今、ビジネスパーソンに求められる「教養」とは?
【紀伊國屋書店のイチオシ】

紀伊國屋書店

「教養主義」と聞けば、1970年頃を境に急速に衰退した古臭い考え方、と思う方も多いでしょう。このあたりのことは中公新書『教養主義の没落』に詳しいので、もし興味があればご一読いただくとして、さて「教養」自体が廃れたのか、不要になったのかというと、どうもそうではないようです。
『仕事に効く教養としての「世界史」』(祥伝社)や『いっきに学び直す日本史』(東洋経済新報社)がベストセラーになるなど、書店、なかでもビジネス書売場にはここ数年「教養ブーム」が再来しています。世界のビジネスエリートと渡り合うには、他国自国問わぬ「教養」が不可欠、そんな想いも背景にあるのかもしれませんね。最近は、逆にそんな風潮を意識してか、タイトルに「教養」を入れ込む著者、出版社も増えてきた様子。
そこで今回は、今売れている教養書トップ3を紹介してみたいと思います。

※紀伊國屋書店新宿本店 2017年11月~2018年1月の売上調査による。タイトルに「教養」を含むものの中から資格書やテキストを除いて集計した。

1位:『世界のビジネスエリ-トが身につける教養 西洋美術史』木村泰司、ダイヤモンド社

本を開いて始めに目に飛び込んでくるのが「美術史とは、世界のエリートの“共通言語”である」という一文。煽り過ぎでは?と身構えたが「はじめに」を読んだだけであっさり納得。単に美術の鑑賞のみならず、描かれた背景を理解することでその国の歴史、文化、価値観まで学べてしまう一挙三得四得な本だ。

世界のビジネスエリートが身につける教養 西洋美術史
世界のビジネスエリートが身につける教養 西洋美術史
著者
木村 泰司
出版社
ダイヤモンド社
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2位:『教養としての「税法」入門』木山泰嗣、日本実業出版社

発売された時には「タイトルに教養とつければ何でもかんでも売れると思ったら大間違い」と内心思ったものだが、売れている……。実際、手にとってみると税法の成り立ちから始まり、いろんな判例も出てくるのでフムフムと読み進められる。「お金」教育が脚光を浴びる昨今、税法の知識ももはや教養なのかもしれない。

教養としての「税法」入門
教養としての「税法」入門
著者
木山 泰嗣
出版社
日本実業出版社
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3位:『変調「日本の古典」講義 身体で読む伝統・教養・知性』内田樹 安田登、祥伝社

これぞ「教養本」というべき1冊。古事記、能楽、論語などの伝統文化について、思想家・内田樹と能楽師・安田登が語る、語る、掘ること、掘ること。変調というだけあって、話の展開がまったく読めないのもおもしろい。

変調「日本の古典」講義
変調「日本の古典」講義
著者
内田 樹/安田 登
出版社
祥伝社
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ちなみに4位、5位は以下のとおり。
4位:『大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ』岡田斗司夫、KADOKAWA
5位:『知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99』中村圭志、幻冬舎

いかがでしたか。
西洋美術史、日本の古典、キリスト教あたりは成程と思いましたが、税法やアニメはちょっと意外でした。そもそも「教養」って何だ? と問い直したくもなりますが、でも求められる「教養」は時代と共に変わっていくものなのかもしれません。
最後にオマケとして、そんな「教養」の変遷をテーマにした異色の本をご紹介します。

『日本がバカだから戦争に負けた 角川書店と教養の運命』大塚英志、講談社

副題まで見ないと、その衝撃的なタイトルに、まず内容を勘違いしてしまうだろう。
角川書店(現KADOKAWA)が何を思ってビジネスを展開してきたか、角川4代に渡る経営思想史だ。そしてそれは角川という巨大メディアが「教養」をどう捉え、どう変えてきた(変えていく)かという「教養史」でもある。

日本がバカだから戦争に負けた―角川書店と教養の運命
日本がバカだから戦争に負けた―角川書店と教養の運命
著者
大塚 英志
出版社
星海社
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紀伊國屋書店新宿本店 ビジネス書仕入担当 吉野裕司

https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/


紀伊國屋書店新宿本店は2月1日にリニューアルしました!

より見やすく選びやすいレイアウトで、新宿に根差した文化・芸術・情報の発信拠点として、お客様の多様なニーズに的確にお応えできるよう、日々精進してまいります。

公開日:2018/02/23
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