出版社のイチオシ#001


フライヤーでは「イチオシの本」というコーナーがあります。
「今月のイチオシ」では、その月に紹介した本のなかからフライヤースタッフがとりわけおすすめしたいものを、
「書店員のイチオシ」では、本のエキスパートたちがいま注目している一冊がピックアップされています。
今月からはそこに「出版社のイチオシ」が加わることになりました。
つくり手側の立場から語られる、なぜこの本をつくったのか、どういう人に読んでほしいのかという思い。その言葉にぜひ耳を傾けてみてくださいませ。
すばる舎のイチオシ
「よりよいものを作れば売れる時代」から、「売れるものをいかに作るか」という時代への流れの中、顧客の行動データをビジネスに活かして成功したいと考えることは当たり前になりました。
しかし、やみくもにデータを集めて分析しても、ビジネスの成功確率は上がりません。どんな会社にもある各種データも「活用法がよくわからない」というのが実際のところではないでしょうか。
そこで、ビジネスの成功につながるデータの正しい活用法や集め方を、最前線の現場で活躍する現職の方にわかりやすく解説してもらいたいというのが、本書を企画した理由です。
ビジネスを成功に導くにはどんなデータが必要で、誰に、どういう調査をすれば集められるのか。集めたデータから何が言えるのか。それには仮説が重要なカギとなり、どうすれば良質な仮説を立て、有効なアクションにつなげられるのかという、リサーチの現場で実際に使われている方法をわかりやすく解説します。
(編集部 吉田真)
クロスメディア・パブリッシングのイチオシ
元気で健康的に働くことほど、幸せなことはないと思います。この本の過激なタイトルは、「ブラック企業で働いてはいけない」といった短絡的な意味ではなく、「会社のために、自分を押し殺して働くことはないですよ」ということを伝えたくて名付けました。
元気で活き活きと働くために最も大切なのは、みなさんもご存知のとおり「ストレスを溜めないこと」にあります。
ですがストレスが何をきっかけに生まれて、どんなメカニズムで深刻化してしまうのか、正しく理解している人が極めて少ないのです。
私自身、メンタルヘルスについて多くの思い込みや勘違いを持っていたと、本の制作を進めていく中で何度も気づかされました。
この本は産業医である著者、難波克行氏の豊富な知識と経験から、メンタルヘルスの問題が発生するメカニズムを詳しく解説し、そして先手を打って予防するための豊富な具体策をご紹介しています。
「仕事がつらい」と感じているビジネスパーソンはもちろんのこと、「部下や社員につらい思いをさせてしまっていないか」と不安に感じている経営者やマネージャー層の皆さんにも、ぜひ一読していただきたいです。
(編集 石田拓也)
日本実業出版社のイチオシ
息子さんが生後4カ月のときから一緒に旅行していた旅行ジャーナリストである著者が提唱する「旅育」の方法を紹介する本書。
「旅育」とは、親子で旅を楽しみながら子どもの知性・感性を伸ばすいま注目の教育法です。本書ではその5つのメソッドをイチから解説。書籍制作にあたっては星野リゾート、JR東海、JALなどに協力を依頼!
フォミリー向けリゾートホテル「リゾナーレ」や、リニア・鉄道館、超電導リニアの体験乗車ルポや新幹線や飛行機の家族向けサービス、実際に子どもと旅をしてきた著者だからこそ語れる「厳選 おすすめ旅育スポット」など、旅育にまつわる企業のサービスや旅育ノウハウを詰め込みました!
「旅と脳」の関係についてコラムを寄稿いただいた脳科学者、茂木健一郎先生によると、旅は自頭を鍛えます! 家族旅行や帰省が子どもの生きた学びの場になる「旅育」は、好奇心が旺盛になって反抗期を迎える前の3〜9歳くらいが最適。ぜひ、お試しください!
(第一編集部 山田聖子)
かんき出版のイチオシ
本書は大人気心理カウンセラーの心屋仁之助先生の講演会をそのままギュッと1冊にまとめたものです。以前、私が担当します和田裕美先生の講演会で、心屋先生と和田先生の共演を拝見し、心屋先生のお話がとても面白く、また歌がお上手だったのが印象に残っていていました。その後、心屋先生と本づくりをご一緒できることになり、先生から「しばらくは一般の方向けへの講演会はしない」と聞き、「それはもったいない! 」と。「では、講演会を本にしませんか? 」とご提案を差し上げた次第です。
心屋先生の講演会は楽しく笑える、一方で涙を流されて聞いている方もいて、読者の心を打つものだと感じました。また、講演の臨場感をそのまま伝えるために、CD化したものを本書にはつけています。実は、制作には1年近くかかり、何度かも録音を撮り直し、選んだもの。後半では、心屋先生の歌声も聞けます。
本を読むのもよし、CDを聴くのもよし、「劣等感」「親子関係」「生き方」「老い」「お金」など、あらゆる悩み事がスーッ消えて心から晴れる1冊です。
(編集部 副編集長 谷内志保)
飛鳥新社のイチオシ
パワハラ、セクハラ、過労、リストラ、それから最近ホットワードの忖度(そんたく)……。ニッポン企業のこうした理不尽について、「働くとはそういうことだ。ガマンするしかない」と思っていませんか? かくいう私は前職を退職するさい、「お世話になった会社を辞めるのに、有給を使いたいなんて非常識よ?」と有給消化を認めてもらえませんでした。「立つ鳥跡を濁さずだからなぁ……」とうっかり従ってしまったのですが、明らかに会社がアウトです。会社では往々にしてこうした「バカ」な論理がまかりとおっていますが、つい言いなりになってしまうことが多いんですよね。
本書ではこうした「会社の理不尽」への対処法を、労使問題のプロとコミュニケーション術のプロのお二人が、状況別にわかりやすく指南します。「最低限の知識」を身につけておくだけで、会社の無茶ぶりはおどろくほどスッキリ撃退できるんです。「そうは言っても波風立てるのは……」という方のための「大人の切り抜けかた」も指南。1時間でサラリと読める本書、快適な職業人生にお役立てください。
(編集部T)