不測の時代を生き抜くための5冊
新型コロナウイルス禍における生き方


新型コロナウイルスの影響により、多くの人が自粛や自主隔離を余儀なくされています。肉体面・精神面への影響はもちろんのこと、社会的・経済的に甚大な被害が出ることも予想されます。さまざまな情報が錯綜するなか、いま何を信じればいいのか、この事態にどう立ち向かうべきなのか。
今回は「不測の時代を生き抜く」ことをテーマに、お読みいただきたい本を5冊リストアップしました。もちろん本を読んでもこの問題が解決するわけではありません。ですがどのように問題へ向き合うべきなのかを、本は教えてくれます。先人の叡智が、皆さまのお役に立つことを願って。


日本では昨年発売されて以降、またたく間にベストセラーとなり、読者が選ぶビジネス書グランプリ2020でも総合1位を獲得した一冊。すでにお読みになった方も多いのではないでしょうか。
いまこの本をあらためて推すのは、「事実にもとづいて考える」ことがかつてないほど重要な局面に、私たちがいるからです。人間には生まれ持ったバイアス(思い込み)があり、どうしても世界を誤って認識してしまうもの。そんなとき、私たちはどうやって現実と向き合うべきなのか。本書は単なるデータブックではなく、事実と向き合うためにあるべき姿を提示してくれます。


事実を認識するよう努めるのはきわめて重要なこと。ですが事実を伝えたからといって、相手の考えが変わるわけではありません。むしろ事実を伝えることで、かえって思い込みを強めてしまうことすらあります。
この本は、どうやったら他人の考えに影響を与えられるのかについて述べたものです。大切な人を説得したいとき、いくら理屈を並べ立てたとしても、かならずしもそれが効果的にいかないというのは、経験からもよくわかる話。人間がどのように情報を処理しているのかを知ることで、無益な会話や論争を避けることができるかもしれません。
そしてなにより、自分がどのように他人から影響を受けているのかを、あらためて考えさせてくれる本でもあります。事実を重視するべき局面だからこそ、読むべき一冊です。


人間の認知に特定のバイアス(思い込み)があることは明らか。ではどうやってその思い込みから脱出し、より賢く生きることができるのでしょうか。
本書では、思い込みに支配されないための52の思考法が紹介されています。新型コロナウイルスを始め、とりわけ非常時になると冷静な判断ができなくなるものですが、本書に書かれている思考法を実践するように心がけるだけでも、その後のアクションは変わってくるはず。
アリストテレスは、「賢人がめざすべきは、幸福を手に入れることではなく、不幸を避けることだ」と言いました。まさしく今こそ、そのときなのです。


「現代はVUCAの時代だ」と言われています。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)をつなぎ合わせた言葉。この言葉が指し示すように、もはや安定性は高嶺の花。これからはどんな変化に対しても対応し、新しいことを学び、馴染みのない状況下でも心の安定を保つ能力が求められます。
新型コロナウイルスをきっかけにして、今後多くの面で大きな変化が起きるでしょう。雇用やコミュニティのあり方が変わっていくのは言うまでもなく、テクノロジーや社会制度などのさまざまな部分で、急激な変化を実感するはずです。そんな状況に対し、ベストセラーとなった『サピエンス全史』『ホモ・デウス』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は何を思うのか。21世紀における21のレッスンがここにあります。


いま社会情勢は急激に変化しており、慣れない環境に直面している人も多いでしょう。「変化に備えよ」というのはわかっていても、そういう状況で平常心を保ち続けるのは難しいものです。そういうとき、どうすれば落ち着いた状態でいられるのでしょうか。
本書では、おだやかな人生を送るための93の知恵が紹介されています。どれも非常に実践的な学びであり、自分の心を整えたいときはもちろんのこと、大切な誰かを励ます際も、非常に役立つことでしょう。自宅勤務が続いて気が滅入ってしまったり、仕事や用事の都合上どうしても外出しなければならず不安に陥ったとき、あなたの助けになってくれる一冊です。