

新年を迎え、今年の計画を練っている方も多いことだと思います。1年を充実して過ごすためには、今から「時間の使い方」を考えることが重要です。では、どうしたら貴重な時間を有効に使うことができるでしょうか? 本記事では『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』(かんき出版)の著者である吉武麻子さんが、豊かな時間を過ごすための「タイパ術」をお伝えします。
「タイパ」という言葉がここ数年で、よく使われるようになりました。
タイパとはタイムパフォーマンスの略です。コストパフォーマンスが費用対効果を意味するように、タイムパフォーマンスは時間対効果を意味します。かけた時間に対して、どれだけの効果や価値があるかを表すものです。
時間を無駄にしたくない人にとって、どうしたらタイムパフォーマンス(タイパ)がよくなるのかは気になるところでしょう。
ところが、タイパばかりを追い求めて、逆に疲れてしまう人もいます。良かれと思って取り組んだ結果、心も体も疲弊してしまってはもったいないです。
今回の記事では、タイパを上手に活用しながら豊かな時間を過ごすコツについてお届けします。

タイパを考えるときによく例に出されるのが、ドラマや映画、動画の倍速視聴についてです。
・テレビや動画を観る時間を短縮したい
・周りの人との会話についていくために、話題のものは一通り観ておきたい
このような理由で倍速視聴を好む人が増えています。
また、感情を揺さぶられたくないから、自分の好みと合うかどうかや結末を事前に確認してから観る、という人もいるようです。
これに対して、
・芝居は間を楽しむもので、セリフの行間を読むもの
・何気ないシーンから登場人物の感情を読み取るもの
・ドラマや映画の倍速視聴なんてありえない
という意見もあります。
つまり、ドラマや映画を観ることの目的が何かによって、タイパの必要性の有無を判断しているわけです。
タイパをする「目的」をまずは明確にしましょう。
例えば、ドラマや映画の作品をじっくり味わいたいと思っているけれど、同時に、本数も多く観たいと思っている人がいるとします。
あなたならどうしますか?
倍速で観て、もう一度観たいと思った作品だけ標準速度でもう一度観るという選択をする人もいるかもしれません。
じっくり観たいから倍速にはせず、とにかく睡眠時間を削ってたくさん観るという人もいるでしょう。
実は、これらはどちらも時間対効果が低い時間の使い方です。
こうした時に意識すべきことがあります。それは、「時短・効率化を意識して過ごす時間」と「時短・効率化を意識せずに過ごす時間」の2つの時間に分類することです。
要するに、限られた時間で成果を出す必要があることについては、タイパを意識することが有効です。例えば、仕事や目標、家事といったものです。

一方、24時間すべてにおいてタイパを意識するのは疲れて当然です。人間は余裕をもつことで、脳も体も心も疲労回復をしています。そのため、タイパを意識せずにのんびりと過ごす時間も意識的に取り入れるのです。
例えば、家族や友人との何気ない時間、自然に触れながらボーっとする時間、趣味に没頭する時間、美術館のような非日常的な空間で感性を豊かにする時間などです。
一見、ムダだと感じるこうした時間を持つことによって、脳はより活性化されアイディアが生まれやすくなり、心の余裕も生まれるためイライラしなくなります。睡眠時間も同じ理由で死守すべき時間です。
今回の例で言うと、ドラマや映画をじっくりと楽しむ時間を確保するために、その他の時間でタイパを意識して時短・効率化で時間を生み出していくことが、豊かな時間の使い方に繋がります。
時間の使い方にメリハリをつけることが、より豊かな人生となる時間の使い方となるのです。
仕事や目標や夢の達成には、実現可能な計画を立ててそれを着実に実行していくことが何よりのタイムパフォーマンスとなります。
実現可能な計画を立てるためには、大から小へ、目標も時間もタスクも分解していくことが必須です。

そして、自分が実行し続けることができるサイズにしていくことも重要です。
まずは自分が何にどのくらい時間をかけているのかログ(記録)を取ってみましょう。約2週間ログを取ってみると、自分の時間の使い方の癖が見えてきます。
そのログをもとに、タスクごとに見積もり時間を立てていきましょう。見積もり時間を意識することで、行動実行への確率も確実に上がっていきます。
また、見積もり時間とそのタスクを実行するのに結果的にかかった時間の誤差がなくなればなくなるほど、実現可能な計画を立てやすくなります。この見積もり時間と結果時間も記録を取ってみてください。
さらに、計画を立てる時はバッファ時間も一緒に組み込んでください。バッファとは「緩衝材」という意味で、ビジネスシーンでは「余白時間」の意味で使います。
このバッファ時間は、見積もり通りに進まなかったときや、想定外なことが起きたときに対応できるよう、前もってスケジュールに組み込んでおくことで、計画が大崩れしなくなります。
そもそも計画を立てる意味は「次は何をしよう?」と考える時間を省くためです。この時間は何よりもムダで、時間対効果がまったくありません。

実行可能な計画を立てられるようになると、計画通りに進めやすくなります。
そうすると、私たち人間は達成意欲が満たされるので、次への行動のエネルギー源ともなります。つまり、実行可能な計画を立てられるようになることが、何よりのタイパとなるのです。
今回は、タイパ(タイムパフォーマンス)についてお伝えしました。
・タイパの目的を明確にする
・時間の使い方にメリハリをつける
・最高のタイパは実現可能な計画を立てて着実に実行していくこと
この3つを意識して、タイパを上手に取り入れながら豊かな時間を過ごしていってください。


吉武麻子(よしたけ あさこ)
1981年、神奈川県生まれ。TIME COORDINATE株式会社 代表取締役
タイムコーディネーター
時間×行動化の専門家で、『目標や夢が達成できる 1 年・1 カ月・1週間・1 日の時間術』著者。
大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして24時間365日仕事に追われる日々を過ごす。
帰国後、キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ3000名以上に指南。心地よい時間の使い方で、ありたい未来をつかみに行くための「タイムコーディネート実践プログラム」や「タイムコーディネーター養成講座」を開講。
また、シリーズ100万部発行の『時短・効率化の前に今さら聞けない時間の超基本』の監修や、タイムコーディネート手帳の製作販売、企業研修、時間の専門家として各種メディアにて掲載・連載執筆を行っている。