『ワイルドサイドをほっつき歩け』
NetGalley Japan


内容紹介
大ヒット作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に次ぐ、待望の最新エッセイ集早くも5刷10万部突破! ブレイディみかこの新たなる代表作の誕生
恋と離婚、失業と抵抗……。絶望してる暇はない。
人生という旅路をほっつき歩く中高年たちの気迫が胸を打つ!
笑いと涙の感動エッセイ21篇。
【あとがきより】
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で青竹のようにフレッシュな少年たちについて書きながら、そのまったく同じ時期に、人生の苦汁をたっぷり吸い過ぎてメンマのようになったおっさんたちについて書く作業は、複眼的に英国について考える機会になった。2冊の本は同じコインの両面である。


NetGalley会員レビュー
いま旬のブレイディみかこのエッセイ。
前作は、イギリスの子どもたちが格差社会で生き抜く『ぼくはイエローで、ホワイトでちょっとブルー』が新たな読後感を与えてくれ、愛すべき「子どもたち」に感動しました。
本書では、イギリスの主に労働者階級(トラディショナル・ワーキング・クラス)のベビーブーマー世代が、EU離脱を巡っての混乱をどう乗り切るのか。今回も期待を裏切らなかった! EU離脱の国民投票をどう理解してどう投票したか。数字をみただけではわからない街中の混乱や喧噪までが聞こえるように読み取れました。
また、最後に世代と階級の説明があり、更に深く現在のイギリスを理解しました。こんなに楽しく、EU離脱の現場を読める本は他にないと断言できます。愛すべき「おっさんたち」に、乾杯!
新潮社さんから出た単行本はこどもたちが主人公でしたが、こちらはいくつになってもやんちゃな心を持つ大人たちが登場するので、まるで自分の体験談のような感覚で読むことができて楽しかったです。
またブレイディさんの語り口がじめじめしていなくて、だけど読み手の核心をグサリとついてきてどの章もハッとさせられました。
“人が人をバッシングしだす時は社会全体に余裕がない時”という言葉は今だからこそ特に心に刺さりました。店頭で販売できるのを楽しみに待っています。
ブレイディみかこは、おじさんを描かせてもすごい!!
保育士だったことや、『ぼくイエ』が大反響を呼んだことで、「幼児や子どもを描くノンフィクション作家」というイメージを彼女にお持ちの方もいらっしゃるかと思います。しかし本作に登場するのはおじさん、おじさん、時々おばさん。描写の対象が変わろうとも、地べたから世界を切り取る手腕は相変わらずピカイチです。
第1章ではイギリスの友人や知人たちのエピソードから、イギリスの今が立ち上がってきます。様々なエピソードが取り上げられていますが、ブレグジットがある夫婦にもたらした変化がとても興味深かったです。
第2章は解説編。データや参考文献を引きながら、現代イギリスの世代などを解説されています。ここで“酒”事情の解説が入るところがブレイディさんらしいですね。
面白かったです!
ブレイディみかこさんの作品は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に続いて二作目。EU離脱等、日本で暮らす自分にはニュースの中だけのものでしたが、イギリスではこんな感じなんだと自然に入ってきました。勉強になりました。イギリスの中年達が、著者の目を通して愛すべきおっさん達というふうに描かれていて、笑ったり目頭が熱くなったりしながら楽しく読めました。
短く1話ずつ読めるので、隙間時間に気軽に読もうという気にさせてくれるのも良かったです。どんな時代も、どんな社会も、そこには一人ひとりの人間が生きている!
不謹慎かと思いつつも、このコロナ渦が収束したのちに、ブレイディみかこさんが今のこの時を描いたものを読んでみたいなぁ、なんて思いました。
なかなか伺い知ることのできない、イギリス、ブライトンの労働者階級の中高年の日常。ジェネレーションギャップやEU離脱投票をめぐる対立など、面白くわかりやすく書かれていて秀逸。
著者の色々なところで色々な仕事をし、時に差別されても、辛抱強く相手の懐に飛び込むバイタリティが凄い! 人間が生きていくには、コミュニティの中で、助け合わなくてはならないのだなぁと思った。
登場するおっさん達がとても人間らしくて、妙に親近感が湧いてしまう。気付いたら一緒になってクスッと笑ったり、ときにはホロリとしたり……。読み終わったときには、おっさんへの愛おしさが確実にこみ上げる。
「『おっさん=悪』という風潮は有害」と著者が言っていたけど、本当にその通りだなと。本書からその思いがきちんと受け取れました。
『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』と『ワイルドサイドをほっつき歩け』は同じコインの表と裏だという。前著を読んだなら、本書も読まないわけにはいかないだろう。
本書は、とびっきり贅沢なおっさん評伝である。「労働者階級のクソガキとしてワイルドサイドを歩いていた彼らは、いったいどのようなおっさんになり、何を考えながら人生の黄昏期を歩いているのだろうか」とブレイディみかこ氏は考えた。幸いにも、ビール腹のおっさん、EU離脱派のおっさん、異国の若い女の子に恋しちゃったおっさん……ワイルドサイドをほっつき歩いているおっさんは、彼女の周りにたくさんいた。
英国の労働者階級の人々をこんなにも身近に感じられることが、いまだかつてあっただろうか、と思うくらい、時に爽快で、時にほろりと泣けるストーリーだった。特に、ブレグジットで混乱を極めた英国の様子や、緊縮財政で地べたの人々たちが受けた影響は、ニュースで見聞きするよりもリアリティを感じた。
第2章は、現在英国の世代、階級について。やはりここでもブレグジットや緊縮財政から見えてくる世代間格差、階級格差があると分かった。英国の酒事情は、日本と重なる部分も多いと思った。
なにはともあれ、おっさんたちは今日も懸命に生きている。パイントグラスを高く掲げて左右に体を揺らし、大声で歌う。
「Always look on the bright side of life(いつも人生のブライト・サイドを見ようよ)」!


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