出版社のイチオシ#019


各出版社の「これはぜひ推したい!」という本を揃えたコーナー、「出版社のイチオシ」です。
少しずつ暑さも抜け、秋の足音が近づいてきましたね。
教養を深めるような書籍が揃いました。ぜひチェックいただければと思います。
文響社
2018年一番売れたビジネス翻訳書(日販調べ)『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』のシリーズ第3弾のテーマは「現代」。主に20世紀から現代にいたるまでにフォーカスしています。
今までと同様のテーマである歴史や文学でなく、映画、スポーツ、社会現象、ポップカルチャー(大衆文化)をとりあげているところが本書の特徴。
映画ではスティーブン・スピルバーグやオードリー・ヘップバーン、スポーツではベーブ・ルースやマイケル・ジョーダン、社会現象では人種差別やフェミニズム、ポップカルチャーではアメリカのTVドラマ『フレンズ』をとりあげるなど、シリーズで一番身近で親しみやすい内容。ハリウッド映画やジャズ、ロック、ポップミュージックの歴史もひととおりわかり、映画や音楽をより深く味わえるようになります。
昔のことを懐かしく思い返したり、知らないことを新鮮な気持ちで学んだりと、幅広い世代が楽しめる1冊です。
(文響社編集部 野本有莉)
エムディエヌコーポレーション
本書は、AIを支えている技術「ディープラーニング」とビジネスとのかかわりについて、専門家ではない一般のビジネスパーソンに向けて書かれた本です。
機械学習の新しい手法として2010年代に登場したこの「ディープラーニング」は、きちんと理解するには大学レベルの数学の知識が必要になるのですが、この本では数式の類はできる限り排除し、ビジネスの現場に則した簡易な文章と豊富な図解で直感的に理解できるようになっています。
「第3次人工知能ブーム」が喧伝されてから7年程が経過しました。さまざまな分野においてAIの導入が行われ、実際に運用が開始されているケースもあることは、報道などで誰もがご存じだと思います。すなわちこれらを知っておくことは、多くの「働く人」にとって無縁なことではないのです。そのことはこのサイトをご覧になっているあなたがもっとも認識していることでしょう。ぜひご一読ください。
(MdN書籍編集部 塩見治雄)
NTT出版

いまや私たちの日常的な「環境」になっているインターネット。しかし、インターネットでは、炎上、フィルターバブル、フェイクニュースといったさまざまな問題が、毎日のように起こっています。
ここで、生物学者ユクスキュルが唱えた「環世界(ウムヴェルト)」という概念があります。「すべての動物は、それぞれ固有の知覚世界(環世界)をもち、その中で生きている」という意味です。
この概念に着目して「現代人は、いわば〈情報環世界〉に生きているのではないか? 情報社会のいろいろな問題のヒントになるかもしれない!」という問題意識のもと、気鋭の研究者やクリエイターが集まり、研究会を開きました。
本書はその成果で、テクノロジー、人間科学、アートなどを活用し、現代社会をポジティブに漂流していくためのガイドブックです。
レクチャー、まんが、「情報環世界マップ」、コラム、ワークショップ、ブックガイドなど、盛り沢山の内容です。
(編集担当 柴)
自由国民社
普段私たちが何気なく目にしている本やインターネット、看板やディスプレイに使われている文字。
そこには「書体」や「フォント」という、覗いてみるとととっても奥深くて、おもしろい世界が広がっているんです。
文字のかたちやイメージを決める「書体」と「フォント」の基礎知識から、街でみかけるフォントの観察レポート、ベストセラーやヒット映画で使われているフォントの研究、第一線で活躍するフォントデザイナーやフォントをテーマにした話題書著者のインタビューなど、文字に少しでも興味のある方ならどこから読んでもおもしろい話題を幅広く集めました。
フォントを知ると、「文字」と「ことば」がもっと好きになる! この本を読んだあとには、見なれた文字の景色がこれまでとは違った、新鮮な興味を引く対象になること間違いなし。
文字を楽しむおとなの部活=「フォント部」に、この本であなたもちょっと体験入部してみませんか?
(編集局長 竹内尚志)
クロスメディア・パブリッシング
仕事や恋愛、家庭などでうまくいかないことがあったときに、落ち込んで「うまくいかないのは性格のせいだ」「どうしてこんなにダメなんだろう?」と、自分を責めてしまい、「なんとなく生きづらいなぁ」と感じたことはありませんか?
実はその「生きづらさ」はあなたの持って生まれた性格や個性ではなく、「思考・行動パターン」に問題があったのです。そしてそれを改善できるのが、カウンセリングと心理療法を組み合わせた「問題解決型カウンセリング」です。
本書は、心理カウンセラーである著者が「問題解決型カウンセリング」の具体的な手法を実例とともに紹介しています。タイトルに「ノート」とある通り、書き込み欄が多数設けられているので、書きながら自分の気持ちを整理できるのも魅力の一つです。
人間関係で悩んでいる人、何かと自分を責めてしまいがちな人に読んでほしい一冊です。
本書を読んで「なんとなく生きづらい」をフッと軽くしてみませんか?
(編集部 下井田)
あさ出版
「幸せとは何か」「働くとは何か」「生きるとは何か」…...。「知らんがな」。
本書は、働く人が今を生き抜く戦い方を手に入れるための「ビジネス×哲学小説」です。小説のストーリを追いかけながら、「仕事」にも「生きること」にも必要な「哲学」と「ビジネススキル」の両方が身つけられます。
物語の主人公は、夢も目標もない。当然、彼女もいない。好きなのは、カレーだけ。ただ自堕落に毎日を過ごしているさえない22歳のフリーター。そんな彼の前に、突然現れたのは、金髪の「5辛」とひげ面の「大盛」の2人の怪しげなおっさん。彼らと出会ったことで、主人公の人生が動き出します。
「大盛」役を、NHK「世界の哲学者に人生相談」で指南役の哲学者の小川仁志氏。「5辛」役を、全国1500か所に登壇した経営コンサルタント一圓克彦氏が務めます。2人の教えを主人公なりにまとめたノートで学びを深められます。
就活生や新社会人、部下や輩を指導する人、そして働くことに悩みを抱えているすべての人にオススメの一冊となっています。
(編集部 星野)