

脳トレブームが叫ばれて久しい現代、脳は依然謎多きフロンティアです。科学の発展により少しずつ解明が進むとともに、その成果を学習や読書、ビジネスに応用しようという取り組みが随所で見受けられます。今回はそんな脳にまつわる関連書5冊の要約を厳選してお届けします。 仕事の質や効率が思うように上がらないとお悩みの方、脳の仕組みを知り、使い方をちょっと変えるだけで一気に解消するかもしれません。あなたの脳、まだまだ伸び盛りです!


まずご紹介するのはスマートフォン全盛の現代社会に警鐘を鳴らす『スマホ脳』です。
地球上に現れてから99.9%の時間を狩猟・採集に費やしてきた人間は、脳もいまだに、外敵の襲来や食料不足といった脅威と隣り合わせだった当時に最適化したままと言われます。脳は、スマホを通じて知識や情報を得るとドーパミンを放出し、人類の祖先が新しい場所や環境を発見したときと同様に報酬システムを作動させます。このシステムによって人はスマホに依存するようになり、睡眠時間を削ったり、集中力を低下させたりといった弊害に苛まれるそうです。
文明の利器だからこそ、その有害性にもきちんと目を向け、理解しておくのに越したことはないでしょう。




次にご紹介するのはベストセラーになった『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』です。
脳細胞は赤ちゃんのときに最も多く、その後は加齢とともに減少していくと言います。本書は、似た働きをする脳細胞集団を「脳番地」と名付け、思考系、感情系、伝達系、理解系、運動系、聴覚系、視覚系、記憶系の8つに大別しています。脳番地同士がつながることで脳機能は強化されるといい、脳番地ごとの役割を理解し、脳を正しく鍛えようと呼び掛けています。
続編の『アタマがどんどん元気になる!! もっと脳の強化書2』は、人間の三大欲求である食欲、睡眠欲、性欲をはじめ、承認欲求や物欲など、脳の成長の原動力となる欲求に焦点を当てています。
いずれも要約がありますので、ぜひご覧ください。


次は脳のパフォーマンスを上げるために、神経科学の観点から迫った『BRAIN DRIVEN ブレインドリブン』をご紹介します。本書は、世界中の企業や教育の現場での実情を踏まえつつ、「モチベーション」「ストレス」「クリエイティビティ」という3テーマを考察しています。
モチベーションを高めるには、心を動かされる言葉や音楽を探し、それを思い浮かべるといった、自分なりの「やる気スイッチ」をつくろうと促しています。また、ストレスは脳にとって、受け取った情報の種類を伝えたり、記憶力を高めたり、物事を直感的に瞬時に判断したりする役割があると解説します。さらに、クリエイティビティを発揮する際は、身体イメージを脳内でシミュレーションし、感覚や他者の感情まで再現している可能性があるといった研究結果に触れています。
なんとなく集中できない、作業効率が上がらないとお困りの方におすすめの一冊です。


次は最新の脳科学に迫った『ニューロテクノロジー』です。『最新脳科学が未来のビジネスを生み出す』というサブタイトルの通り、脳科学にまつわる最新の知見とビジネスへの応用可能性が詳しく載っています。
例えば、脳の情報を読み取ってロボットアームや車椅子の機械を動かすといったシステム、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)は普及への期待が年々高まっています。さらに一段進み、脳情報の読み取り技術と、脳情報表現を変化させる書き込み技術が進化、融合すれば、BBI(ブレイン-ブレインインターフェース)のような言葉を介さないコミュニケーションも可能といった夢のある未来が語られています。
脳の仕組みが解明されるにつれ、顧客の消費行動などマーケティングへ応用しようとする試みは世界中で進んでいます。こうした技術が実用段階に入れば、日常生活や仕事のスタイルもまた違った形になるはずです。来るべき時代に備え、脳科学の最新情報をアップデートし続けましょう!


最後にご紹介するのは『デジタルで読む脳×紙の本で読む脳』。デジタル全盛の現代において、幼少期における紙の本の有用性を見つめ直そうと訴えています。
子どもに読む経験を定着させるには、物質的な「そこにある状態」の本に触れ、前のページに繰り返し戻れるという「物性」と「回帰性」が重要であると、電子書籍にはない特性を挙げています。本や印刷物との人間的・物理的な交流の大切さを強調するとともに、特に2歳以下はデジタル機器と接触させるのを控えるべきだと説きます。一方、3歳から5歳の子どもは、自身の想像力をはたらかせて夢中になれる時間を大切にしつつ、デジタル機器と徐々に接触し始めるとよいそう。デジタルと紙、両方の書籍との向き合い方を、心理学の研究結果も交えながら指南しています。
デジタルと紙をいかにうまく使い分けるか、書籍に限らず今後人類が直面する末永い課題ですね。