際のコツが、きわめて具体的に述べられています。 各項目が見開きで完結しているので、肩肘張らずにスキマ時間を活用して気軽に読めるのもポイント。 自分に活を入れたいときに手に取る、栄養剤のような読み方がよいかと思われます。


どんなに栄養と水を与えたところで、地盤がしっかりしていなければ、植物は安定して成長することはできません。 そしてそれは人間も同じ。どれだけ努力をしていても、地盤がしっかりしていないと、いつか崩れてしまいます。 この地盤に当たるのが「マインドセット」。本書によれば、人間の能力は生まれつき固定されたものだと考える「硬直マインドセット」と、人間は成長しつづけられると考える「しなやかマインドセット」の2種類があるといいます。 どちらのマインドセットのほうが、自分の才能を最大限に生かせるかは、あえて言及するまでもないでしょう。 どうすれば「しなやかマインドセット」を養えるのかは、本書をご覧ください。


「ひとつのキャリアだけで人生を終える」ということが、珍しい時代になってきています。必然的に私たちは自分のキャリアプランについて、常に考え続けなければならなくなりました。 長寿化の進行や社会情勢の変化などを踏まえても、こうした傾向が今後も加速するのは明らかです。 目の前の仕事に全力で取り組みつつも、横のつながりを増やしつつ次の手を模索していく。 「遊び」と「戦略」の大切さを、あらためて教えてくれる一冊でした。