「東大の過去問を解いた!」という達成感、最高。
【ほんをうえるプロジェクトのイチオシ】

ほんをうえるプロジェクト
〈小説〉東大過去問・現代文
〈小説〉東大過去問・現代文
著者
川渕圭一/著
出版社
イースト・プレス
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みなさん、「読解力」に自信はありますか?「読解力」とは読んで字のごとく文章を読み解く力のこと。特に日本の学校教育においては書かれている文脈を把握することはもちろん、そこに込められた筆者の意図を理解する力、登場人物の感情を読み取る力という意味合いでも使われますね。学生時代の国語のテストでは文章に対し問題があり、ときに選択肢があり、そして答えが用意されているので、自分の読み取った内容が正解であるかどうかは一目瞭然でした。ところが社会人になると、文章を読む機会は多々あれど、本当にこの解釈で合っているのか? 自分には読解力があるのか? 答え合わせをさせてもらえる機会はほとんどなくなってしまいます。久しぶりに、腕試しをしてみたくありませんか。ぜひしてみたい! という方にも、読解は苦手だから嫌だなという方にもおすすめの小説があります。

主人公は東大出身&紆余曲折を経て37歳で医者となった変わり者の「おじさん」。ある日姉に頼み込まれ、浪人中の甥っ子・シゲル君の受験勉強を見てやることに……。1章につき1問、冒頭に実際の東大過去問が挿入されていて、まずは問題を解くところから始まります。選択肢の中から答えを選んだら小説パートへ。おじさんとシゲル君の掛け合いの中で答えが明かされていく作りになっています。

「そんないきなり、東大の過去問なんて歯が立たない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、1~6章の問題はとっつきやすいテーマのものや比較的解きやすい問題から順番に並んでいるので、「頑張れば解ける」。答え合わせのパートでは、シゲル君がうっかりミスや間違えやすいポイントを、「間違えた側からの考え方」で語ってくれ、それをおじさんが訂正するという流れがとてもわかりやすく、普通の参考書の解説を読むよりすっと頭に入ってきます。なんといっても「東大の過去問が解けた!」という満足感があり、なんだか憎めないおじさんとシゲル君のコンビにも和み、一粒で二度おいしい読後感。普段小説はあまり読まないという方でも楽しめる内容となっています。

著者の川渕圭一さんは、東大工学部卒業後、パチプロ、会社員、ひきこもりを経て37歳で京都大学医学部を卒業し医者に。そう、本書に登場する「おじさん」のモデルは川渕さんご本人なんですね。バリバリの理系の川渕さんですが、化学メーカーの技術部で働いていた頃も、医者としても、社会人に必要なのは「読解力だ」と実感しています。相手の言葉に耳を傾ける姿勢、そして人の気持ちを読み取ること。「読解力」とはコミュニケーション能力の礎なのです。もしかすると読解力の向上で解決する問題は、身の回りにたくさんあるのかも……。

受験生がラストスパートに入る季節。大人の皆さんも、あのころを思い出し、東大の過去問と格闘してみませんか?

ほんをうえるプロジェクト 長澤麻央

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

植物に水をやってゆっくりと育てるように、本ももっとていねいに売っていこうと、出版総合商社トーハンがはじめたプロジェクトです。新刊やベストセラーに限らず、独自の手法で良書を発掘し、本屋さんにご提案しています。同じ趣味をもった方同士がつながれる、「 #好きな本を語ろう 」というコミュニティを運営中です。ぜひご参加ください!

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公開日:2017/12/08
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