【書店員のイチオシ】
みうらじゅんの教える『「ない仕事」の作り方』
【ほんをうえるプロジェクト】

ほんをうえるプロジェクト
「ない仕事」の作り方
「ない仕事」の作り方
著者
みうらじゅん/著
出版社
文藝春秋
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本書は、様々なブームを生み出してきたイラストレーターみうらじゅん氏が、これまでの仕事を振り返り、それまで「なかった仕事」をどのようにして一大ムーブメントにまで発展させてきたのか、その秘密を余すことなく紹介した著者初の仕事術についての本である。

みうらじゅん氏といえば、マイブーム、ゆるキャラなど、数多くの流行を生み出してきた人物である。しかし、彼が一体どのような思考でこれらのムーブメントを生み出してきたのかはあまり知られてこなかった。

彼には、仕事を進める上で大事にする独自の法則と明確な哲学がある。

まず流行を生み出す上で大切なネーミング。

世の中に浸透するかどうかを決めるこの重要な要素について、その名づけ方に彼特有の法則がある。

それは、単語A+単語B=ABではなく、A+B=Cとなる組み合わせを用いるということだ。そして、そのためにはAもしくはBにネガティブな要素やミスマッチな要素が必要だという。

前述したマイブームもゆるキャラもその法則から生まれた言葉だ。

ブームという全体の動きを個人だけのものにするミスマッチな組み合わせと、本来ご当地を紹介するキャラクターとしてきちんとしていなくてはいけないキャラクターを、そのなんとも言えない「哀愁」漂うネガティブな雰囲気を「ゆるい」という言葉で括ってしまう大胆な組み合わせで、人々が口にしたい新しい言葉に仕立て上げた。

そして、それらの言葉はブームになる前から(人々が全く見向きもしないときから)既に存在している言葉として自分が使い続けること、そして「これは絶対に流行る」と自分を洗脳するために「とにかく数を集めて好きにならざるを得ない状況まで自分を追い込む」ことが大切だという。

これまで勘違いしていたが、みうら氏は自分が好きでコレクションしているものをブームにしているわけではない。「これは流行る!」と感じたものをまず自分自身がそのプロフェッショナルになるために大量にコレクションするのである。そうすることで、自分がそれを好きであると錯覚するようになるとともに、あまりの大量さが目を引き、自分の周りから反応が生まれ、小さな仕事につながり、少しずつ人の輪が広がって、ときに大きなムーブメントへと成長するというのだ。

その上で、最も大切なのは「いかに自分をなくせるか」とみうら氏は語る。何かを仕掛けて有名になれば「自分がやった」と名乗り出たくなるのが人の性だが、多くの人に広がっていくムーブメントというのは、その人自身が主役となって楽しめることがどうかが大切になる、というみうら氏の哲学に、仕事人としてだけでなく人としての深さを見た。

ほんをうえるプロジェクト 川井佑太

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

植物に水をやってゆっくりと育てるように、本ももっとていねいに売っていこうと、出版総合商社トーハンがはじめたプロジェクトです。新刊やベストセラーに限らず、独自の手法で良書を発掘し、本屋さんにご提案しています。同じ趣味をもった方同士がつながれる、「 #好きな本を語ろう 」というコミュニティを運営中です。ぜひご参加ください!

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公開日:2018/11/09
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