大人におすすめしたい児童書 「ワンダー」と「もうひとつのワンダー」
【ほんをうえるプロジェクトのイチオシ】

ほんをうえるプロジェクト
ワンダー
ワンダー
著者
R・J・パラシオ/作 中井はるの/訳
出版社
ほるぷ出版
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もうひとつのワンダー
もうひとつのワンダー
著者
R・J・パラシオ/作 中井はるの/訳
出版社
ほるぷ出版
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子どもにはもちろん、大人にも読んで欲しい!と思う児童書があります。世界中で翻訳されて既に600万部をこえたベストセラー。おそらくこれから長く読み続けられていくだろう物語です。
ぱっと目をひく水色の表紙に男の子の顔。デフォルメされたそのイラストのように、主人公の男の子は、ふつうと違う顔をもって生まれました。手術を繰り返したその顔は見た人をはっとさせ、子どもは怖くて泣き出してしまいます。その主人公オギーが、はじめて通う事になった学校での出来事を描いた物語です。
この設定だけ書くと、とても重い内容を予想されるかもしれませんが、物語はユーモアたっぷりな語り口ではじまります。オギーは頭が良く遊び心もある楽しい性格で、ときには甘えたり怒ったりもするふつうの男の子。次第に友だちができ、裏切りや衝突を経験しながらも学校という社会で成長していきます。

『ワンダー』のすごいところは、とても感動できる良いお話だと胸をはってオススメできる内容でありながら、教訓めいたお説教くささはないところです。それは主人公オギーを中心にしながらも、周囲の様々な人物の視点に移り変わりながら物語が進んでいくから。友達や家族などの、きれいごとだけではない気持ちも描いているので、読む人それぞれ、違った人物に感情移入して読むことができ、そのことが一面的でない深い感動につながっているのだと思います。この物語は特別な誰かが頑張って困難を乗り越えるお話というだけでなく、ときに受け入れがたく感じる部分をもつ他人同士が、互いに模索して関係性を築いていくお話。そこにあるのは正しさの主張ではなく、親切心や想像力をもつこと、適切な距離感を図るといった柔らかな提案です。『ワンダー』は人間関係の教科書でもあるのではないかと思います。

今年発売になった『もうひとつのワンダー』は続編ですが、『ワンダー』のその後のお話ではなく、その時描かれなかった登場人物の視点の物語が3つ収録されています。ひとつは前作でオギーを苦しめたいじめっこ「ジュリアン」、ひとつは小さいときからずっとオギーのそばにいた幼馴染「クリストファー」、もうひとつはずっとオギーに親切にし、でもそれ以上には近づかなかった優等生「シャーロット」の物語。オギーの人生のそばで、それぞれの人生を生きていた3人の物語が生まれたことで、「ワンダー」の世界はより深く広くなり、より様々な人にとって自分自身の物語だと感じさせてくれるようになったのではないかと思います。是非、2冊合わせて読んでいただきたいです。

ほんをうえるプロジェクト 船田真喜

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

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公開日:2017/08/18
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