【書店員のイチオシ】
親の仕事を良い仕事って思えない。そんな子どものモヤモヤが晴れる『おカネの教室』
【ほんをうえるプロジェクト】

ほんをうえるプロジェクト
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
著者
高井浩章/著
出版社
インプレス
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先日、『パパはわるものチャンピオン』という映画を見てきました。原作は絵本ですが大人にも見応えのある映画でした。パパはプロレスの悪役レスラーで、みんなからブーイングをうける、かっこ悪い「わるもの」。主人公である「僕」はそのことがつらくてパパに言ってしまいます。もうプロレスはやめて普通のパパになって。パパの仕事は恥ずかしい・・・。父と子がそれぞれの葛藤のすえに辿りつく結末にとても感動しましたので、ぜひ家族で観に行って欲しいです。

映画をみていて、最近読んだ本を思い出しました。『おカネの教室』というビジネス書なのですが、中学生の男の子と女の子が、変な部活でおカネの仕組みについて学ぶという設定の、小説仕立てのお金と経済の入門書です。物語なので読みやすいところがセールスポイントですが、私がこの本が面白いと思ったのは、お金と経済の仕組みを説明する過程で、若い頃に感じることが多いであろう、お金や仕事に関するモヤモヤも書いているというところ。中学生のうちの1人、ビャッコさんは、町一番のお金持ちの娘なのだけれど、金貸しという自分のうちの家業を恥じていて、モヤモヤしています。お父さんが一生懸命働いていることは知っている。でも、その仕事は辞めてほしい。一方もうひとりの男の子、サッチョウさんのお父さんは消防士で、そのことを誇らしく思っている。

世の中にはいろいろな仕事があって、そのなかにはわかりやすく褒められることが少ない仕事もあります。冒頭に書いた映画の「悪役レスラー」というのはわかりやすい例ですが、『おカネの教室』のなかでは、様々な問いかけがでてきます。世の中にはいろんな職業、いろんな会社、いろんな人がいる。その仕事は世の中の役にたつかたたないか? 役に立つか立たないかはどう決める?ビャッコさんは今までないないくらいに家族の仕事を考え、自分なりの答えにたどり着きます。

この『おカネの教室』は、もともとは著者の高井さんが、娘さんのために書いた家族内回覧の作品なのだそうです。なるほど、と思いました。大人が読んでも役に立つし面白いですが、ぜひお子さんに渡して欲しいと感じる本です。お金と経済のしくみについてわかりやすく伝えながらも、教科書的ではない。知識だけじゃない、胸にすとんと落ちるビジネス書。お金のこと、お金を得るために働くということ、ふだんモヤモヤと感じる世界のカラクリを知ること。お金に惑わされず、でもお金を大切にして生きていけるための知識と考える力を、ユーモアたっぷりに手渡してくれます。

ほんをうえるプロジェクト 船田真喜

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

植物に水をやってゆっくりと育てるように、本ももっとていねいに売っていこうと、出版総合商社トーハンがはじめたプロジェクトです。新刊やベストセラーに限らず、独自の手法で良書を発掘し、本屋さんにご提案しています。同じ趣味をもった方同士がつながれる、「 #好きな本を語ろう 」というコミュニティを運営中です。ぜひご参加ください!

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公開日:2018/10/12
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