出版社のイチオシ#028


各出版社の「これはぜひ推したい!」という本を揃えたコーナー、「出版社のイチオシ」です。今回ご紹介するのは、次の7冊。なかなか外出もままならないご時勢ですが、そんなときこそ読書はいかがでしょう。生き方や働き方を見直すきっかけになるかもしれません。
プレジデント社
フィンランドといえば、「世界幸福度ランキング第1位」「教育水準が高い」「ものを大切にしている」「自然が豊か」などというイメージのほか、最近は世界最年少の女性首相が誕生するなど、小国でもキラリと光る独自の価値観を世界に発信していることで注目されています。
本書の著者である蓬台さんも、静岡県浜松市郊外でまさにそのような活動を実践しています。北欧的スローライフを体感できる1万坪のフィンランドヴィレッジには、毎月1万人を超える人々が訪れ、フィンランド現地とも留学生の受け入れやお神輿イベントの開催など、行政の力を借りずに独自に交流を続けています。
地方の建設会社が、なぜこのような取り組みをしているのか、そして、このような活動を可能にしているチーム力とは。イノベーションが生まれる「場づくり」に関する様々なヒントが、この本には詰まっています。経営者やリーダー層はもちろん、地域活性化に取り組んでいる方々にとって、何らかの気づきを得られると思います。
(書籍編集部 田所)自由国民社
限られた日数に観光スポットや定番グルメを詰め込んだツアーの対極にあるのが、「暮らすように楽しむ旅」。
働き方改革とは言うけれど、日本人の夏休みや年末年始休暇は、1週間程度がまだ関の山でしょうか? けれど気ままな旅を愛する人なら、ベタな観光地から一本脇道へ逸れ、たとえ現実には難しいとしても、「もしこの街に住んだら、明日は何をしようかな……?」と空想を巡らせたりすることでしょう。
世界のトレンドを牽引し続けるニューヨークには、この街に魅入られた人が繰り返しやって来ます。いつも何か発見があり、訪れる人の感性を揺さぶるニューヨーク。本書では、現地在住の著者が、観光客のおあつらえ向きではない「したいこと」を100個挙げ、“旅と生活、その間”を案内していきます。
たとえ短い日数であっても、暮らすように過ごす時間の中では、仕事や生活に活かせるヒントや、自分の生き方を見つめ直すきっかけが見つかるかもしれません。
(編集部 上野 茜)ポプラ社
どんなに仲のいい親子でも「お金の話」ってなかなかしづらいものですよね。子どもが独立して家庭を持ち、ふだん離れて暮らしていればなおさらのこと。たまに会うお盆休みやお正月にお金の話なんて……と思ってしまうのも無理からぬ話です。
でも、いずれそのうちねと先送りしていると、大変な目に遭うこともあるんです! たとえば、親が認知症と診断されてしまったら、親の治療や介護のためだとしても、親の預金を子どもが勝手に下ろして使うことはできないって知っていますか? いくらかかるかわからない病院や介護施設などへの支払いも、子どもが負担せざるを得なくなるのです。そして、そんなお金の問題が、やがてきょうだい間の相続トラブルに発展することもあるとか。
著者の安田まゆみさんは、こうした認知症対策の財産管理や相続問題などの相談を7000件以上受けてきたファイナンシャルプランナー。親が元気なうちにちゃんと準備しておけばトラブルを避けられたケースが本当に多い、と嘆いています。
では、いったいどんな準備をすればいいのか? 数多の事例を見てきた著者が、実践的に指南してくれます! 親が70歳を超えたら、あるいはウチの親も年とったなあと感じたら、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
(企画編集部 倉澤紀久子)フォレスト出版
マーケティング思考力を身につけたいとお考えの方は、たくさんいらっしゃると思います。とはいえ、本を読んだり、セミナーを受けたりしただけでは、「理論はわかるけれど、自分の仕事にどのように使えばいいかわからない」という方が大半ではないかと思います。
では、実際に、マーケティング思考力を身につけ、仕事に活かすにはどうしたらいいのでしょうか? それには、成功事例のマーケティング戦略をトレースしてみて、「もし自分がマーケティング責任者だったらどうするか?」を考えてみるのが一番の近道です。
本書は、SNS上の超人気コミュニティ「マーケティングトレース ―マーケターの筋トレ―」で公開されている、成功事例のトレースを多数紹介しています。こちらをお読みいただくことで、マーケティングの基本的な考え方と、フレームワークの具体的な使い方が簡単にご理解いただけるようになっています。マーケティング思考力を身につけたい方はぜひご一読ください。
(編集担当 貝瀬裕一)リベラル社
本書は経済・経営ジャーナリストとして、多様な業種での幅広い取材経験を持ち、企業風土や働き方、人材育成から成功法まで、鋭い論旨を展開することで定評のある著者が、「アドラーの言葉」をワンフレーズで超訳した本です。
日常的なビジネスシーンで「アドラーの言葉」を活用しやすいように、トヨタ、アップル、グレタ、ラクビー日本代表など、誰もが知る企業や著名人が、実際に困難にぶち当たった経験談になぞらえて紹介。その時、アドラー心理学では「どんな考え方」や「どんな行動」をして解決していくかを解説しています。
人生の課題は、すべて対人関係上の課題だと言い切るアドラーだけに、
実践的な「人間関係の悩みを消す」ためのノウハウが詰まっています。
・タイプで語るな、個人を見ろ
・人格攻撃は信頼関係を破壊する
・「何でも知っている」 を恥じよ
・勇気をくじくな、勇気付けをしろ
・他者を敵ではなく 「仲間」 と考えよう
など、アドラー心理学に基づいたワンフレーズと実践的な解説は、日常生活ですぐに使えるものばかり。ちなみに「勇気をくじくな、勇気付けをしろ」の考え方は、上司や部下との関係、子育てにも私の強力な武器になってくれています!
(編集担当 伊藤光恵)ディスカヴァー・トゥエンティワン
モノが多くても、部屋が狭くても、捨てたくない人へ。本書は、たくさん捨てることに抵抗があり、ミニマリストにはなれない人に、ぜひ読んでほしい片づけ本です。著者の米田まりな氏は、100万人の「モノデータ」を扱う企業サマリーで「モノと暮らし」のデータ分析に携わる一方、整理収納アドバイザーとしてさまざまな片づけの悩みに向き合ってきました。その経験をもとに確立した「捨てない片づけ」メソッドを、本邦初公開。
モノへの愛を守りつつ効率的でスッキリした部屋が実現できるノウハウを、次の4つのSTEPで紹介します。
STEP1:見積もり
「自分が持っているモノの量」「片づける順番」や「スケジュール」から戦略を立てる
STEP2:整理
すべてのモノを「使う・使わない」と「愛している・愛していない」で細かく定義し、優先順位をつけて分類する
STEP3:収納
整理でつけた優先順位で、メリハリをつけて収納。多様な収納方法と管理法を紹介
STEP4:整頓
毎週30分のメンテナンス習慣で、片づいた状態をずっと維持大好きなモノや、捨てたくないモノが多くても、大丈夫。
「片づけられない」という罪悪感から解放され、効率的かつ、自分らしい暮らしを、手に入れましょう!
(編集部 大山・谷中)かんき出版
新型コロナウイルス対策で、働き方の変化を求められている一方、「うちにテレワークはムリ」「時短勤務にしたら仕事が回らなくなる」という言葉もよく聞きます。
本書で紹介する「仕事のムダとり」の手法は、働き方を変えるヒントが満載です。
「この会議何のためにやっているの」「この仕事本当に必要なのかなぁ」と、感じた経験がある人も多いはず。
何も決まらない会議。メールで共有したはずなのに、上司から対面で説明を求められる報連相。なぜか紙に限定されている提出書類……。私たちの職場には数々のムダが潜んでいます。
実際、これらを削ぎ落とすだけでも、働き方を大きく変えることができます。
やるべきことは、「ムダに気づいて、やめる」たったこれだけ。
本書では、倒産寸前の会社を徹底的な「ムダとり」で再生した著者が、“使える”ムダとりの手法を図やイラストを駆使しながら楽しく解説しています。
「明日やってみよう!」と思えるノウハウが満載です!
(編集部編集長 重村啓太)