
人生はリラックスすればうまくいく!
仕事で結果を残して、夢を叶えている人たちは、みんなリラックスしている――。本記事では『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)の著者・藤本梨恵子さんが、幸せな人生を送るための「心と体の整え方」をお伝えします。
ライター・藤本梨恵子
結果を出し、幸せになるためには「努力しかない」と思っていませんか?
かつて、私もそう信じていました。座右の名は「努力に勝る天才なし」。目標を達成し、幸福になるためには努力は不可欠。泣き言を言わず、歯を食いしばって、努力をすることだけが、人生を良い方向に導いでくれると思い込んでいたのです。
当時、読んでいた有名経営者の本に「神様から応援されるような努力をしなさい」と書かれていて、「そうだ!その通り!」と本気で信じていました。
でも、これは間違いでした。
ここで突然ですが、質問です。
「高いパフォーマンスを発揮できる人はどんな人でしょうか?」
答えは、気分のいい人です。
組織行動の研究では、主観的に幸せだと感じている人は、そうでない人より生産性が30%程度高く、創造性では3倍も高いという結果がでています。

努力してビジネススキルを磨き、効率的に仕事をしたいと考えている人は多いと思います。でも努力は、あなたの内側に緊張を生み出します。それが不安やプレッシャーとなり、良い結果を遠ざけてしまうのです。
スポーツの試合や試験、仕事のプレゼンのときに、緊張して実力が発揮できなかった経験は誰にでもあるのではないでしょうか?私たちは気分がいい時に、最高のパフォーマンスを発揮するのです。
だから、いい仕事をし、夢を実現し、人に親切にしたいなら、あなたが一番やらなければいけないことは、リラックスして気分良く過ごすことです。
では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
私たちを不安にさせ、焦らせ、非難し、落ち込ませる人は、他人ではなく「自分自身」です。
あなたが何かしようとすると
「急げ、早くやれ!ぐずぐずするな!」
「ちゃんとやらなければならない……。もっと、一生懸命やれ!」
「休むな、もっと努力しろ、この程度で満足するな!」
「相手を不快にすることなんて、あってはならない……」
「こんなこともできないなんて、なんてバカなんだ!」
と厳しい言葉を投げかける「鬼軍曹」が、あなたの頭の中にいませんか?

多くの人は、無意識に親などの養育者から言われた言葉を生きる指針として取り入れて、自分を厳しく裁いています。
この頭の中の鬼軍曹の声が、あなたを常に煽り、焦らせ、過剰な努力を強いています。だから、まずこの鬼軍曹を黙らせることが不可欠なのです。
考えてもみてください。失恋した友人に
「君は振られると思っていたよ。容姿も体型も人並みで、気は利かないし、モテるわけないから」と言ったり、
仕事で失敗した同僚に
「また失敗したの?こんなこともできないなんて、なんてダメな人なんだ。呆れるよ」
と言ったりしたら、どうなるでしょう?
そう、嫌われますよね? 人にはこんなことは言わないのに、自分自身にだけは厳しい言葉を投げかけているのではないでしょうか。
だから大切なのは「セルフ・コンパッション=自分の愛する人を思いやるように、自分自身を思いやること」なのです。
「自厳他寛(じげんたかん)」という言葉があるほど、自分に厳しく、他人に優しくすることは世界共通の考え方です。
しかし、最近の1000を超える研究では、セルフ・コンパッションが高い人の方が心身の健康状態が良く、人生の幸福感が高く、ストレスが軽減される傾向があるとされています。
自責の念が強い人は次の失敗を恐れて挑戦できず、セルフ・コンパッションの高い人は、失敗は失敗で冷静に受け止め、対処策を立て、すぐに次の挑戦ができるのです。
だから他人にするように、自分に優しく声をかけることが大切です。
頭の中で、自分を叱責、非難する声が聞こえたら、
「誰だって、失敗するよ。人間だもの」
「この状況なら、不安になるのは当たり前だよ。落ち着いてゆっくりやればいいよ」
と友人に声をかけるように、優しい一言にチェンジしてみてください。
大切なのは、いい時の自分だけを受け入れるのではなく、失敗をしたり、上手くいかない状況やダメな自分もありのままに受け入れることです。

あなたも自分の愛する人がピンチの時に見捨てたりしませんよね?
同様に、自分自身が困難に直面している時ほど、やさしい慈悲の言葉で自分を労わり、癒すのです。すると、気持ちがリラックスして、目の前のことに落ち着いて取り組めます。
厳しい言葉で自分のお尻を叩き、モチベーションで物事に取り組むのではなく、リラックスして自然に「やりたい」「やってもいいかな」「できる」という気持ちで行動を起こすのです。
行動は恐れからではなく、愛から始める。つまり、リラックスして、ホッとして、自然体で行動するのです。
朝顔の種からは朝顔が咲きます。朝顔の種からひまわりが咲くことはありません。
これと同じで、不安や焦りなど恐れから始めたことは、いい結果は生まれません。リラックスして、ホッとしたり、楽しんだり、自然体で愛から行動したことは、発したエネルギーと同じ結果を生み出すのが潜在意識の法則です。
心が落ち着かない時は、まず体からリラックスすることで、心が落ち着いてくることがあります。
たとえば、下記のようなすぐにできるリラックス方法を、自分に用意しておきましょう。
・お茶やコーヒーを飲む
・好きな音楽を聴く
・ペットを撫でる
・自然に触れる
・お風呂に浸かる
・マインドフルネスや瞑想をする
私のおすすめはマインドフルネス(呼吸に意識を合わせ、今ここに集中すること)です。人は心が落ち着かず、悩んでいる時は必ず過去を悔やみ、未来を心配しています。つまり、今ここ=現在にいません。
リラックスするためには、現在に留まるマインドフルネスをマスターしましょう。自分の思考を過去や未来に飛ばし、自分を苦しめるのをやめるのです。
呼吸に集中し、雑念が湧いてきても、いろいろと思い煩わず、川に落ち葉が流れていくように受け流します。

悲しい気持ちが湧いてきたら、「そうか、こんな悲しかったんだ」と受け止め、客観的に眺め、手放していくことです。「悲しいって思ってはダメ!」と抵抗すると、その感情に囚われ、飲み込まれ支配されてしまいます。
できるだけ呼吸を意識することで、頭の中の思考を空っぽにしましょう。歩くのが役に立つように、「考える」という思考は役に立ちます。しかし、椅子に座ってまで足を動かし続けるのはおかしな行為であるように、四六時中、何かを考え続けるのも、脳を疲労させるおかしな行為なのです。
だから、気分が落ち着かなくなったら1分でいいから目を閉じ、呼吸に意識を合わせ、深呼吸をして「今ここ」に戻りましょう。気持ちが落ち着くまでは、行動に移してはいけません。自分の気分が良くなるまで待って、行動する余裕を持つことが自分への優しさでもあるのです。
真にリラックスしているとき、人はいいアイディアが浮かび、仕事がはかどり、他人に優しくできます。睡眠不足で空腹で、仕事に追われていては、効率を上げることも他人に優しくすることも幸せを感じることもできまません。
自分も相手も幸せにするために、あなたがやるべき最優先事項は、リラックスすることなのです。落ち着いた心で行動すれば、物事は必ずうまくいきます。


藤本梨恵子(ふじもと りえこ)
ファイン・メンタルカラー研究所代表/米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー/国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー/パーソナルカラーアナリスト/カラーセラピスト
愛知県生まれ。10年以上デザイナーを経験。当時月130時間を超える残業のストレスで前歯が折れる。この時期に友人の死も重なり、「幸せな生き方とはなにか?」を考え、本格的にキャリアカウンセリングや心理学を学ぶ。
NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。
癌を経験したことをきっかけに、マクロビオテック、ヨガなどをはじめ、保護猫との穏やかな生活を大切にしている。
主な著書に『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』『なぜかうまくいく人の気遣い100の習慣』(共に明日香出版社)がある。